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第19話『休憩』

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「す、すみません……」
 ざわざわする周囲の女性たち。ハルニレの心配そうな顔。
 ——いたたまれなかった。
 意気消沈するルイスに、ランスが後ろから声をかけた。
「ルイスさん、ちょっと……」
 ランスが外を指差したため、ルイスはのろのろと立ち上がってドアの外に出た。
「……ランスさん」
「少し休みましょう。真央界に往ってお茶でもしませんか?」
「——はい」
 ランスに肩を抱かれながらテレポートした。

 カフェ『ビアンコ・ディアマンテ』。
 キーツが夢を叶えた店に入って、オーダーのためレジに向かう。
「ルイスさん、何にしますか?」
 ランスが聞くので答えるルイス。
「じゃあ、グレープジュースで」
「では同じものを二つで」
「あっ、ランスさん、お金……」
「いいんですよ、私がお誘いしたんですから。あちらの窓際の椅子がいいでしょう。席、取っててくださいね」
「はい、ありがとうございます」
 ルイスは言われた通り、窓際の席に向かった。
 その席は主街道に面していて、長テーブルに背の高い椅子が横一列に並んでいた。
 ちょっとでも気が紛れるように、それから相手の顔をあまり見なくても済むようにとの、ランスの配慮だった。
「ハァ~ッ」
 大きな溜息をついたところで、ランスがトレイを手にやってきた。
「お待たせしました」
 ことりとトレイを置くと、濃紫で100%のグレープジュースのグラスが二つ。カラコロと氷が涼しげに音を立てる。
 ランスが椅子に座るのを待って話す。
「ありがとうございます。でも俺、初恋でもないのに……こんな……」
 情けなさがルイスを襲う。危うく泣きそうになった。
「私の方こそ、ルイスさんを焚きつけるようなことをして、申し訳なかったです」
 ランスに謝られて、ルイスは視線を落とす。
「いえ……俺が不甲斐ないんです」
「……ジュース、美味しいですよ。喉が渇いたでしょう? まず潤しましょう」
 言われるままにジュースをストローで吸い上げる。
 ひんやりした喉越しに救われる。それで火照った心もクールダウンしたようだった。
「みんな気づきましたよね……かなり思わせぶりだったし」
「ルイスさんはフル稼働でしたから、ちょっと調子が悪いんだろう、ぐらいにしか思われてませんよ」
「そうでしょうか? 仕事にまで悪影響が出ちゃって……何だか気持ちの切り替えがうなくいかないんです。リーダーのみんなが一斉に前進を始めたっていうのに俺だけ……どうしたらいいんでしょう?」
「——ルイスさんが今何かに躓いているとしたら、あなたの本心が他の動機でこんがらがっているからじゃありませんか?」
「俺の……本心?」
「ハルニレさんが好きですか?」
「! わかりません。意識しないようにすればするほど気になって……」
 ズバリ聞かれて戸惑うルイス。
「意識する、気になる……恋の入口ですね。それでいいんだと思いますよ。恋したって、いいじゃありませんか。誰もあなたを責めてませんよ」
「でも……! リーダー全員がレベルアップしようとしている、この大事な時に」
「ルイスさんは今、焦ってるんですね」
「はい……!」
「じゃあ解決法は一つしかありません」
「えっ」
「恋もレベルアップも同時進行させることです。恋を励みにレベルアップを目標に、真っ直ぐ心を前に向けてあげるんです」














「」
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