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第二章
第七話
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「そ、そうだったよ。どよ~ん。うらめしや~。」
テンションが急降下して、暗くなった桃羅。ライトも落としてしまった。
「ここはいったい何をする部活ですの?」
「お答えするよ。ここは『悪魔全破壊滅部』だよ。」
(ちょっとどこかで聞いたようなネーミングね。ひどくセンスが悪いわ。)
「楡浬。自業自得な発言はおよしくださいな。桃羅。この部は名前の通りの活動をやってるんですの?」
「やってないよ。悪魔はこの学校にいないから。その点ではようやくターゲットが舞い込んできたということだよ。」
引き続き桃羅のテンションは低気圧である。
(どうして悪魔を滅ぼしたいのよ?)
「それをド貧乳女が言うか!お前こそ、お兄ちゃんを拐かして、お人形にしてしまった張本人だろう!この場で、この刀のサビにしてくれる!」
暗い中で、刀を抜くような仕草を見せた桃羅。
「おやめなさい、エアー刀は。」
「だって、だって、コイツがお兄ちゃんにヒドいことをしたんだよ!」
「それは違いますわ。たしかに楡浬は無作法で、自分勝手で、空気読めず、先も読めないダメダメ悪魔ですわ。」
(ちょっと、アタシは残念のデパート、いやショッピングモールみたいに言わないでよ!)
「しかし、オレをこんなにしたのは、楡浬ではありません。楡浬にはそんな大それた能力のない無能力者ですから。」
(アタシの冤罪を晴らそうとしてくれてるんだろうけど、ムカつくわ!)
「犯人はこの学校にいます。おそらく上級の天使ですわ。だから、オレはこの学校に残るため、在籍条件を満たすため、部活の内容は関係なく、この部活に入りたいのです。いいですわね?」
「ダメだよ。」
「それは良かったですわ。これで部活に無事に加入・・・できません?どうしてですの?桃羅。」
「お兄ちゃん。ここの部員はモモひとりだよ。そして、この部活は悪魔を討滅するためのもの。悪魔はド貧乳女だけじゃない。悪魔を入れるのは筋が通らないよ。悪魔を部員にしちゃったら、生徒会から解散命令が出るかもしれない。そうしたらモモも放校になる。それはお兄ちゃんも望まないでしょ?」
「たしかに、オレは桃羅には恙なく学校生活を送ってほしいですわ。」
「でしょ。だから、お兄ちゃん。モモのためにもこの部活には入らないでよ。」
「わかりましたわ。では部員になることは悪魔らしく堂々と断念いたしますわ。」
(ちょっと、そこで悪魔を強調する必要ないじゃない。それに大悟は天使なんだから。)
「この体をわが物とする限りは悪魔として活動させていただきますわ。」
「それじゃ、お兄ちゃん。残念だけど、他をあたってね。」
「悪魔退治が活動目的ならば、自分の中の悪魔を追い払うためにやりますわ。」
「それでも部員にはなれないよ。」
「じゃあ部員じゃなくていいですわ。」
「それじゃ、部活に入ることにならないよ!」
「部活の顧問になりますわ。顧問として悪魔払いをやるのです!」
「顧問なんかになれるはずがないよ。教師じゃあるまいし!」
「用務員ならなれますわ。部活の監督なんて、外部招聘なんて当たり前です。ましてや用務員は学校に極めて近い。用務員手帳がこんなところで生きてくるとは思いませんでしたわ。」
大悟は茶色の地味な用務員手帳を桃羅にこれ見よがしに見せた。手帳では楡浬の顔写真が小さく映り、背景は三輪車支配人のVサインポーズが占めていた。
テンションが急降下して、暗くなった桃羅。ライトも落としてしまった。
「ここはいったい何をする部活ですの?」
「お答えするよ。ここは『悪魔全破壊滅部』だよ。」
(ちょっとどこかで聞いたようなネーミングね。ひどくセンスが悪いわ。)
「楡浬。自業自得な発言はおよしくださいな。桃羅。この部は名前の通りの活動をやってるんですの?」
「やってないよ。悪魔はこの学校にいないから。その点ではようやくターゲットが舞い込んできたということだよ。」
引き続き桃羅のテンションは低気圧である。
(どうして悪魔を滅ぼしたいのよ?)
「それをド貧乳女が言うか!お前こそ、お兄ちゃんを拐かして、お人形にしてしまった張本人だろう!この場で、この刀のサビにしてくれる!」
暗い中で、刀を抜くような仕草を見せた桃羅。
「おやめなさい、エアー刀は。」
「だって、だって、コイツがお兄ちゃんにヒドいことをしたんだよ!」
「それは違いますわ。たしかに楡浬は無作法で、自分勝手で、空気読めず、先も読めないダメダメ悪魔ですわ。」
(ちょっと、アタシは残念のデパート、いやショッピングモールみたいに言わないでよ!)
「しかし、オレをこんなにしたのは、楡浬ではありません。楡浬にはそんな大それた能力のない無能力者ですから。」
(アタシの冤罪を晴らそうとしてくれてるんだろうけど、ムカつくわ!)
「犯人はこの学校にいます。おそらく上級の天使ですわ。だから、オレはこの学校に残るため、在籍条件を満たすため、部活の内容は関係なく、この部活に入りたいのです。いいですわね?」
「ダメだよ。」
「それは良かったですわ。これで部活に無事に加入・・・できません?どうしてですの?桃羅。」
「お兄ちゃん。ここの部員はモモひとりだよ。そして、この部活は悪魔を討滅するためのもの。悪魔はド貧乳女だけじゃない。悪魔を入れるのは筋が通らないよ。悪魔を部員にしちゃったら、生徒会から解散命令が出るかもしれない。そうしたらモモも放校になる。それはお兄ちゃんも望まないでしょ?」
「たしかに、オレは桃羅には恙なく学校生活を送ってほしいですわ。」
「でしょ。だから、お兄ちゃん。モモのためにもこの部活には入らないでよ。」
「わかりましたわ。では部員になることは悪魔らしく堂々と断念いたしますわ。」
(ちょっと、そこで悪魔を強調する必要ないじゃない。それに大悟は天使なんだから。)
「この体をわが物とする限りは悪魔として活動させていただきますわ。」
「それじゃ、お兄ちゃん。残念だけど、他をあたってね。」
「悪魔退治が活動目的ならば、自分の中の悪魔を追い払うためにやりますわ。」
「それでも部員にはなれないよ。」
「じゃあ部員じゃなくていいですわ。」
「それじゃ、部活に入ることにならないよ!」
「部活の顧問になりますわ。顧問として悪魔払いをやるのです!」
「顧問なんかになれるはずがないよ。教師じゃあるまいし!」
「用務員ならなれますわ。部活の監督なんて、外部招聘なんて当たり前です。ましてや用務員は学校に極めて近い。用務員手帳がこんなところで生きてくるとは思いませんでしたわ。」
大悟は茶色の地味な用務員手帳を桃羅にこれ見よがしに見せた。手帳では楡浬の顔写真が小さく映り、背景は三輪車支配人のVサインポーズが占めていた。
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