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第二章
第三十八部分
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「レ、レイちゃん、あたしの気持ちをわかってくれていたの?」
「俺は好きな女の子のことを信じている、きっと助けてくれるはずだとな。美散はいつか大きくなると、言っただろう。それはからだのことだけじゃないぞ。俺を信じる気持ちのことだ!。」
「レ、レイちゃん、あたしのことを思ってくれてたんだね。とってもうれしいよ!本当はあたしの方から告白したかったんだけど、でもそれは順序だけのことだから。じゃあ、全力で行くよ。必ず助けるからガマンしてねっ!」
エロザの豪速球に対抗すべく、全力でバットを振る美散。
『カチーン。』
スケルトンボールは当然ながら、激しい衝突には耐久性がない。
「大変デス。ドレイクノ、タマタマガ、割レマシタ!」
「ちょっと、紛らわしい表現を使わないでよ!」
たしかにスケルトンボールは真っ二つに割れてしまい、中身の玲駆が飛び出した。美散は玲駆を『両手のひら・お姫様抱っこ』で、ファーストベースに向かって激走する。守備側は、ボールがないのでアウトにはできない。結果、ランニングツーランホームランとなり、巨人軍の逆転で、ゲームセットの宣言がなされた。
エロザはソッコー、審判に猛抗議した。
「アンナノ大反則デス。バッターアウトデス。確認シテクダサイ。」
審判団はしばらく協議を行った。
『ボク、ドラエロ悶。抗議通り、バッターはアウト。』
「ヤリマシタ。コレデ、半巨人ノ勝チデス!」
『ボク、ドラエロ悶。しかし、打球喪失はボールデッド。ボールが割れて転々とする間のホームインは、有効なのと同じ。ゆえに試合は同点ドロー。』
試合は引き分けなので、玲駆の引き取りはわからなくなった。美散は玲駆をお姫様抱っこから下ろした。
「ドレイクハ、ワタクシノ物デス!」
「何言ってるんだよ。あたしの初めてを買ってもらうんだよ!さっきレイちゃんがそう言ってたじゃない!」
玲駆はそこまで言及していないのは明らかであり、ホームラン直後で、美散は興奮しているようである。ふたりが玲駆を連れていこうとしても、如何せん、人間サイズのからだは小さい。左右の腕をエロザと美散に掴まれた玲駆だが、すでに腕は伸びきっている。
「デカい女は嫌いだ!・・・」
キレた玲駆はふたりをフって、そのまま事切れた。
「ま、まさか、レイちゃん。死んでしまったの?じょ、冗談だよね。目を閉じたまま、何分ガマンできるか、実験してるんだよね?」
「ドレイク。マダ、ワタクシノ、夜ノオモチャニナル試合ノ、プレイボール宣言ヲ、聞イテマセンヨ!」
「うえ~ん!」
「オヨヨ~!」
ふたりは人目もはばからず号泣した。
(美散、美散。)
「はっ。智流美なの?外なのに話しかけることなんてできるの?」
(そうなのよ。もともとできたんだけど、面倒だからしなかっただけ。それよりも、泣いてないで、こんな困った時こそ、行くべき先があるでしょ。)
「それって、まさか、魔法工房?」
(そういうこと。)
「もしかしたらあたしから智流美を作ったように、タイムマシンで、時間を巻き戻すとかできるの?」
(さあ、アタシにはわからないわ。でもこんな状況でフツーの科学では無理だわね。とにかく魔法工房に行くしかないわ。)
こうして動きを停止している玲駆を持って、球場そばの魔法工房に向かった美散とエロザ
「俺は好きな女の子のことを信じている、きっと助けてくれるはずだとな。美散はいつか大きくなると、言っただろう。それはからだのことだけじゃないぞ。俺を信じる気持ちのことだ!。」
「レ、レイちゃん、あたしのことを思ってくれてたんだね。とってもうれしいよ!本当はあたしの方から告白したかったんだけど、でもそれは順序だけのことだから。じゃあ、全力で行くよ。必ず助けるからガマンしてねっ!」
エロザの豪速球に対抗すべく、全力でバットを振る美散。
『カチーン。』
スケルトンボールは当然ながら、激しい衝突には耐久性がない。
「大変デス。ドレイクノ、タマタマガ、割レマシタ!」
「ちょっと、紛らわしい表現を使わないでよ!」
たしかにスケルトンボールは真っ二つに割れてしまい、中身の玲駆が飛び出した。美散は玲駆を『両手のひら・お姫様抱っこ』で、ファーストベースに向かって激走する。守備側は、ボールがないのでアウトにはできない。結果、ランニングツーランホームランとなり、巨人軍の逆転で、ゲームセットの宣言がなされた。
エロザはソッコー、審判に猛抗議した。
「アンナノ大反則デス。バッターアウトデス。確認シテクダサイ。」
審判団はしばらく協議を行った。
『ボク、ドラエロ悶。抗議通り、バッターはアウト。』
「ヤリマシタ。コレデ、半巨人ノ勝チデス!」
『ボク、ドラエロ悶。しかし、打球喪失はボールデッド。ボールが割れて転々とする間のホームインは、有効なのと同じ。ゆえに試合は同点ドロー。』
試合は引き分けなので、玲駆の引き取りはわからなくなった。美散は玲駆をお姫様抱っこから下ろした。
「ドレイクハ、ワタクシノ物デス!」
「何言ってるんだよ。あたしの初めてを買ってもらうんだよ!さっきレイちゃんがそう言ってたじゃない!」
玲駆はそこまで言及していないのは明らかであり、ホームラン直後で、美散は興奮しているようである。ふたりが玲駆を連れていこうとしても、如何せん、人間サイズのからだは小さい。左右の腕をエロザと美散に掴まれた玲駆だが、すでに腕は伸びきっている。
「デカい女は嫌いだ!・・・」
キレた玲駆はふたりをフって、そのまま事切れた。
「ま、まさか、レイちゃん。死んでしまったの?じょ、冗談だよね。目を閉じたまま、何分ガマンできるか、実験してるんだよね?」
「ドレイク。マダ、ワタクシノ、夜ノオモチャニナル試合ノ、プレイボール宣言ヲ、聞イテマセンヨ!」
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「それって、まさか、魔法工房?」
(そういうこと。)
「もしかしたらあたしから智流美を作ったように、タイムマシンで、時間を巻き戻すとかできるの?」
(さあ、アタシにはわからないわ。でもこんな状況でフツーの科学では無理だわね。とにかく魔法工房に行くしかないわ。)
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