不幸を嘆く牢獄の盲目魔法少女に願いを

第二章

第十三部分

『コソコソ。』
「ゴキブリ!?噂に聞く人間界で最恐の虫がいるの？見えない分、余計に怖いよ！」
「ここには害虫はいっさいおりませんわ。ウィンピア樣、ご安心くださいませ。」
「でも何かいたような気がするけど、気のせいかな。」
ウィンピアはほっと一息ついて、自分の気持ちを落ち着けようとした。

夕食が終わり、日常生活で発生する、次のイベントと言えば。
「ウィンピア樣、そろそろお風呂の時間ですわ。オトメとして、お身体を清めることも大切な仕事ですわ。」
「大浴場での撮影!?やっぱりＡＶだよ！ま、まさかの裸女子集団での〇Ｐプレイ!?」
「ウィンピア樣はずいぶんな言葉をご存知なんですね。そんなことはありませんわ。ごくフツーの大欲情です。」
「やっぱりＡＶ大欲情だよ～！」
「冗談ですわ。何も心配ありません。」

「生き返る～。本当に何の問題もなかったよ。気持ちいい～。」
ウィンピア、エリザベス、メラニアはすでに大きな浴槽に浸かっている。ジーッ。
「はっ!?カメラ目線だよ？」
ウィンピアは胸を隠して周囲を見回したが、もうもうとする湯煙とは無関係に、当然ながら何も見えない。
メラニアが脱衣場への扉を開いて、湯気を逃がしてから浴場内を確認したが、人影はまったくなかった。
「ウィンピア樣、少々神経質になり過ぎなのではありませんか。たしかに、いつかはエリザベスお嬢様のＡＶ的な慰みモノになる未来は横たわっておりますけれど。」
「ＡＶを煽らないでよ！でも誰かに見られている感じがしたんだけど。」