進芸の巨人は逆境に勝ちます!

木mori

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第二章

第二十八部分

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ランボウは目を伏せて欧米人のように両手を広げた。
「いや問題ないな。あれがバット認定された時点で用途は自由だ。それにあのけん玉テクニックは半端じゃない。物凄い特訓をしたに違いない。あたいは、その努力に敬意を表するさ。」
続く三番はバントで、二塁ベースにエロザは立った。再びトップバッター。
「一塁が空いてるし、ここは塁を埋めよう。」
ランボウはそう呟いて、一番を敬遠した。
次のバッターは二番エロザであるが、塁上にいるので、三番がバッターボックスに立った。
「よし、これでバッターに集中できるぜ。」
腕をグルグル回して、テンションを高めた。そのまま、大きく腕を振って投げた。
『ボク、ドラエロ悶、アウト!』
一塁の審判ロボットは派手なアクションで、一塁ランナーのアウトを宣言した。
ランボウは、一塁に牽制球を投げたのである。
「さすがキャプテン。これで負けはなくなったよ。」
ベンチでそう叫んだ美散をベンチはスルーした。
「美散は試合のルールをよく勉強するですっ。」
「そうですわ。今の牽制球アウトは、マイナスになるんです。この野球では盗塁はできませんわ。しかし、牽制球は投げられます。これではあまりにランナーに酷な扱いになりますわ。ゆえに、牽制アウトの場合は、得点にはなりませんが、同点で裏の攻撃が終わった場合、マイナス一点とされてしまい、裏のチームが敗戦となるのですわ。」
「つまり、ナッキーたちは次の攻撃で一点取らなければ負けてしまうのですっ。」
「えええ?あたしたちは一点ビハインド?すでに崖っぷちってこと?」
「そういうことだな。ここの野球は、腐ったルール細胞でできているのさ。」

半巨人のピッチャーはエロザ。お嬢様らしく優雅に振る舞っている。
「サア、イキマス。今日ハ技巧派、ツマリ、ナイトテクニシャンデ、参リマス。」
「いちいち気に障る言い方しやがって。ぶちかまして、一発で決めてやるぜ!」
「一発トカ、イツデモ、イヤラシサ、スタンバイデスネ。ナラバ、コレヲ使イマショウ。」
エロザはすでに手にボールを持っており、そのままキレイなフォームで投げた。
「あれ?ボールが見えないぞ。」
『ストライク!』
審判は立て続けに3つのストライクを宣言して、ランボウはアウトになった。
「ボールが全然見えなかったよ。そんなに速い球じゃなかったのに。」
ベンチに戻ってきたランボウは美散に分析結果を伝えた。
「カンタンなことだ。エロザは普通の大きさのボールを投げていたのさ。巨人軍からすると、普通のボールはパチンコ球ぐらいだからな。」
「それも、はん、いや反則じゃないんだね。たしかに、人間が使う硬球なら全然問題ないよね。」
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