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七章 空の歌が見える時

静寂の時

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 フォルセス王宮がそびえる丘陵にて、ディーフィットと騎士が佇んでいた。
 二人はただただ城下街と荒野、そして空を眺望している。荒野から吹く風が、静かに通り過ぎていった。
 やがて騎士が感嘆の声を漏らし、やや前に立つ国王の脇でそっと口を開く。
「無事役目を遂げられたのですね、姫様は……」
「ああ」
 言葉は交わされても、依然と静寂に包まれていた。二人の間を漂う黎明の時はどこまでも静かだ。
「……日が昇るな」
 地平線に迸る一閃を見つめてディーフィットは呟く。そっと、その時を待つかのように。
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