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第三章

第十三部分

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4人は緋色からもらった外出許可証を首からぶら下げて目的地へゆっくりと歩みを進めた。ちなみに許可証にはセンサーが付いており、逃げようものなら、即座に首をしめてしまうというスグレものである。
美保詩は先頭を行くメラニアとのソーシャルディスタンスをきっかり1メートル取って、寸分違わずキープしていくという離れ業を見せている。
「学校って、どこにあるのだろう。なんだか、すごくよく知ってる道なんだけど。って、これってウチの高校じゃない!」
旭星高校は、刑務所と隣り合わせだった。刑務所と言っても、外観からはマンションにしか見えない。加えて、付近にも類似のマンションは多数あることから、その景色に埋没している。
ウィンピアは、恐怖概念と心臓までのディスタンスを見事にキープしていた。
「学校でのAV撮影って、もしかしたら、ヌードモデルってやつ?教室で、大勢の人間に囲まれて、からだのあらゆる部位を微に入り細に至るまで解体新書されるって話を聞いたことがあるよ。ガクガク、ブルブル。」

そうこうしているうちに、学校に到着した。今は放課後である。授業が終わってから30分経過しており、生徒は部活と帰宅部に分かれており、教室の清掃に都合のいい時間帯に設定している。掃除当番もいて、一緒に清掃作業を行うのが通例になっていた。
美保詩は自分の学校に来ているという緊張感で、誰かに見られないかと、ひたすら警戒して歩くあまり、極端な猫背になり、結果的にかなり目立っていた。
「なんか、悪い予感がするんだけど。はっ。」
ツナギを着ている美保詩は、すぐ手前にいる男子が目に入るや否や、メラニアの背中に隠れようとした。しかし、体格的にほぼ同等なため、それはムリな相談だった。眼鏡に短い黒髪の真面目顔の康人だった。
「おや、美保詩じゃないか。2、3日見かけなかったな。おや、その格好は?」
「いや、康人。これは、これは。こちらこそ、ヨロシクお願いします!」
「うん、いつもの美保詩だな。ひい姉から、美保詩が刑務所職業体験すると聞いている。拘束される立場や牢獄暮らしで協調性を学ぶらしいな。ちょっと変わりだねだけど、それは美保詩らしいな。少し心配だったけど、元気そうで何よりだ。安心したよ。」
康人が自分で、ほし、と発言するのは問題ないのである。
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