うちにかえろう

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『さいきんはやくうてるようになつた』

メール不精だった父の、

必死に使いこなそうとする姿が

頭に浮かぶようなメールだった。

「いつも『っ』が『つ』になってるよ」

今までの父のメール

改めて読み直していると、

ふと涙が込み上がってきた。

知らない街での

慣れない大学生活。

この道を選んだのは

私自身だけど、

今までの生活と違いすぎて

胸が苦しくなる。

でも弱音なんて

はいていられない。

この大学には

一年分多く

気持ちがこもっている。

その気持ちに負けたくない。

でも・・・。

自分の気持ちと

矛盾する現実世界。

私には

少し何かが足りない。

現実に嫌気がさした時、

こんな時、

母にいろいろ言われることで

スッキリしていたなぁ。

その後、父は黙って私に

熱いお茶を差し出してくれた。

そうだ、

来週のゴールデンウィークは

家に帰ろう。

そしてまた母にいろいろ言われたら、

心のモヤモヤが

スッキリするかもしれない。

父はいつも我関せずという感じで

何も言ってこなかったけど、

メールを毎日

送ってくるくらいだもの

話せば私に

言葉を返してくれるはず。

話のきっかけは

何でもいい。

会話に続きそうなことを

自分から話しかけよう。

『今度のゴールデンウィーク、

帰ったら『っ』の入れ方を教えてあげるよ』

今日、父のメールに

初めて返信を打った。
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