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第一章 異世界は楽しい
第一話 世界間転移
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Side実
2018年9月14日11時56分33.1秒、俺は都内の有名な進学校の教室にいた。
俺は高校一年生の井上実ーーとなっている。
実際は214歳だが…まあ誤差の範囲だろう。
「実ー何ボーッとしてるの?」
「ん?ああ。ちょっと考え事をしていてだけだ。気にすんな。」
「ふーん…悩みとかなら相談してよね!」
「分かってる。別にそう言うのじゃないから。」
今話しかけてきた女子は苗村芽依。
俺のクラスメイトだ。
三ヶ月前に転入し、夏休みも挟まったせいで知り合いの少ない俺を気にかけてよく話しかけてくる。
と、そろそろか。
今の時刻は11時58分0秒。
もし何も起こらなければまた1からになってしまうのだが…どうやらその心配は無さそうだ。
なぜなら空間内の魔力が激しく乱れているのを感知したからだ。
ここまでの乱れを生じる魔術は俺は知らない。
アースの知識は全て網羅している俺が知らないということは、外部(異世界)からの干渉によるもの…俺が目的としている魔術だろう。
「そうそう、今回のグループ課題だけーー
ブゥン!という妙に響く音とともに教室の床に魔法陣が現れる。
その直後、クラス中から声が上がる。
「な、何だ⁉︎」「魔法陣⁉︎」「と、扉が開かない!」
「み、実…これって一体…?あれ?実⁉︎ってなんてとこにいんのよ!」
どうやら芽依が俺に話しかけたようだが俺は既にその場から移動している。
ーー魔法陣の中心へ。
そしておもむろにポケットから小さなイヤーピースのような物を取り出すと、耳へと装着する。
「イア、二度とないチャンスだ。しっかりと解析を。魔力の流れは俺がやる。」
「了解」
58分11.4秒。
「実!なんてとこにいるのよ!ちょっと、返事しなさいよ!」
横に芽依が来たようだが悪いが今は会話は出来ない。
百年近く待ち望んだ瞬間なんだ。
解析し逃すわけにはいかない。
どうやら空間のとある点で魔力が消失…いや、俺に感知できない、つまり地球の空間の外側へ流れているのだろう。
と、言うことはこの魔術…『世界間転移』の魔術は空間自体に穴を開けているということか⁉︎
おいおい…異世界の魔術がどれほどの技術なのか知らないが、空間への干渉なんてどれだけ難しいと…
いや、待てよ。
あるじゃないか。
俺が唯一行使しなかった手段。
最も効率的にして、最も忌み嫌うべき手段…
『生贄』
そうか…それだろうなぁ…。
俺は必要な犠牲はいとわないが、無駄な犠牲
ーー生贄だけは好きになれない…。
待てよ?向こうの世界側の空間はそれでいいだろう。
…ならこちら側の穴は?
あちら側の技術でも、生贄がなければ空間に穴を開けることは出来ない。
ならばこちらの世界に穴を開けるのにも生贄が必要なはず。
だが、向こう側で生贄を用意したとして、こちらの世界まで其の力を届けられるのか?
『現地調達』
かなり最悪な可能性が思い浮かぶ。
自らの予想が正しいかの確認…いや、間違っていることを確認しようとしたその時、魔法陣がひときわ強く輝いた。
その光はとめどなく増幅して行き、俺とクラスメイトはその光に飲まれていった…。
2018年9月14日11時56分33.1秒、俺は都内の有名な進学校の教室にいた。
俺は高校一年生の井上実ーーとなっている。
実際は214歳だが…まあ誤差の範囲だろう。
「実ー何ボーッとしてるの?」
「ん?ああ。ちょっと考え事をしていてだけだ。気にすんな。」
「ふーん…悩みとかなら相談してよね!」
「分かってる。別にそう言うのじゃないから。」
今話しかけてきた女子は苗村芽依。
俺のクラスメイトだ。
三ヶ月前に転入し、夏休みも挟まったせいで知り合いの少ない俺を気にかけてよく話しかけてくる。
と、そろそろか。
今の時刻は11時58分0秒。
もし何も起こらなければまた1からになってしまうのだが…どうやらその心配は無さそうだ。
なぜなら空間内の魔力が激しく乱れているのを感知したからだ。
ここまでの乱れを生じる魔術は俺は知らない。
アースの知識は全て網羅している俺が知らないということは、外部(異世界)からの干渉によるもの…俺が目的としている魔術だろう。
「そうそう、今回のグループ課題だけーー
ブゥン!という妙に響く音とともに教室の床に魔法陣が現れる。
その直後、クラス中から声が上がる。
「な、何だ⁉︎」「魔法陣⁉︎」「と、扉が開かない!」
「み、実…これって一体…?あれ?実⁉︎ってなんてとこにいんのよ!」
どうやら芽依が俺に話しかけたようだが俺は既にその場から移動している。
ーー魔法陣の中心へ。
そしておもむろにポケットから小さなイヤーピースのような物を取り出すと、耳へと装着する。
「イア、二度とないチャンスだ。しっかりと解析を。魔力の流れは俺がやる。」
「了解」
58分11.4秒。
「実!なんてとこにいるのよ!ちょっと、返事しなさいよ!」
横に芽依が来たようだが悪いが今は会話は出来ない。
百年近く待ち望んだ瞬間なんだ。
解析し逃すわけにはいかない。
どうやら空間のとある点で魔力が消失…いや、俺に感知できない、つまり地球の空間の外側へ流れているのだろう。
と、言うことはこの魔術…『世界間転移』の魔術は空間自体に穴を開けているということか⁉︎
おいおい…異世界の魔術がどれほどの技術なのか知らないが、空間への干渉なんてどれだけ難しいと…
いや、待てよ。
あるじゃないか。
俺が唯一行使しなかった手段。
最も効率的にして、最も忌み嫌うべき手段…
『生贄』
そうか…それだろうなぁ…。
俺は必要な犠牲はいとわないが、無駄な犠牲
ーー生贄だけは好きになれない…。
待てよ?向こうの世界側の空間はそれでいいだろう。
…ならこちら側の穴は?
あちら側の技術でも、生贄がなければ空間に穴を開けることは出来ない。
ならばこちらの世界に穴を開けるのにも生贄が必要なはず。
だが、向こう側で生贄を用意したとして、こちらの世界まで其の力を届けられるのか?
『現地調達』
かなり最悪な可能性が思い浮かぶ。
自らの予想が正しいかの確認…いや、間違っていることを確認しようとしたその時、魔法陣がひときわ強く輝いた。
その光はとめどなく増幅して行き、俺とクラスメイトはその光に飲まれていった…。
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