10 / 28
10※
しおりを挟む「そろそろいいかな」
ピトッ
イクかイカないかでの快楽の中、俺の孔に男のモノは押し当てられた。
ズプゥウウ
「うっ、っっはぁ、、あ」
ミチミチっと俺のナカは男の形に変わっていく。
「…くっ、はは、名器だね」
そしてガッと腰を掴んだかと思うと、一気に奥までズンっと入れた。
パチュンパチュン
肌と肌がぶつかり合うたびに、ローションの音が卑猥に響く。
「はぁ、あ、、うぁ、うぅん、う」
酒が入っていても、いつもの癖で無意識に声を抑える。が、あまりの気持ちよさに固く閉じた口から唸るように声が出る。
「ねぇ、そうやって声抑えて、煽ってるの?」
バンバンバンバンバンバン
「うあ、あぁあああ、あ、、あぁあ」
男は俺の両手をシーツに押さえつけ、音が変わるぐらい激しくピストンした。
「や、やぁ、、も、イクッっ」
もう本当にイきそう。セックスしてイクなんていつぶりだろう。彼としてる時は、声を抑えるのに必死であまり達したことはない。
ゴリュゴリュっと前立腺を激しく刺激され、よりいっそう高い愛嬌を上げる。
「ひゃぁ、あぁん、、あぁああ、いく、いくっ」
パチュンパチュン バンバンバンバン
男は翔太を弄ぶように腰振る。
--あ、だめっ。
翔太が達しそうになった瞬間だった。
『声抑えろ!萎えんだろーが!!』
キーンっと居るはずもない彼の声が頭に響いた。
「っ!?う"あぁ"あ"あ"あ"」
「な、どうした!?」
いきなり声が変わった翔太に驚いた男は、翔太のナカから自分のモノを抜いた。
「うっうっ、うあぁあ」
翔太は泣きながら包帯の巻かれた首を触った。
なんで、どうして?どうして彼の声がしたの。今一緒にいるのは彼じゃないのに。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い
ただ気持ちいいことをしてただけ。彼を忘れたくて、彼とのセックスで感じることが出来なかった快感を味わっていただけ。
なのに、その心を埋めようとすると彼が俺を支配する。
「ねぇ大丈夫?」
男の声にハッとする。
「…あ、う、うん、ごめん…」
「いや、いいんだよ。…今のはその首の包帯と関係あるの?」
言葉を失って思わず下を向く。これじゃあただの肯定と一緒だ。何か言わないと、何か。
「これは、ちが、」
「うん、別に無理して言わなくてもいいよ。どうせ今夜限りの関係だ。」
よいしょと立ち上がりバスローブを手にし、浴室へ向かう。そして振り返って、戸惑う俺に男は言った。
「…今日はもう辞めようか。君のがそんなんじゃ出来ないでしょ。」
そしてフッと笑って俺のを見る。
--おれ、の??
カァアアア
プシュー音が出そうなくらい顔が赤くなるのを感じた。俺の、つまり俺の男の象徴は、さっきの彼の幻聴で酷く萎えていた。
浴室からシャァアアというシャワーの音が聞こえてくる。俺もあの人が出たらシャワーを浴びよう。全身こんなドロドロじゃ帰りたくても帰れない。
とりあえずシャワーを浴びるまで、ベッドに潜り込みスマホをいじる。翔太が見ているのは服の通販サイト。包帯を巻いてる以上、いや、首に痕がある限り目立ってしまう。
それを今日、身をもって実感した。
--それに見えてると自分も気になって触っちゃう。
いくらかハイネックのシンプルな服をカートに入れ注文していく。速達だから明後日には届くだろう。
カチャン
「上がったよ、君も入りな」
「あ、うん!ありがと」
汗をシャワーで流し、カジュアルなスーツっぽい服を身にまとった男が戻ってきた。
入れ違うように浴室に入り、シュルルルと包帯を解き首をさらけ出す。露わになった首は少しスーッとひえた。そしてシャワーで全てを流す。
全身の男と自分の混ざりあった汗。さっきまで男のモノが入っていた、後ろの蕾のナカにあるローション。達する瞬間に聞こえた彼の幻聴。
サァアアアアアア
俺はセックスが出来なくなったのだろうか。クニクニと自分のモノを弄ってみる。最中はノリノリで勃っていたくせに、今は勃つ気配すらない。
「はぁ」
全身洗い終わった俺は、キュッと蛇口をひねりシャワーを止めた。
「あ、上がった?ごめん、私は先に出るよ。ホテル代は置いといたからね。良ければそれで払っておいて」
脱衣所で服を着ている俺に、扉の向こうから男が声をかけた。
「あの、ほんとごめんなさい。」
「あはは、いいんだよ。そういう日もあるさ。じゃあ、またどこかで出会えたら。」
男が言う〝一夜限りの関係〟というのは本当だったらしい。俺の謝罪を聞いた後、ガチャンという部屋に扉が閉開する音がし、男はすぐ部屋を出ていったのだと分かった。
浴室を出ると男が言っていたホテル代が、ベッドのサイドテーブルの上に綺麗に置いてあった。
そしてホテル代と一緒にメモ用紙が1枚。
『今日はありがとう。余ったお金はご飯代にでもしてね。』
The大人という感じの達筆で、しかし読みやすい丁寧な字で書いてあった。
ホテルとご飯代、と称して置いていかれた12000円。手慣れたあの人のことだ。ホテルの相場を知らないわけではないと思う。きっと、トラウマに支配され、泣いた俺を哀れに思い多めにお金を置いていったのだろう。
--どこまでも大人だなぁ
自分よりもずっと年上の大人の配慮に、翔太は感動した。
明日も大学で講義がある。幸い終電もまだある。翔太は急いでホテル出て駅へと歩いた。
残った6000円は、男が言った通り翔太の腹の足しになるのだろう。
92
お気に入りに追加
1,046
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
イケメンの後輩にめちゃめちゃお願いされて、一回だけやってしまったら、大変なことになってしまった話
ゆなな
BL
タイトルどおり熱烈に年下に口説かれるお話。Twitterに載せていたものに加筆しました。Twitter→@yuna_org
ナイトプールが出会いの場だと知らずに友達に連れてこられた地味な大学生がド派手な美しい男にナンパされて口説かれる話
ゆなな
BL
高級ホテルのナイトプールが出会いの場だと知らずに大学の友達に連れて来れられた平凡な大学生海斗。
海斗はその場で自分が浮いていることに気が付き帰ろうとしたが、見たことがないくらい美しい男に声を掛けられる。
夏の夜のプールで甘くかき口説かれた海斗は、これが美しい男の一夜の気まぐれだとわかっていても夢中にならずにはいられなかった。
ホテルに宿泊していた男に流れるように部屋に連れ込まれた海斗。
翌朝逃げるようにホテルの部屋を出た海斗はようやく男の驚くべき正体に気が付き、目を瞠った……
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる