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第二章

第一部分

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(ここはどこですの?真っ暗で何も見えませんわ。)
(わたしは今いる場所はいったい?まるでブラックホールにでもいるようだ。)
 湖線と光葉は、自分の存在と居場所がまるでわからない様子である。
(その声は光葉さん?)
(そっちは湖線?)
(どうやら、姿は見えませんが、意思疎通はできるようですわね。そう言えば、さっき、副会長の中に吸い込まれてしまったような感覚がありましたわ。)
(うん。たしかに、副会長とひとつになったような気がしたよ。)
「湖線、ひどく邪魔。」
「そうだよぉ。勝手にひとの体に入ってくるんじゃないよぉ。」
(これはいったいどういうことですの?)
(わたしたち、どうしちゃったんだよ。)
「もう感覚的に、わかるはず。これ、悪魔合体。」
「あたしたち、悪魔とその使い魔が合体することをそう呼ぶじゃん。あんたたちは悪魔の一部となったじゃん。」
(悪魔合体?悪魔と合体なんて、そんなこと、有り得ませんわ!)
(悪魔のような下劣なものと同化するなんて、どうかしてるよ!)
「下らないこと、言うんじゃない。いっぺん死んでミルフィーユ?」
「厳しい現実を受け入れするのが、使い魔という下っ端のありようじゃん。」
(でもなんか、ほっとしますわ。競争から解放された気分ですわ。)
(強制された勉強をしなくていいのはいいかも。)
(でもひとつ気になることがありますわ。)
(わたしもそれを思っている。)
(べ、別に鰯司さんのことが心配だとか、そんなことはありませんわよ。)
(あたしもそうだよ。ただ、対決の最中だから、利用価値を鑑みているだけなんだよ。)
「言いたいこと、それだけか。」
「心配はいらないかもぉ。」
(それに、ワタクシはひとりでこうなったわけではありませんし。)
(たしかに、ライバルがそばにいることは日常を思い出させるきっかけにはなるな。)
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