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痛い。

すごく痛い。

僕はもう中学生なんだから、子ども扱いしないで欲しいのに。

「ふせんってねー、はがせるのよ!」

「うん、知ってる」

「そういうことよ」

「え!?」

そういうことって何?

そんな一言で終わると思っていなかったから、僕の中に謎だけが残った。

僕がそんな表情を見せていたからか、姉ちゃんはよくわからない頷きを見せて、言葉を続けてくれた。

「ふせんはねー、残したくない言葉をメモするのに丁度いいのよ」

「残したくない言葉って?」

「例えばねー、これを見て!」

姉ちゃんはノートにあるふせんの1つを指差して言った。

「ここに数式が書いてあるでしょ?で、この横にあるふせんにはその解き方のヒントが書いてあるのよ」

「うん」

「本当はそのヒントなしで解けるようにならなきゃいけないけど、忘れた時用に必要なのよ」

「ふーん」

「私はノートって自分で作る参考書だと思ってるの。だから極力簡潔にまとめたいわけ。でももうちょっと付け加えたいことがあるんだけどなーって時にふせんの登場よ」

「ふーん」

「今重要だけどそのうち必要なくなるの。だからそういうのは簡単にはがせるふせんに書いておくのがいいのよ」

それにしても姉ちゃんのノートはふせんでいっぱいだ。

これらはみんな今重要なだけで、そのうち捨てられていくんだな。
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