64 / 85
第二章
第五部分
しおりを挟む
田舎道はあちこちで曲がりくねっていた。そこそこ歩いた時、ピューと風が吹いて、女子3人のスカートがめくれた。
「「「きゃああ!」」」
3人がスカートを押さえる前に、鰯司がその中身を視界に入れてしまった。
「スカートの下に赤いものか!」
鰯司は心を落ち着けるため、いったん目を閉じた。そして再び目を開き、よく見た。
「あれって、伝説のちょうちんブルマ!?」
「「「恥ずかしい~!」」」
3人はスカートを押さえながら、一斉に赤くなった顔をしかめた。
「ブルマなら恥ずかしくないのでは?」
しばらくして、ようやく落ち着いたトリス会長は抗弁した。
「これはブルマにあらず。人間界でいうパンツなんじゃ!パンツが露出すればフツーハズイじゃろう。悲しいことに、魔界のパンツはすべからくちょうちんブルマなんじゃ。」
『『えええ?』』
紅麗と明日萌の脳内で、光葉と湖線が大声をあげた。
「忘れていたけど、ふたりはどうなっちゃった?」
「さあな。死んではいないのは確かじゃな。」
「魔界にはパンツが存在しない。ご覧の通り、魔界はひどく貧しいんじゃ。人間界のパンツのように、布面積が小さい割りに高価なパンツを生産することなどできぬのじゃ。」
「「うんうん。」」
副会長ふたりも大袈裟に頷いた。
トリス会長たちはそこから口を閉じて、女王府庁まで歩いていった。
「さあ、着いたぞ。」
「ここって、アパートから見えた学校じゃないですか!」
「そうじゃ。学校が女王府を兼ねておる。公共の建物を何棟も作る財力はないからのう。」
「はあ。それで、学校、いや女王府庁に来た理由は何ですか?」
「せっかく魔界に来たんじゃから、観光でもと思ってな。」
「そうですか。それは楽しみです。なんて、ワケないでしょう!きっと、何かの悪巧みでしょう。人間界での生徒会長というのも、仮初めの正義を名乗っていたに決まってますよ。どう見てもマトモでない副会長を従えてるんですから、トリス会長はきっと、悪の権化なんでしょう!」
「「「きゃああ!」」」
3人がスカートを押さえる前に、鰯司がその中身を視界に入れてしまった。
「スカートの下に赤いものか!」
鰯司は心を落ち着けるため、いったん目を閉じた。そして再び目を開き、よく見た。
「あれって、伝説のちょうちんブルマ!?」
「「「恥ずかしい~!」」」
3人はスカートを押さえながら、一斉に赤くなった顔をしかめた。
「ブルマなら恥ずかしくないのでは?」
しばらくして、ようやく落ち着いたトリス会長は抗弁した。
「これはブルマにあらず。人間界でいうパンツなんじゃ!パンツが露出すればフツーハズイじゃろう。悲しいことに、魔界のパンツはすべからくちょうちんブルマなんじゃ。」
『『えええ?』』
紅麗と明日萌の脳内で、光葉と湖線が大声をあげた。
「忘れていたけど、ふたりはどうなっちゃった?」
「さあな。死んではいないのは確かじゃな。」
「魔界にはパンツが存在しない。ご覧の通り、魔界はひどく貧しいんじゃ。人間界のパンツのように、布面積が小さい割りに高価なパンツを生産することなどできぬのじゃ。」
「「うんうん。」」
副会長ふたりも大袈裟に頷いた。
トリス会長たちはそこから口を閉じて、女王府庁まで歩いていった。
「さあ、着いたぞ。」
「ここって、アパートから見えた学校じゃないですか!」
「そうじゃ。学校が女王府を兼ねておる。公共の建物を何棟も作る財力はないからのう。」
「はあ。それで、学校、いや女王府庁に来た理由は何ですか?」
「せっかく魔界に来たんじゃから、観光でもと思ってな。」
「そうですか。それは楽しみです。なんて、ワケないでしょう!きっと、何かの悪巧みでしょう。人間界での生徒会長というのも、仮初めの正義を名乗っていたに決まってますよ。どう見てもマトモでない副会長を従えてるんですから、トリス会長はきっと、悪の権化なんでしょう!」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
異世界でゆるゆる生活を満喫す
葉月ゆな
ファンタジー
辺境伯家の三男坊。数か月前の高熱で前世は日本人だったこと、社会人でブラック企業に勤めていたことを思い出す。どうして亡くなったのかは記憶にない。ただもう前世のように働いて働いて夢も希望もなかった日々は送らない。
もふもふと魔法の世界で楽しく生きる、この生活を絶対死守するのだと誓っている。
家族に助けられ、面倒ごとは優秀な他人に任せる主人公。でも頼られるといやとはいえない。
ざまぁや成り上がりはなく、思いつくままに好きに行動する日常生活ゆるゆるファンタジーライフのご都合主義です。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
錬金術師カレンはもう妥協しません
山梨ネコ
ファンタジー
「おまえとの婚約は破棄させてもらう」
前は病弱だったものの今は現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられた、Fランク錬金術師のカレン。
病弱な頃、支えてあげたのは誰だと思っているのか。
自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。
それは『血筋の祝福』という、受け継いだ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。
依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。
王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。
前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。
ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。
仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。
錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。
※小説家になろうにも投稿中。
スキル【海】ってなんですか?
陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
ファンタジー
スキル【海】ってなんですか?〜使えないユニークスキルを貰った筈が、海どころか他人のアイテムボックスにまでつながってたので、商人として成り上がるつもりが、勇者と聖女の鍵を握るスキルとして追われています〜
※書籍化準備中。
※情報の海が解禁してからがある意味本番です。
我が家は代々優秀な魔法使いを排出していた侯爵家。僕はそこの長男で、期待されて挑んだ鑑定。
だけど僕が貰ったスキルは、謎のユニークスキル──〈海〉だった。
期待ハズレとして、婚約も破棄され、弟が家を継ぐことになった。
家を継げる子ども以外は平民として放逐という、貴族の取り決めにより、僕は父さまの弟である、元冒険者の叔父さんの家で、平民として暮らすことになった。
……まあ、そもそも貴族なんて向いてないと思っていたし、僕が好きだったのは、幼なじみで我が家のメイドの娘のミーニャだったから、むしろ有り難いかも。
それに〈海〉があれば、食べるのには困らないよね!僕のところは近くに海がない国だから、魚を売って暮らすのもいいな。
スキルで手に入れたものは、ちゃんと説明もしてくれるから、なんの魚だとか毒があるとか、そういうことも分かるしね!
だけどこのスキル、単純に海につながってたわけじゃなかった。
生命の海は思った通りの効果だったけど。
──時空の海、って、なんだろう?
階段を降りると、光る扉と灰色の扉。
灰色の扉を開いたら、そこは最近亡くなったばかりの、僕のお祖父さまのアイテムボックスの中だった。
アイテムボックスは持ち主が死ぬと、中に入れたものが取り出せなくなると聞いていたけれど……。ここにつながってたなんて!?
灰色の扉はすべて死んだ人のアイテムボックスにつながっている。階段を降りれば降りるほど、大昔に死んだ人のアイテムボックスにつながる扉に通じる。
そうだ!この力を使って、僕は古物商を始めよう!だけど、えっと……、伝説の武器だとか、ドラゴンの素材って……。
おまけに精霊の宿るアイテムって……。
なんでこんなものまで入ってるの!?
失われし伝説の武器を手にした者が次世代の勇者って……。ムリムリムリ!
そっとしておこう……。
仲間と協力しながら、商人として成り上がってみせる!
そう思っていたんだけど……。
どうやら僕のスキルが、勇者と聖女が現れる鍵を握っているらしくて?
そんな時、スキルが新たに進化する。
──情報の海って、なんなの!?
元婚約者も追いかけてきて、いったい僕、どうなっちゃうの?
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
異世界道中ゆめうつつ! 転生したら虚弱令嬢でした。チート能力なしでたのしい健康スローライフ!
マーニー
ファンタジー
※ほのぼの日常系です
病弱で閉鎖的な生活を送る、伯爵令嬢の美少女ニコル(10歳)。対して、亡くなった両親が残した借金地獄から抜け出すため、忙殺状態の限界社会人サラ(22歳)。
ある日、同日同時刻に、体力の限界で息を引き取った2人だったが、なんとサラはニコルの体に転生していたのだった。
「こういうときって、神様のチート能力とかあるんじゃないのぉ?涙」
異世界転生お約束の神様登場も特別スキルもなく、ただただ、不健康でひ弱な美少女に転生してしまったサラ。
「せっかく忙殺の日々から解放されたんだから…楽しむしかない。ぜっっったいにスローライフを満喫する!」
―――異世界と健康への不安が募りつつ
憧れのスローライフ実現のためまずは健康体になることを決意したが、果たしてどうなるのか?
魔法に魔物、お貴族様。
夢と現実の狭間のような日々の中で、
転生者サラが自身の夢を叶えるために
新ニコルとして我が道をつきすすむ!
『目指せ健康体!美味しいご飯と楽しい仲間たちと夢のスローライフを叶えていくお話』
※はじめは健康生活。そのうちお料理したり、旅に出たりもします。日常ほのぼの系です。
※非現実色強めな内容です。
※溺愛親バカと、あたおか要素があるのでご注意です。
冴えないおっさんが没落貴族に異世界転生~売れ残りの悪役令嬢を妻にめとって世界征服目指します~
masa
ファンタジー
冴えないおっさんが没落真っ最中の田舎貴族に転生して、売れ残っていたかわいそうな悪役令嬢を妻にめとり、愛と魔法の力で異世界征服を企てる成り上がりストーリー。
小説家になろう様でも掲載してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる