41 / 76
第二章
第四部分
しおりを挟む
「ツーアウトか。あとがないな。でも真打ちのひと振りがあればそれで十分だ。」
バットを引きずりながら、ゆっくりとバッターボックスに向かうランボウ。引きずられた跡は、枯れた川のようである。
ピッチャーの視線は、それまでとは違って、獣のようなものに変わっていた。
ピッチャーは、ランボウが打撃の構えをするや否や、ボールを投げた。
『ギュルル~』と唸る豪速球は、ホームベースではなく、ランボウのヘルメットを目掛けていった。
「おおっと!いつもの洗礼か?狙っていたようにしか見えなかったが。」
上半身をそらして、事もなげに衝突を回避したランボウ。しかし、ボールはバックネットではなく、前に飛んでいき、二塁線のファールとなった。
「サア、ドウデショウ。手元ガホンノリ、クレージーダッタヨウナ、気ガシマシタケド。シカシ、アンナ、セクシーナ腰ツキ、イヤ態勢デ、バットニ当テタトカ、クレージーデス。」
「ははは。クレージーとは、褒め言葉と受け取っておこう。」
ランボウはビーンボールに対して、のしをつけて打ち返していたのである。
「トモヨンサンモ、ムカツキマスガ、コノ乱暴者ハ最悪バッターデス。ダカラ、コノコースニ投ゲマス。」
すぐに投球動作に入って、今度はランボウのお腹辺りにやってきた。
『カキーン』という綺麗な金属音を残して打球は、軽くフェンスを超えた。ドラエロ悶の判定はファール。
「ヤッパリ、悪球打チノ、ランボウサンデスネ。ヘンタイ的ナ、フォームデ、タマタマヲ、アシライマスネ。」
「さすがエロトークの大家だな。でも次もあたいのからだを狙うなら照れちゃうな。」
「ソンナ余裕ハ、コレデ、萎エ場スキー場デス!」
今までにないぐらい、肩の筋肉に気合いを入れたピッチャーは、乾坤一擲の一球をランボウに投げ込んだ。
「コレナラ、ヨケタリ、当テタリ、スルコトモ、デキナイデショウ。オーホホホッ。」
ボールはバックネットにぶつかり、ボールと判定された。
「アレ?バッターガイマセン?」
「ここだよ。」
「ドコニイルノデス?」
「ここだよ、ここ。」
「ツ、土カラ、バットノ木ガ生エテマス!」
「違うよ。ビーンボールが危なそうなので、土の中に潜り込んだだけさ。巨人軍のパワーなら、土を瞬時に掘るのはお手の物さ。」
グラウンドには、直径1メートルの穴が開き、そこからバットの太い部分だけが出てきており、スイングができる状態ではない。バットの先端に穴が空いており、『スー、ハー』という音が聞こえることから、どうやら池に潜る忍者が呼吸するために使っているのと同様に見える。
「ナント、卑怯ナ。昼間ニ、バットヲ振ラナインデハ、野球ニナリマセンワ。夜マデ取ッテオクツモリデスカ?」
「陽動には乗らないよ。これがあたいのやり方さ。自分の身を守ることが第一だから。試合結果は二の次。」
「「「「「キャプテン、ダメだ。」」」」」
双方のベンチからブーイングが大量発生した。
「これがランボウ野球なのさ。巨人軍は淑女誰?と言うだろう。」
「「「「「言わない!」」」」」
これまた双方のベンチの呆れボルテージを増幅させるだけだった。
バットを引きずりながら、ゆっくりとバッターボックスに向かうランボウ。引きずられた跡は、枯れた川のようである。
ピッチャーの視線は、それまでとは違って、獣のようなものに変わっていた。
ピッチャーは、ランボウが打撃の構えをするや否や、ボールを投げた。
『ギュルル~』と唸る豪速球は、ホームベースではなく、ランボウのヘルメットを目掛けていった。
「おおっと!いつもの洗礼か?狙っていたようにしか見えなかったが。」
上半身をそらして、事もなげに衝突を回避したランボウ。しかし、ボールはバックネットではなく、前に飛んでいき、二塁線のファールとなった。
「サア、ドウデショウ。手元ガホンノリ、クレージーダッタヨウナ、気ガシマシタケド。シカシ、アンナ、セクシーナ腰ツキ、イヤ態勢デ、バットニ当テタトカ、クレージーデス。」
「ははは。クレージーとは、褒め言葉と受け取っておこう。」
ランボウはビーンボールに対して、のしをつけて打ち返していたのである。
「トモヨンサンモ、ムカツキマスガ、コノ乱暴者ハ最悪バッターデス。ダカラ、コノコースニ投ゲマス。」
すぐに投球動作に入って、今度はランボウのお腹辺りにやってきた。
『カキーン』という綺麗な金属音を残して打球は、軽くフェンスを超えた。ドラエロ悶の判定はファール。
「ヤッパリ、悪球打チノ、ランボウサンデスネ。ヘンタイ的ナ、フォームデ、タマタマヲ、アシライマスネ。」
「さすがエロトークの大家だな。でも次もあたいのからだを狙うなら照れちゃうな。」
「ソンナ余裕ハ、コレデ、萎エ場スキー場デス!」
今までにないぐらい、肩の筋肉に気合いを入れたピッチャーは、乾坤一擲の一球をランボウに投げ込んだ。
「コレナラ、ヨケタリ、当テタリ、スルコトモ、デキナイデショウ。オーホホホッ。」
ボールはバックネットにぶつかり、ボールと判定された。
「アレ?バッターガイマセン?」
「ここだよ。」
「ドコニイルノデス?」
「ここだよ、ここ。」
「ツ、土カラ、バットノ木ガ生エテマス!」
「違うよ。ビーンボールが危なそうなので、土の中に潜り込んだだけさ。巨人軍のパワーなら、土を瞬時に掘るのはお手の物さ。」
グラウンドには、直径1メートルの穴が開き、そこからバットの太い部分だけが出てきており、スイングができる状態ではない。バットの先端に穴が空いており、『スー、ハー』という音が聞こえることから、どうやら池に潜る忍者が呼吸するために使っているのと同様に見える。
「ナント、卑怯ナ。昼間ニ、バットヲ振ラナインデハ、野球ニナリマセンワ。夜マデ取ッテオクツモリデスカ?」
「陽動には乗らないよ。これがあたいのやり方さ。自分の身を守ることが第一だから。試合結果は二の次。」
「「「「「キャプテン、ダメだ。」」」」」
双方のベンチからブーイングが大量発生した。
「これがランボウ野球なのさ。巨人軍は淑女誰?と言うだろう。」
「「「「「言わない!」」」」」
これまた双方のベンチの呆れボルテージを増幅させるだけだった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説


ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
むらくも航
ファンタジー
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
☆10/25からは、毎日18時に更新予定!
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる