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第一章

第二十三部分

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次の瞬間、『ドーン、あれ~!』という音と声がして、私は自分の目を疑った。
織田生徒会長はナースをはねのけて私にきた。凛々しい。私には微塵の媚も売らない。こんな男子は見たことない。
『ドキドキ。』
胸の高鳴り?私が男子にときめいていると?そ、そんなはずはない。
ゴリラのように、薄目の胸を叩いて、トキメキを奥に押し込んだ。
私は冷静になって、自分の学校のことを理路整然と説明した。心臓の動悸を物理的に封じ込めて会話することなんて、私には造作もないこと。でもそれは心の動揺を収束させるのはまったく異なる。口で話していることと、心の嵐は別の次元に存在していた。
今、織田生徒会長から、私のことについて、何か言われたら、いったいどうなってしまうのかしら。いや、その前に私自身のことを話さないと。そんなこと、やったことないし。どうしよう、どうしよう、こんなに心が迷うなんて、初めてだわ。私の頬に血流が集まるのを感じた。
ああ、顔に出ちゃう。
その時、大きな異変が起こった。
「上様~!おねいさんを会談から外すなんて、ツレナイですよ。おねいさん、悲しいですよ~。だから、診察しちゃいます~!」
ナースは扇情的な瞳を織田生徒会長に向けた。織田生徒会長は私との会議を諦めたかのように表情に変わった。
「上様ご待望のおやつの時間ですよ。ほら、ほら。」
ナースはスーパー破廉恥にもムカつく胸を開いて、乳首を見せた!いや、乳首ではなく、色的に私のより赤い?これはホクロ?
『むむむ~。』と織田生徒会長は不気味な唸り声を上げたと思ったら、変身、いや変態した。
サーモンピンク制服、スカートつき。背中に炊飯器イラスト、伸びた髪、妖艶な目付きに加えて、内股な足。
「あ~ら。松平さぁん。あたしのこと、そ~んなに気になるかしらん。ボディラインなら、負けてないわよん。ゴホっ。」
織田生徒会長は、ムリに声質を高くしたためか、軽く咳き込み、そのまま、横にあったソファーに腰掛けてシナを作った。
「ま、まさか、織田生徒会長がウワサに聞くオカマ!?」
「オカマって、失礼ねえ。おネエって呼びなさい。うふん。」
「ぎゃああ!」
冷静さを瀬戸際で死守していた私は、セキを切ったダムの激流に飲まれた。
なんて、ことなの!せっかく理想の人に出逢えたと思ったら、実態はオカマで有頂天になろうとしてたなんて、私はホント馬鹿だわ!うわあ~。
私は会議の途上であったにもかかわらず、すべてを投げ打って、生徒会室を飛び出した。
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