上 下
14 / 22

13

しおりを挟む
「ただいまー」

駅前で軽い昼食を済ませて家に帰ると、もう夕方になっていた。

時が過ぎるのは本当に早い。

冬だとあっという間に真っ暗になる。

その点、今は春で良かった。

気候にも天候にも恵まれ、1日をいい気持ちで過ごすことができた。

「ばぁば、おかえりー」

私の声に反応して孫たちが出迎えてくれた。

と言っても孫たちは私本人よりもお土産が待ち遠しいのだ。

言葉では私を出迎えているつもりでも目線は私の手元にある。

こういう正直なところが子どもらしくて微笑ましい。

お土産はバッチリ購入してきた。

門付近に店はあるのだがお土産屋さんというわけではなく、夜店などに出ている屋台でポップコーンしか売っていなかったので、駅で購入した。

特急電車が停車する大きな駅なのでお土産売り場も充実しており、ご当地名産品はもちろん、この街の顔とも言えるベジタブルランドの物も多く売られていた。

お土産に選んだパンプキンチップスは、パンプキン城を型取ったカボチャ味のスナック菓子で、1番人気のお土産商品だ。

野菜類は苦手な孫たちも、お菓子になれば喜んで食べてくれるので助かる。

「ばぁば、べじたぶるらんどにいってきたのー?」

紙袋から早速中身を取り出した孫たちが騒いでいる。

今にも開けて食べ出す勢いだ。

そんな孫たちから娘がひょいとお菓子を取り上げた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

*いにしえのコトノハ*3 too late to do

N&N
青春
判断は何でも早いに限る

*いにしえのコトノハ*4 1/2

N&N
青春
Loveじゃなくて、Likeじゃなくて、

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

*いにしえのコトノハ*9 苦くて、甘くて、時々しょっぱい

N&N
青春
困った時はお互い様 先輩も後輩も 身内も他人も 細かいことなんて 気にすんなよ

*いにしえのコトノハ*5 匿名ごっこ

N&N
青春
あれはきっと あの人からだと 自分だけが 知っている

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

おむつ体験実習レポート

yoshieeesan
現代文学
以下は、看護や介護の職場の研修で時たま行われる研修に対するレポートの一例です。当然課題である実習レポートに複製して用いたりはしないでください。

*いにしえのコトノハ*8 なっちゃん

N&N
現代文学
だって親ってそういうものでしょう。 子どもの考えなんてお見通し、なんて言って。

処理中です...