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第二章
第三十四部分
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鈍い衝突音がして、ボールはピッチャーの足元にゆるゆると転がり、エロザは拾ったボールを一塁に送った。すでにランナートモヨンは二塁に到達していた。
逆さまのままで、ドヤ顔のナッキー。
「からだを逆さにすると、落ちる球は自分の顔に近づいて来るので、見やすいですっ。」
「ソウイウ、カラクリデシタカ。デモ、マダ点ヲ取ラレタワケデハ、アリマセン。対処ノ方法ハ、イクラデモアリマス。」
一塁手はやや駆け足で、ベースを離れ、外野手になった。そこで足元を踏み込んで、投げた場合の反動に備えている。
それを見たランボウの額に一筋の冷や汗が流れた。
「あれは、ホームに投げる準備十分、つまり、犠牲フライを阻止するためだなあ。トモヨンの足で、ホームに間に合うかなあ?」
そんなランボウを見て、エロザはニヤリとしながら口を開いた。
「アソコ二打タセマス。アソコッテ、変ナ意味ジャアリマセンヨ。」
「わざわざ付け加えると、いやらしくなるだろう!」
ランボウは即座にツッコミを入れたが、その瞬間、フリーズした。
レーザービームが外野手から飛んできたのだ。野手は、守備位置を移動すると、練習球が許される。それがキャッチャーの元に飛んできたのである。そのスピードはエロザの速球を超えていた。ボール軌道の下の土から煙が上っていた。レーザー熱で土が焦げていたのだ。
驚愕している巨人軍ベンチを尻目に、エロザはランボウに投球した。
「コース、スピードハ計算通リデス。」
ニンマリしたエロザの投球は、当てられるぐらいの半速球であり、ランボウは思わずバットが出てしまった。
フラフラと上がったランボウの打球は、外野に飛んだ。外野手は一歩たりとも動くことなくボールをキャッチ、そのままレーザービームを発射した。二塁ランナーのトモヨンは外野手の捕球と同時にタッチアップ。しかし、唸りを上げるレーザービームのスピードに及ばず、レーザービームはキャッチャーミットに驀進している。
「もう、ダメだ。トモヨンさんがアウトになると、ダブルプレーだよ!」
美散は頭を抱えた。
キャッチャーはマスク越しににやけていた。
「もう止まれませんわ!」
トモヨンは目を瞑ってホームベースに向かっていた。
『ボク、ドラエロ悶。ランナー、セーフ。』
美散は落胆の言葉を吐いた。
「あ~あ。負けちゃった。・・・って、セーフ??」
逆さまのままで、ドヤ顔のナッキー。
「からだを逆さにすると、落ちる球は自分の顔に近づいて来るので、見やすいですっ。」
「ソウイウ、カラクリデシタカ。デモ、マダ点ヲ取ラレタワケデハ、アリマセン。対処ノ方法ハ、イクラデモアリマス。」
一塁手はやや駆け足で、ベースを離れ、外野手になった。そこで足元を踏み込んで、投げた場合の反動に備えている。
それを見たランボウの額に一筋の冷や汗が流れた。
「あれは、ホームに投げる準備十分、つまり、犠牲フライを阻止するためだなあ。トモヨンの足で、ホームに間に合うかなあ?」
そんなランボウを見て、エロザはニヤリとしながら口を開いた。
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「コース、スピードハ計算通リデス。」
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「もう、ダメだ。トモヨンさんがアウトになると、ダブルプレーだよ!」
美散は頭を抱えた。
キャッチャーはマスク越しににやけていた。
「もう止まれませんわ!」
トモヨンは目を瞑ってホームベースに向かっていた。
『ボク、ドラエロ悶。ランナー、セーフ。』
美散は落胆の言葉を吐いた。
「あ~あ。負けちゃった。・・・って、セーフ??」
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