不幸を嘆く牢獄の盲目魔法少女に願いを

第三章

第十一部分

「足りないなら、自分で乗せますわ～。」
メラニアは立ち上がり、他の３人の御影石を回収した。改めて正座して自分の折り畳んだ膝の上に軽々と、４層４百キロを置いた。
「凄まじい腕力だ。いやそんなことより、コイツ、まさか、ドＭなのか。敵に大量の塩を送ってしまったのか？とにかく、やめろ～！」
緋色が息を切らしてメラニアから御影石を撤去し、イベントを止めた。
結局、すべてのお仕置きをメラニアが引き受けて、２４時間経過する前に緋色がイベントを止めたことで、ミッションクリアとなった。
緋色は浮かぬ顔をはたいて修正し、４人の前に立った。
「まさかこんな結果が待っているとはな。」
「これでここから出られるのかな。ワクワク。」
ウィンピアは石抱きの苦しみから解放されたことに加えて刑期短縮というご褒美に期待を膨らませた。
緋色は仏頂面で言葉を吐いた。
「刑期は短くする。しかし、刑期短縮は１年だけだ。」
エリザベスははっとして、メラニアを問い質した。
「そもそも、オラたちの刑期が何年なのかはわからないべ。明日かも知れないし、百年後かもだべな？」
「その通りでございますわ、お嬢様。」
「えっ。・・・絶句。」
ウィンピアの膨らんだ期待はバブルとして弾けただけだった。
緋色は、ウィンピアたちにくるりと背中を向けた。
「魔法少女に音（ね）をあげさせて、ひいの願いを叶えさせる目的は果たせなかった。まあ魔法少女がここにいる限り、チャンスはあるしな。」
緋色は気を取り直して、お仕置き場から消えた。