不幸を嘆く牢獄の盲目魔法少女に願いを

第三章

第二部分

（ちょっと、ほし。浮かれてないで、これからのことを考えないと。今、ほしは逮捕されてるんだからね、冷静になって、自分が魔法少女の牢屋に入れるのかどうか、はっきりしてなくて、しかも主導権はないんだから。）
美保詩はニンマリから警戒モードに転換していき、思考はさらに深くなっていった。
魔法少女がいたのは確実視できる。ちょっとしか見えなかったけど、あの珍しい服を着たのが魔法少女に違いない。と美保詩は考えた。何としてもあの部屋に入らないと。カッカッと硬いヒールを鳴らす緋色に対して、美保詩は、ひたひたと歩いていた。
ひとつ隣の部屋で緋色が停止した。
緋色は、顔色はそのままで、美保詩に声をかけた。
「取り合えず取り調べの間はひとり部屋がいいだろう。」
『あっ、ヤバい！』と思った瞬間、美保詩は膝を折った。
「ぐっ、持病の癪が。」
「癪って、そんな病気持ちだったなんて、聞いたことないぞ。」
「このひとり部屋に入ると、康人がコクハク、じゃなくて面会に来るかも知れないよ。その時、ほしとふたりっきりになっても、ひい姉さんは構わないよね？」
「ダメだ～！美保詩はこっちの部屋に行け！」
以上の流れで、美保詩はウィンピアたちの部屋で軟禁されることになった。