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干物女、推しにお持ち帰りされる
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高野幸弘(25)独身、甘いものが好き。メガネ。公立高校国語科教員。受け持ちは2年B組で、私の担任するC組のひとつ隣。よって、職員室の座席も隣である。
顔が良く、校内1の人気者で花盛りの女子高生たちのハートをぎゅっと掴んで離さない。いつも穏やかで、柔和な笑みを浮かべている。しかし、なにを考えているのかわからないことが多くその生態は未だ謎に包まれている。
以上が私の推しについて知っていることの全てであり、彼女がいるのかだとか好みのタイプだとかは一切知らない。まあ、別に知らなくてもいいけれど。だって、私は壁になってそれはもうただひたすらに推しを眺めたい部類の人間だからである。
自分は推しの人生に一切関わらないとまで言うと少し寂しいので嘘になるけれど、まあほぼ関与しない、近所のたまに挨拶するおばちゃんくらいの立ち位置でいたいからだ。
それなのに。なぜ私は今、一糸まとわぬ姿。つまりすっぽんぽんで、同じくすっぽんぽんの推し、高野先生とラブホテルと思われるやたらとギラついた部屋のベッドの海に横たわっているのだろうか。
乱れたシーツの上で、私たち2人はだらしなくごろりと、死んだ魚のように眠っていた。部屋には時計も窓もなく、今が朝なのか昼なのか、はたまた夜なのかすらもわからない。
私はラブホテルなんて行ったことがなかったからここがラブホテルだと断言できるわけではないが、漫画やら映画やらで良く見るラブホの部屋っぽいのでおそらくここはラブホテル。
いや、ラブホ以外でこんな趣味の悪い部屋があってたまるか……などとくだらないことを考えているうちに、隣に眠る王子様(ただし姫は私ではない)が目を覚ました。
目にかかった長めの前髪をうざったそうにかき上げて、ふあ、と軽いあくびをした後、いつもより少し掠れた声で
「はるの先生、おはようございます」
と声をかけてきた。しかも、下の名前で呼ばれた。
「お、はよう……ござい……ます………………?」
推しの寝起きボイス、しかも名前呼びがいきなり流れたため私の脳は即座にシャットアウトしそうになった。私はかろうじて残っていた理性をなんとか使い、挨拶を返した。ものの、いまだに状況はわからなかった。
高野先生も私も、酒臭い。そうだ、思い出してきた。私たちは花の金曜日だった昨日、職場の飲み会に行って、それから……
そう、飲みに飲みまくったのだ。昨日は先輩に勧められ、普段は一切飲まない酒をついその場の雰囲気に流されて飲んでしまった。元々酒に弱い上、飲酒は実に数年ぶりだったためアルコールはあっという間に全身を巡り、そして脳の隅々にまで染み渡った。そう、私の理性にまでも。
そして私はあっぱっぱーになってしまった。推しを好きな人、と言い換えてそれが高野先生だとバレぬようフェイクを入れた上で彼への想いを熱弁した。向かいの座席に座っていた教頭は
「面白いぞー」
なんて私を煽り、それから私は浴びるように酒を飲んだ。
その後の、記憶がない。いくら思い出そうとしても、これっぽっちも出てこない。しかし、密室に男女が2人きり。何も起きないはずもなく、というのが世の常識である。
いくら生徒から干物と陰口を叩かれる私でも、世間一般から見れば一応乳のついた女性であるし、おそらくナニかがあったであろうことは、ベッドに散らばるおびただしい数のティッシュと隅に放られた使用済みコンドームを見れば明らかである。
推しにお持ち帰りされてしまった……壁であるはずの私が、である。驚きのあまり私は、再びベッドに倒れ込んだ。
「はるの先生、どうしたんです。なんだか様子がおかしいですけど……」
いつの間にかベッドサイドにあったメガネをかけていた彼は、昨夜体を重ねたとは思えないほどに、いつも通りな口調で私に尋ねた。高野先生はがっつりイケメンであるからこういうことは慣れっこなのだろう、と私は勝手に納得した。しばらく私が黙っていると、彼は薄い唇を私の耳に近づけてこう囁いた。
「昨日の夜が気持ち良すぎて、ほんとにおかしくなっちゃったとか……?」
指先で耳の中をつうと撫でるようなウィスパーボイスに、思わずひゃんと声が漏れてしまった。自分の効いたことのないメスの声に、思わず赤面する。
「顔、真っ赤ですよ。可愛いね」
そういうと彼は骨張った大きな手を私の頭に乗せ、ぽんぽんと上下に動かした。男の人に頭を撫でられるなんて、初めてだった。私の顔はますます熱くなった。
しかし、その熱はすぐにサッと引いてしまった。すぐに、事実に気がついてしまったからだ。
私は確実に遊ばれている。でなきゃいきなりこんなことにならないし、恋人でもないのにこんなに甘い言葉を囁かない。
しかし、本人に向かって「遊びですよね」なんて言えるはずもないので、寒いのでとかなんとか適当に言い訳をして、散らばった衣類を身につけた。とりあえず異性と裸で二人、という状況が落ち着かなかったのだ。
「ごめん、エアコン強すぎました?」
気を遣ってエアコンのリモコンに手を伸ばした彼に、いえいえ、と畏まって両手を胸の前で振った。持ち帰られたのだから少しは堂々としていればいいものを、初めてづくしの私はあわあわと落ち着きがなく我ながら情けなかった。
いたたまれなくなった私は、とりあえず彼に背を向けてベッドに腰掛けた。すると、後ろからのそりと彼が体を起こす気配がした。
「そんなによそよそしくされると、悲しいです。僕と寝たこと、後悔してるんですか」
背を向けていたから彼の表情は分からなかったけれど、本当に悲しそうな声音で彼は言った。
「別に後悔とかじゃないですけど……その、推しにお持ち帰りされてしまったショックというか…………」
彼の僅かに震えた声に動揺して、思わず本音が漏れてしまった。
「…………推し? って僕のことですか」
しまった! という思いで彼の方へ振り返ると、予想通り彼は怪訝な顔をしてこちらを見ていた。
「推し……すなわち僕に好意を持っていると」
「いや、その…………推しと言いましても私の推しはガチ恋というより壁になりたいというタイプでして……恋愛感情というよりは……」
私がまごまごと言い訳を述べていたところ、彼は怪しげににやりと笑った。そして、キスをした。私たちの唇はエアコンのせいか少しかさついていた。乾いたキスだった。メガネのフレームが軽くまぶたに当たった。
「まぁ、なんでもいいです。好き、嫌いで言えば好きな部類なのでしょう」
彼はすちゃっとメガネの位置を直すと、意味ありげに呟いた。
「はるの先生、おいで。ぎゅってしましょう」
彼は両手を軽く広げて、私に抱きつくよう促した。その表情はいやに優しくて、本当は遊びなんかじゃなくて本気で私のことが好きなのでは、と勘違いしそうになった。
「だっ……だめですよ。私そんなことしちゃったら本当に勘違いしちゃいます。壁勢からガチ恋勢にっ…………」
推しの胸に飛び込みたい衝動をなんとか抑え、私は抱擁を拒絶した。しかし、彼は腕を下ろさなかった。
「なればいいじゃないですか。その、ガチ恋勢に。ほら、おいで」
歯を食いしばって願望を抑える私に、彼は
「強情ですね、ますます抱きしめたくなった」
と囁いて、強引に私を抱きしめた。彼の胸の温度が頬を伝って私に流れた。
「あ、遊びですよね。知ってますから、私…………」
意地になった私は、そう彼に反抗した。しかし、彼は私を離さなかった。私の頭に優しく手を当てて、耳を自分の胸に押しつけさせた。
「僕の胸の音を聞いても、まだ遊びだなんて思うんですか?」
目を閉じて彼の拍動に耳を澄ませると、どくんどくん、と脈が早まっているのが聞こえてきた。もしかして、本当に彼は私に胸をときめかせているのだろうか。
その時、下腹部に何か硬いものが当たっているのに気がついた。そこはちょうど、彼の股間に当たる部分だった。
「心臓が早まってるのって、むらむらしてるからじゃないんですか」
彼はむむ、という表情をして私の顔を覗き込んだ。しばらくうーむと唸った後、ははは、と力無く笑った。
「まあ、こんなじゃ信じてもらえないかもですけど。あなたが思っているよりも僕、本気ですよ。はるの先生が可愛すぎて、勃ってしまっただけです」
私はいまいち信じられないな、と思ったものの、抱きしめられ甘い言葉を囁かれた心はすでに高野先生のガチ恋勢になっていた。遊ばれているというのに、私はなんで馬鹿なのだろうと思った。しかし、自覚してしまった恋心は、もう止められない。
「はるの先生も、したそうな顔をしていますね。もう一回、しましょうか」
