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第二章
第四十七話・地獄のメイド
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「ううう。頭いてえ。スゴい衝撃だった。・・・でも何の衝撃だったったけ?誰かに殴られでもしたのかな。でもたんこぶがあるわけでもないな。物理的な攻撃ではない何かの衝撃があったみたいだが、思い出せない。ここはどこだ。」
《多分地獄。目的の場所。だんまり。》
「騙流なのか。そう言えばコンビニで何かを見たような。見たくないけど、見たいような、コワいもの見たさに近い奇妙な感覚だ。」
《宇佐鬼大悟。上を見る。だんまり。》
「上だと。辺りはすごく暗いんだけど、空には明るい光が?って、えええ!?」
大悟の網膜にはこれまで映されたことのない風景画、いや抽象画というべきか。
「そ、空が真っ赤に燃えている。いや煮たぎっている。地面に向かって、沸騰した坊主のような泡が噴いているではないか。」
ポタポタと水滴が落ちてきた。
「あっちぃ!雨じゃない。これはお湯だぞ。このままじゃ、やけどしてしまう、いや茹で蛸になってしまうぞ。どこかに避難しないと。」
騙流はダルマを傘のようにして、熱湯雨を防いでいる。そのため、消音モードになっている。
「こういう時は便利だな。でも一人用だから、オレはヤバいままだ。霊柩車、じゃない冷救車でも呼ばないと。」
「そんなご都合主義車はありません。人間はどこまでもいいとこ取り、オイシイ部分だけを食べて残りは捨て去る。省エネ、CO2削減が聞いてあきれます。」
「ウサミミメイドさん!ここは地獄のアキバ一丁目ですか?」
「アキバというは住居表示はありません。千代田区外神田一丁目が秋葉原駅の所在地です。ちなみにここはサンクスロード10丁目という地獄の辺境です。申し遅れましたが、私は穂芙良という名前の敏腕メイドです。」
《多分地獄。目的の場所。だんまり。》
「騙流なのか。そう言えばコンビニで何かを見たような。見たくないけど、見たいような、コワいもの見たさに近い奇妙な感覚だ。」
《宇佐鬼大悟。上を見る。だんまり。》
「上だと。辺りはすごく暗いんだけど、空には明るい光が?って、えええ!?」
大悟の網膜にはこれまで映されたことのない風景画、いや抽象画というべきか。
「そ、空が真っ赤に燃えている。いや煮たぎっている。地面に向かって、沸騰した坊主のような泡が噴いているではないか。」
ポタポタと水滴が落ちてきた。
「あっちぃ!雨じゃない。これはお湯だぞ。このままじゃ、やけどしてしまう、いや茹で蛸になってしまうぞ。どこかに避難しないと。」
騙流はダルマを傘のようにして、熱湯雨を防いでいる。そのため、消音モードになっている。
「こういう時は便利だな。でも一人用だから、オレはヤバいままだ。霊柩車、じゃない冷救車でも呼ばないと。」
「そんなご都合主義車はありません。人間はどこまでもいいとこ取り、オイシイ部分だけを食べて残りは捨て去る。省エネ、CO2削減が聞いてあきれます。」
「ウサミミメイドさん!ここは地獄のアキバ一丁目ですか?」
「アキバというは住居表示はありません。千代田区外神田一丁目が秋葉原駅の所在地です。ちなみにここはサンクスロード10丁目という地獄の辺境です。申し遅れましたが、私は穂芙良という名前の敏腕メイドです。」
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