18 / 40
17
しおりを挟む
「何で?」
「こうた、逆の立場になって考えてみたらわかるわ」
「逆の立場?」
「例えばこうたが友達の私物を拾ったとするでしょう?それを先生を通して返したとするーー―」
「僕、拾ったらすぐ本人に返してあげるよ」
「まぁ本来はそうかもしれないけど、例えばその友達とケンカ中で返すのが気まずくて、先生を通して返したとする」
「うん」
「ちゃんと先生から本人に返ったかどうかわからない場合どうする?ちゃんと返してくれるかどうか、先生と友達の様子を注意深く見たりしない?」
「あ、する」
「そういうことよ」
なるほど、そういうことか。
じゃあ拾い主は僕に直接返すのが気まずい関係の人なんだ。
僕は誰ともケンカしていないけど。
僕に直接話をするのが嫌ってことは、全然知らない人なのかもしれない。
それか、僕のことを嫌っている人か。
「そういうことを踏まえて、いつもと違うなって感じる子、いなかった?」
「いつもと違う子・・・」
「普段話をしない子がいきなり話しかけてきたり、とか」
「うーん」
あ、そうだ。
僕の脳裏にうみちゃんの姿が思い浮かんだ。
帰り際、靴箱で見かけたうみちゃん。
中学生になってからそれほど頻繁に話はしなくなったんだ。
でも今日話しかけられた。
と言うか、そもそも話しかけたのは僕の方から、なんだけど。
「こうた、逆の立場になって考えてみたらわかるわ」
「逆の立場?」
「例えばこうたが友達の私物を拾ったとするでしょう?それを先生を通して返したとするーー―」
「僕、拾ったらすぐ本人に返してあげるよ」
「まぁ本来はそうかもしれないけど、例えばその友達とケンカ中で返すのが気まずくて、先生を通して返したとする」
「うん」
「ちゃんと先生から本人に返ったかどうかわからない場合どうする?ちゃんと返してくれるかどうか、先生と友達の様子を注意深く見たりしない?」
「あ、する」
「そういうことよ」
なるほど、そういうことか。
じゃあ拾い主は僕に直接返すのが気まずい関係の人なんだ。
僕は誰ともケンカしていないけど。
僕に直接話をするのが嫌ってことは、全然知らない人なのかもしれない。
それか、僕のことを嫌っている人か。
「そういうことを踏まえて、いつもと違うなって感じる子、いなかった?」
「いつもと違う子・・・」
「普段話をしない子がいきなり話しかけてきたり、とか」
「うーん」
あ、そうだ。
僕の脳裏にうみちゃんの姿が思い浮かんだ。
帰り際、靴箱で見かけたうみちゃん。
中学生になってからそれほど頻繁に話はしなくなったんだ。
でも今日話しかけられた。
と言うか、そもそも話しかけたのは僕の方から、なんだけど。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる