進芸の巨人は逆境に勝ちます!

木mori

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第一章

第三十一部分

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こうして、ローザたちは三つ星級レストランにて食事を済ませて、入浴となった。
『大欲情』という暖簾にドギマギしたメガネ丸刈り男子であったが、残念ながら、しっかりと男女湯に分かれていた。一旦テンション株価が急落したメガネ丸刈り男子は、入念に大事な箇所を清め、大きな浴槽に浸かり、全身を温めて、完全なる臨戦態勢を構築できた。もちろん初陣である。
「よ~し。これがボクの人生の集大成だよ。今日、この日まで、せっせと貯めてきた若さの火薬庫を大爆発させるんだ。」
スーパー野菜人のようなオーラを身にまとうメガネ丸刈り男子。
「サッキヨリモ随分ト元気ニナリマシタネ。アンマリ張リ切ラレルト、恥ズカシクテ、ハラキリシタクナリマス。」
元気ハツラツなメガネ丸刈り男子に対して、しおらしいローザ。しかし、彼を奮い立たせてしまったのは、ローザの纏う衣類に原因があった。スケスケのヴァイオレットネグリジェで、下着の存在が不明なヴァイオレンス、ヴァイオレーションも辞さない覚悟が見える。
「さあさあ、スーパーナイトバトルフィールドはどこですか?フンフン。」
鼻を大きく膨らませて、温泉地のように熱い息を噴出させているメガネ丸刈り男子。
ふたりが立っている部屋のドアは見上げて首が痛くなるような高さを誇っている。
「コチラへドウゾ、オ入リクダサイ。」
手招きするローザの胸元で、その下にある大きくて形のよい肉まんが揺れた。
「ほ、本当に、僕なんかが、こんな秘所に入ってもいいんですか?」
「委員デス!風紀ハ委員デス!」
妖艶な笑みを浮かべるローザ。風紀委員の職務に逆行しているのは間違いない。
だだっ広い部屋に通されたと思ったら、そこが天蓋付きベッドルームだった。
「サア、逝キマスヨ、桃源郷へ。サア、心ヲ清々シイ高原ノヨウニ、解放スルノデス。」
ローザは両手を大きく広げて、巨大ベッドにダイブした。『ズズズズ~』という音と共にベッドは、バーベルでも載せたかのように、大きく深く沈み込んだ。
「アアア~!」
ローザの目は血走り、同時に口が顔を引き裂かんばかりに開かれた。
「あああ~!」
異形なローザを見て、メガネ丸刈り男子も目を剥いた。
「ドウカサレマシタカ?」
「お、大きくなった~。おっぱいとか、ボクの全身ぐらいあるよ!じゃなくて、デカすぎるよ、まるで怪物だ~!」
メガネ丸刈り男子の言う通り、ローザは横たわったゾウのように、いきなりデカくなっていた。ヴァイオレットのネグリジェも大きいものに着替えて、右手に頭を乗せて横たわるセクシーポーズである。
「コノ姿、オ気ニ召シテ?コレガ、ワタクシノ本当ノ姿、完全ナ観世絵ローザ、スナワチ、パーフェクト絵・ローザ!」
巨大ローザの流し目は普段でも強烈なインパクトを誇る。それが日頃の十倍サイズなのだから、その威力は計り知れない。
「ス、スゴい。こんな超絶セクシー目力みたことないです。って、そんな場合じゃない。ボクを取って食おうって言うんじゃ?」
「アラ、ヨクワカッテラッシャル、ジャナイ。アナタハ賞味サレルタメニ、ココニ来タンデショ。ウフフ。」
ローザはゆっくりと立ち上がり、ネグリジェの裾が妖しく揺らめいた。
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