食人鬼なのに養い子に性的にいただかれました!?

いぶぷろふぇ

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「ごめんなさい」

 目が覚めて声の方向を見ると、それはそれは綺麗に地べたに頭をつけたまんまのシモンが居た。何がごめんなんだろう、そう思って声を出そうとしたのに、がすがすした咳が代わりに出てきた。そうしたらシモンは慌ててすっ飛んで水を汲みに行って、なんだかそれがおかしかった。
 冷たい水を飲んで、ふうと一息ついたら喉はさっきよりマシになっていた。でも、水を飲むために起き上がっただけなのに、いろんなところがじわじわ痛むし、お尻に限ってはびりびりと痺れるような感覚がまだ残っている。これは重症だ。

「ごめんなさい。ユノが気を失った後も、その、我慢が効かなくて……おまけに、あの、全身噛んでしまいまして……」

 えっと思って下を向くと、いくらなんでも噛み過ぎではと言えるレベルの噛み痕が全身に残っていた。ここまでいくともはや気持ち悪いレベルの量だ。むしろ噛み痕がなんにもついていない部分を見つけることなんかできるのか? 

「その、ユノが意識もないのに僕の舌を必死に噛んでくるのが可愛かったというか、煽られてしまったというか……」
「口調」
「えっ……?」
「元に戻ってるね」

 そういえば、なんて言ってシモンはぼーっとしてる。俺もシモンも、必死だったのは確かみたい。俺としてはシモンを少しでも口にしたことで、耐性が弱いやつらみたいにシモンに襲い掛からないか心配だったけど、どうやら今のところは平気そうだ。言葉も問題なく喋れるし、体は重いけどむしろ頭の中はスッキリしている。
 ちらっとシモンの指を見ると、そこにはぷつんと小さな傷口が残っていた。よかった、思ったより小さい。本能のままに噛み千切ったりしていないと分かって少しほっとした。


「ねぇ、シモン」
「はい……」
「今度は俺が起きてるときに噛んでね、で俺にもいっぱい噛ませてね」
「ッ……!もう、あなたって人は……」

 シモンは泣いてるような笑っているような変な顔をした。俺はそんなシモンがおかしくって、フフッと思いっきりわら……おうとしたら全身痛かったのでちっちゃく笑った。なんかいろいろ言いたいことはあるけど、今はこのままでもいっかなんて思った。ようやくかもしれないけど、シモンの言ってたセイテキの意味がなんとなく分かった。つまり、好きってことでしょ? 俺はシモンの親だからよーく分かった。こんな関係がいいのかもよく分からないけど、俺はニンゲンじゃなくて、食人鬼だからいいのだ。シモンがいれば、それでいい。

 珍しくたくさん動いたからか、ぐぅっと情けないお腹の音が鳴った。シモンと目を合わせあって、今度は二人で一緒に笑った。

「シモン、キノコソテー一つ!」
「はいはい」


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