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第一章

第四十五話

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「はい。あ~ん。」


 催促か?そう思ったが、違っていた。何と、オレの目の前に暖かいものがある。


「ほら、都。このセレブが屈辱的な行為をしているんだから、早くありがたく頂きなさい。好きでやってんじゃないんだからねっ!」


「いや、別にひとりで食べるけど。」


「なんという、非国民的な発言なの。ソッコー死刑となるわよ。こんな機会は二度とないんだからねっ!」


「ははあ。わかりました。では心の底から感謝申し上げつつ、口に入れまする。」


 どうでもいいので、言われるままにした。流される雲のごとし。


((あ~んどす。))


 今度はこっちから攻撃。


「どうしたんだ、絵里華。」


((嫁として当然のこと、いやセレブに近づくためどす。勉強させてほしいどす。))


 嫁?何か勘違いしてないか。とりあえず、折角の機会なので、言う通りにした。これが間違いだと気付いたのは後の祭り。これを見ていた由梨が『あ~ん』。


 絵里華も負けじと『あ~ん』。結果的に『あ~ん地獄』に陥ってしまった。

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