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「これ、天野君の物じゃないかしら?」
河口先生が引き出しから何かを取り出したと思ったら、そう声をかけながら机の上に何かを置いた。
「あ!これ!!」
机の上に置かれた物を見て、僕はここが職員室だということを忘れて大声を上げた。
一瞬にして職員室内の教員から注目を浴びる結果になった。
慌てて僕は口をつぐむ。
「やっぱり天野君の物だったのね。良かったわ、持ち主が見つかって」
上機嫌でそう言いながら机の上に置いていた物を僕に手渡してくれた。
僕はそれを大事に受け取る。
「あの、これ誰が届けてくれたんですか?」
極力声を抑えて尋ねる。
けれど興奮を抑えられない。
なぜなら僕はずっとこれを探していたからだ。
探して、探して、見つからなくて、半ば諦めていた。
そんな時に、見つかった。
嬉しくて仕方がない。
「親切な人が届けてくれたのよ」
「誰ですか?」
思わず身を乗り出してしまった。
河口先生は呆気に取られている。
が、やがでくすくすと笑い出した。
「よっぽど大事な物だったのね。もう無くしちゃだめよ」
「はい」
「親切な人っていうのはね、教えられないの」
「え?」
「内緒にして欲しいって言われたからね」
何でだろう?
その親切な行為のおかげで喜んでいる僕がいるのに。
一言お礼が言いたいのに。
「もしかしたらわざと捨てたのかもしれない。それを届けたら迷惑だと思われるかもしれない。だから自分の名前は伏せて欲しい。そう言っていたわ」
「捨てた?」
「ごみ箱の中にあったそうよ、それ」
「ごみ箱!?」
そんなバカな!
僕は受け取った物をまじまじと見た。
河口先生が引き出しから何かを取り出したと思ったら、そう声をかけながら机の上に何かを置いた。
「あ!これ!!」
机の上に置かれた物を見て、僕はここが職員室だということを忘れて大声を上げた。
一瞬にして職員室内の教員から注目を浴びる結果になった。
慌てて僕は口をつぐむ。
「やっぱり天野君の物だったのね。良かったわ、持ち主が見つかって」
上機嫌でそう言いながら机の上に置いていた物を僕に手渡してくれた。
僕はそれを大事に受け取る。
「あの、これ誰が届けてくれたんですか?」
極力声を抑えて尋ねる。
けれど興奮を抑えられない。
なぜなら僕はずっとこれを探していたからだ。
探して、探して、見つからなくて、半ば諦めていた。
そんな時に、見つかった。
嬉しくて仕方がない。
「親切な人が届けてくれたのよ」
「誰ですか?」
思わず身を乗り出してしまった。
河口先生は呆気に取られている。
が、やがでくすくすと笑い出した。
「よっぽど大事な物だったのね。もう無くしちゃだめよ」
「はい」
「親切な人っていうのはね、教えられないの」
「え?」
「内緒にして欲しいって言われたからね」
何でだろう?
その親切な行為のおかげで喜んでいる僕がいるのに。
一言お礼が言いたいのに。
「もしかしたらわざと捨てたのかもしれない。それを届けたら迷惑だと思われるかもしれない。だから自分の名前は伏せて欲しい。そう言っていたわ」
「捨てた?」
「ごみ箱の中にあったそうよ、それ」
「ごみ箱!?」
そんなバカな!
僕は受け取った物をまじまじと見た。
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