11 / 67
第二章
第七部分
しおりを挟む
『なるほど、王子様のファンでいらっしゃるのですね。』
「べ、別にファンとかでもないし。ファンクラブとか学校に存在するとか、知らないし。」
「こら、お前たち、何を話している、いや、勝手にタブレットで表現しているのか?」
『タブレットは最新鋭のAⅠ導入型です。スゴくアタマがいいのです。』
全員のタブレットが暴走してるっぽい。
『ファンだとすれば実に悲しいお知らせがあります。』
「いったい何なのよ。」
『王子は大王寺製薬の後継者となり、未来の大王寺家のために、たくさんの女性を侍らせて大奥を築く義務があるのですが、大変残念なことに、王子は女性恐怖症なのです。』
「「えええ?」」
玲羅、王子が同時に驚愕表情を生産した。驚愕の内容は異質である。事実認識と個人情報公開への驚愕である。
「王子って、女性恐怖症なの?そんな風には全然見えないわよ。」
『それを実証してみせましょう。』
このトークもすべてタブレットAIの暴走なので、念のため。
「もういったいなんなんだ。完全にバグってるじゃないか。」
王子がわめいている間に、幼稚園時代の王子がタブレットにモニターされた。
子供らしい短い黒髪、パッチリお目めの愛くるしい幼児。お決まりのスカイブルーの幼児服に、ひらがなで『りょうとさま』と書かれている。『さま』付きの名札は王子専用である。
「かわいい。お持ち帰りしたいわ!」
犯罪者フレーズをのたもうた玲羅。
タブレットには、遼斗の登校シーンが映されている。周りを黒メイド服に囲まれている。黒メイド服の回りには、幼女がたくさん集まって、『きゃあ、きゃあ、きゃあ』と騒いでいる。真ん中の遼斗はブルブルと震えている。
「王子。あと少しで校舎ですから、ガマンしてください。なんなら、お漏らししてもいいですから。」
「バカいうな!もらしたりなんかするものか。そ、それにおんなのこなんて、コワくもなんともないんだからなっ。」
額に三本筋を立てて、抵抗する遼斗。
「王子がそうおっしゃるなら、女の子耐性を確認しましょう。一同ひけ~。」
蜂の巣をつついたように、黒メイド服たちは四方八方に拡散した。当然にして、ひとりポツンと取り残された遼斗。
「べ、別にファンとかでもないし。ファンクラブとか学校に存在するとか、知らないし。」
「こら、お前たち、何を話している、いや、勝手にタブレットで表現しているのか?」
『タブレットは最新鋭のAⅠ導入型です。スゴくアタマがいいのです。』
全員のタブレットが暴走してるっぽい。
『ファンだとすれば実に悲しいお知らせがあります。』
「いったい何なのよ。」
『王子は大王寺製薬の後継者となり、未来の大王寺家のために、たくさんの女性を侍らせて大奥を築く義務があるのですが、大変残念なことに、王子は女性恐怖症なのです。』
「「えええ?」」
玲羅、王子が同時に驚愕表情を生産した。驚愕の内容は異質である。事実認識と個人情報公開への驚愕である。
「王子って、女性恐怖症なの?そんな風には全然見えないわよ。」
『それを実証してみせましょう。』
このトークもすべてタブレットAIの暴走なので、念のため。
「もういったいなんなんだ。完全にバグってるじゃないか。」
王子がわめいている間に、幼稚園時代の王子がタブレットにモニターされた。
子供らしい短い黒髪、パッチリお目めの愛くるしい幼児。お決まりのスカイブルーの幼児服に、ひらがなで『りょうとさま』と書かれている。『さま』付きの名札は王子専用である。
「かわいい。お持ち帰りしたいわ!」
犯罪者フレーズをのたもうた玲羅。
タブレットには、遼斗の登校シーンが映されている。周りを黒メイド服に囲まれている。黒メイド服の回りには、幼女がたくさん集まって、『きゃあ、きゃあ、きゃあ』と騒いでいる。真ん中の遼斗はブルブルと震えている。
「王子。あと少しで校舎ですから、ガマンしてください。なんなら、お漏らししてもいいですから。」
「バカいうな!もらしたりなんかするものか。そ、それにおんなのこなんて、コワくもなんともないんだからなっ。」
額に三本筋を立てて、抵抗する遼斗。
「王子がそうおっしゃるなら、女の子耐性を確認しましょう。一同ひけ~。」
蜂の巣をつついたように、黒メイド服たちは四方八方に拡散した。当然にして、ひとりポツンと取り残された遼斗。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
あ、出ていって差し上げましょうか?許可してくださるなら喜んで出ていきますわ!
リーゼロッタ
ファンタジー
生まれてすぐ、国からの命令で神殿へ取られ十二年間。
聖女として真面目に働いてきたけれど、ある日婚約者でありこの国の王子は爆弾発言をする。
「お前は本当の聖女ではなかった!笑わないお前など、聖女足り得ない!本来の聖女は、このマルセリナだ。」
裏方の聖女としてそこから三年間働いたけれど、また王子はこう言う。
「この度の大火、それから天変地異は、お前がマルセリナの祈りを邪魔したせいだ!出ていけ!二度と帰ってくるな!」
あ、そうですか?許可が降りましたわ!やった!
、、、ただし責任は取っていただきますわよ?
◆◇◆◇◆◇
誤字・脱字等のご指摘・感想・お気に入り・しおり等をくださると、作者が喜びます。
100話以内で終わらせる予定ですが、分かりません。あくまで予定です。
更新は、夕方から夜、もしくは朝七時ごろが多いと思います。割と忙しいので。
また、更新は亀ではなくカタツムリレベルのトロさですので、ご承知おきください。
更新停止なども長期の期間に渡ってあることもありますが、お許しください。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる