失楽園パンツの魔王様?

木mori

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プロローグ

プロローグ1

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【プロローグ①】
涼しげな瞳を覆う金色縁の四角い眼鏡。黒い髪は芯の強い男子の心を表現するように、尖った先を四方八方に向けている。精悍に鋭角なる顎。少々浅黒な肌が異性を引き付ける。
 そんなイケメン男子の前にいるおさげツインの清楚な女子高生。赤いブレザー姿の彼女は顔をトマトのようにして、地面に90度の姿勢で、苦しげに口から言葉を押しだそうとしている。
「わ、わたしとつきあって下さい、お願いです!」
「だったら、『生娘』を見せろ。」
「き、きむすめ?それって、まさか・・・。」
「そう。俗世間ではパンツと称しているものだ。オレはその閲覧を要求する。」
「そ、そんな恥ずかしいことをこんなところで?」
「いやなら別にいいけど。オレ忙しいし。」
「そんなの、いきなり無理です。」
「そうだろう。それなら無理する必要ないし。じゃあ、これで。」
「ちょ、ちょっと待って下さい。わ、わかりました。で、で、ではこうです!」
 おさげツイン女子は恥ずかしさをこらえるため、恐る恐るではなく、土俵上の力士が塩を撒くようにイッキにスカートの中身をご開帳した。
 眼鏡男子は目の前に曝け出された乙女の花園を一瞥。溜息をついて、すぐに視線を遠い空に移した。
「・・・う~ん。この生娘は違う。やっぱり『雪ねえの生娘』は見つからない。」
「えええええ。わたしじゃだめなの?わたしのどこがいけないの?」
「生娘の真実は唯一無二。ニセモノの生娘、つまりウソをつけばシタギを抜かれる!」
「わあああああああああああ~!」
 おさげツイン女子は両目を覆った。イケメン男子の姿も霧のように消えた。
 弱い風が吹いて、立ちつくすおさげツイン女子のスカートを怒ったふぐのように膨らませた。その中の暗い空間にはあるべき布が存在しなかった。
いつの間にかその場所に、赤いブレザーとメイド服を着た女子ふたりが立っていた。
彼女たちは、倒れたおさげツイン女子に対して、蔑むような視線を送っている。
 メイド服がおさげツイン女子を回収し、髪の長い方がぼやいた。
「これで『ブルマン』がまたひとり。『ブルマン』になるとパンツを穿くことができなくなり、ブルマを代わりにするしかなく、乙女心を大きく引き裂かれ、すぐに不登校となります。そして、退学してしまうのですよね?」
「わかっております。さらに気になるウワサがあります。退学した女子たちが行方不明になっているというのです。そのあたりは現在調査中です。追って報告します。」
 メイド服が無表情のままで、抑揚なく無機質に回答した。
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