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第二章

第十部分

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場所は、警察署の隣の大きく新しいビルだった。
凪河と憂果莉は、ミニスカロリスとビルに入っていった。ロボットのように無口、無反応な赤白メイドの鍵もついてきた。
『天帝興業』というプレートが貼られている真っ黒なビルの前に立った凪河と憂果莉。
「ここって、鍵の家を潰した広域暴力団じゃないの!企業舎弟を多数持っていて、組の運営資金は潤沢というウワサもあるわ。このまま、この中に入っていくって、ものすごくキケンじゃないの?」
「そうです。それでも行くしか選択肢はありません。」
そう会話しながら、堂々と組事務所ビルに侵入する三人。当然のように、多数のサングラスに黒スーツの組員が並んで、侵入者に対して睨みを利かせている。
サングラスの奥からでもわかる邪悪な視線を感じて、凪河はほっぺたがヒリヒリしていた。
「会長。当然だけど、ものすごくガン見されてるわね。本当はコワいけど、どうせコイツらはただの悪。真の悪よりは日常生活に不要な存在。魔法で一気に掃除してしまおうかしら。」
ヤクザと一戦交えようと身構える凪河。黒服は、やはりガン見している。
「猫柳さん。彼らが見ているのは、特定部分です。」
憂果莉は目線で、凪河のスカートを指し示した。
「えっ。・・・。キャー!」
「キャー!」
凪河に遅れて、憂果莉も透明スカートを押さえた。
股を閉じるような格好で、歩くには大いに支障あり、凪河は恥ずかしさに加えて、イライラが募ってきた。ついに凪河は切れた。
「もうめんどくさいわ。全員不確定性の原理!」
「やめるんじゃ!」
ビルの一階ロビーに大きな声が反響した。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「組長!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「そなたたちは、持ち場に戻れ。ここはワシがひとりで片付けるわ。」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
クモの子を散らすように、黒服は瞬時に消え去った。
凪河たちの前に立っているのは、ツヤツヤに光る赤い幼児服に、赤い帽子、ランドセルの幼女。みつあみツインテの黒髪がかわいい。小さな体に似合わず巨乳な胸には、『くみちょう・ると』と書かれている。
「超絶美幼女~!!ミニスカロリスの赤版、ワシっ子、ギャップ萌え!抱きっ!」
ミニスカロリスを見た時よりもさらに興奮した憂果莉がガブリ寄りした。
「こら、やめんか、放せ。ワシは見かけ幼女じゃが、ヤクザトップの組長『ると』、じゃぞ。ゆりキュアの敵じゃ、控えよ!」
凪河も驚いた顔をして、じっと組長の様子を窺っていたが、口を開いた。
「あんた、ミニスカロリスにそっくりだわ。」
「みみのご先祖さま!」
「ご先祖様⁉たしかにミニスカロリスに似てるけど。ご先祖様ってどういうことなの?」
「そのままの意味でちゅ。みみに似てて、超絶美幼女でちゅけど、ハイパーババアでちゅ。」「ハイパーとか言うな!」
「ハイパーって言うなら、地球が誕生したころの生産物なの?」
「そんなところでちゅ。」
「こら、勝手なことを言うでない。いつ生産されたのか、わからないのがチャームポイントなんじゃから。」
「『ロリBBAチャームポイント』?新種のロリです!世紀の大発見に萌えます!ハアハアハア。」
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