彼は私の顎を軽く持ち上げると、再び私にキスをした。それは、さっきの軽いキスとは違う、ねっとりとした濃厚な口づけだった。
私たちは再びベッドへ倒れ込んだ。
顔が良く、校内1の人気者で花盛りの女子高生たちのハートをぎゅっと掴んで離さない。いつも穏やかで、柔和な笑みを浮かべている。しかし、なにを考えているのかわからないことが多くその生態は未だ謎に包まれている。
以上が私の推しについて知っていることの全てであり、彼女がいるのかだとか好みのタイプだとかは一切知らない。まあ、別に知らなくてもいいけれど。だって、私は壁になってそれはもうただひたすらに推しを眺めたい部類の人間だからである。
自分は推しの人生に一切関わらないとまで言うと少し寂しいので嘘になるけれど、まあほぼ関与しない、近所のたまに挨拶するおばちゃんくらいの立ち位置でいたいからだ。
それなのに。なぜ私は今、一糸まとわぬ姿。つまりすっぽんぽんで、同じくすっぽんぽんの推し、高野先生とラブホテルと思われるやたらとギラついた部屋のベッドの海に横たわっているのだろうか。
乱れたシーツの上で、私たち2人はだらしなくごろりと、死んだ魚のように眠っていた。部屋には時計も窓もなく、今が朝なのか昼なのか、はたまた夜なのかすらもわからない。
私はラブホテルなんて行ったことがなかったからここがラブホテルだと断言できるわけではないが、漫画やら映画やらで良く見るラブホの部屋っぽいのでおそらくここはラブホテル。
いや、ラブホ以外でこんな趣味の悪い部屋があってたまるか……などとくだらないことを考えているうちに、隣に眠る王子様(ただし姫は私ではない)が目を覚ました。
目にかかった長めの前髪をうざったそうにかき上げて、ふあ、と軽いあくびをした後、いつもより少し掠れた声で
「はるの先生、おはようございます」
と声をかけてきた。しかも、下の名前で呼ばれた。
「お、はよう……ござい……ます………………?」
推しの寝起きボイス、しかも名前呼びがいきなり流れたため私の脳は即座にシャットアウトしそうになった。私はかろうじて残っていた理性をなんとか使い、挨拶を返した。ものの、いまだに状況はわからなかった。
高野先生も私も、酒臭い。そうだ、思い出してきた。私たちは花の金曜日だった昨日、職場の飲み会に行って、それから……
そう、飲みに飲みまくったのだ。昨日は先輩に勧められ、普段は一切飲まない酒をついその場の雰囲気に流されて飲んでしまった。元々酒に弱い上、飲酒は実に数年ぶりだったためアルコールはあっという間に全身を巡り、そして脳の隅々にまで染み渡った。そう、私の理性にまでも。
そして私はあっぱっぱーになってしまった。推しを好きな人、と言い換えてそれが高野先生だとバレぬようフェイクを入れた上で彼への想いを熱弁した。向かいの座席に座っていた教頭は
「面白いぞー」
なんて私を煽り、それから私は浴びるように酒を飲んだ。
その後の、記憶がない。いくら思い出そうとしても、これっぽっちも出てこない。しかし、密室に男女が2人きり。何も起きないはずもなく、というのが世の常識である。
いくら生徒から干物と陰口を叩かれる私でも、世間一般から見れば一応乳のついた女性であるし、おそらくナニかがあったであろうことは、ベッドに散らばるおびただしい数のティッシュと隅に放られた使用済みコンドームを見れば明らかである。
推しにお持ち帰りされてしまった……壁であるはずの私が、である。驚きのあまり私は、再びベッドに倒れ込んだ。
「はるの先生、どうしたんです。なんだか様子がおかしいですけど……」
いつの間にかベッドサイドにあったメガネをかけていた彼は、昨夜体を重ねたとは思えないほどに、いつも通りな口調で私に尋ねた。高野先生はがっつりイケメンであるからこういうことは慣れっこなのだろう、と私は勝手に納得した。しばらく私が黙っていると、彼は薄い唇を私の耳に近づけてこう囁いた。
「昨日の夜が気持ち良すぎて、ほんとにおかしくなっちゃったとか……?」
指先で耳の中をつうと撫でるようなウィスパーボイスに、思わずひゃんと声が漏れてしまった。自分の効いたことのないメスの声に、思わず赤面する。
「顔、真っ赤ですよ。可愛いね」
そういうと彼は骨張った大きな手を私の頭に乗せ、ぽんぽんと上下に動かした。男の人に頭を撫でられるなんて、初めてだった。私の顔はますます熱くなった。
しかし、その熱はすぐにサッと引いてしまった。すぐに、事実に気がついてしまったからだ。
私は確実に遊ばれている。でなきゃいきなりこんなことにならないし、恋人でもないのにこんなに甘い言葉を囁かない。
しかし、本人に向かって「遊びですよね」なんて言えるはずもないので、寒いのでとかなんとか適当に言い訳をして、散らばった衣類を身につけた。とりあえず異性と裸で二人、という状況が落ち着かなかったのだ。
「ごめん、エアコン強すぎました?」
気を遣ってエアコンのリモコンに手を伸ばした彼に、いえいえ、と畏まって両手を胸の前で振った。持ち帰られたのだから少しは堂々としていればいいものを、初めてづくしの私はあわあわと落ち着きがなく我ながら情けなかった。
いたたまれなくなった私は、とりあえず彼に背を向けてベッドに腰掛けた。すると、後ろからのそりと彼が体を起こす気配がした。
「そんなによそよそしくされると、悲しいです。僕と寝たこと、後悔してるんですか」
背を向けていたから彼の表情は分からなかったけれど、本当に悲しそうな声音で彼は言った。
「別に後悔とかじゃないですけど……その、推しにお持ち帰りされてしまったショックというか…………」
彼の僅かに震えた声に動揺して、思わず本音が漏れてしまった。
「…………推し? って僕のことですか」
しまった! という思いで彼の方へ振り返ると、予想通り彼は怪訝な顔をしてこちらを見ていた。
「推し……すなわち僕に好意を持っていると」
「いや、その…………推しと言いましても私の推しはガチ恋というより壁になりたいというタイプでして……恋愛感情というよりは……」
私がまごまごと言い訳を述べていたところ、彼は怪しげににやりと笑った。そして、キスをした。私たちの唇はエアコンのせいか少しかさついていた。乾いたキスだった。メガネのフレームが軽くまぶたに当たった。
「まぁ、なんでもいいです。好き、嫌いで言えば好きな部類なのでしょう」
彼はすちゃっとメガネの位置を直すと、意味ありげに呟いた。
「はるの先生、おいで。ぎゅってしましょう」
彼は両手を軽く広げて、私に抱きつくよう促した。その表情はいやに優しくて、本当は遊びなんかじゃなくて本気で私のことが好きなのでは、と勘違いしそうになった。
「だっ……だめですよ。私そんなことしちゃったら本当に勘違いしちゃいます。壁勢からガチ恋勢にっ…………」
推しの胸に飛び込みたい衝動をなんとか抑え、私は抱擁を拒絶した。しかし、彼は腕を下ろさなかった。
「なればいいじゃないですか。その、ガチ恋勢に。ほら、おいで」
歯を食いしばって願望を抑える私に、彼は
「強情ですね、ますます抱きしめたくなった」
と囁いて、強引に私を抱きしめた。彼の胸の温度が頬を伝って私に流れた。
「あ、遊びですよね。知ってますから、私…………」
意地になった私は、そう彼に反抗した。しかし、彼は私を離さなかった。私の頭に優しく手を当てて、耳を自分の胸に押しつけさせた。
「僕の胸の音を聞いても、まだ遊びだなんて思うんですか?」
目を閉じて彼の拍動に耳を澄ませると、どくんどくん、と脈が早まっているのが聞こえてきた。もしかして、本当に彼は私に胸をときめかせているのだろうか。
その時、下腹部に何か硬いものが当たっているのに気がついた。そこはちょうど、彼の股間に当たる部分だった。
「心臓が早まってるのって、むらむらしてるからじゃないんですか」
彼はむむ、という表情をして私の顔を覗き込んだ。しばらくうーむと唸った後、ははは、と力無く笑った。
「まあ、こんなじゃ信じてもらえないかもですけど。あなたが思っているよりも僕、本気ですよ。はるの先生が可愛すぎて、勃ってしまっただけです」
私はいまいち信じられないな、と思ったものの、抱きしめられ甘い言葉を囁かれた心はすでに高野先生のガチ恋勢になっていた。遊ばれているというのに、私はなんで馬鹿なのだろうと思った。しかし、自覚してしまった恋心は、もう止められない。
「はるの先生も、したそうな顔をしていますね。もう一回、しましょうか」
彼は私の顎を軽く持ち上げると、再び私にキスをした。それは、さっきの軽いキスとは違う、ねっとりとした濃厚な口づけだった。
私たちは再びベッドへ倒れ込んだ。
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