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day 8 東雲海斗の備忘録
day 8 東雲海斗の備忘録
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俺は衝撃的なニュースを耳にした。あろうことか、俺の親友である志渡暁が、クラスメイトの新倉蓮を殺めてしまったというのだ。
冷や汗が止まらなかった。それは俺の近くにいた人が殺人鬼へと変貌したことに対する恐怖というより、俺には2人の関係性が何となく分かったからこそ何が起きたかを知らされなかったのが恐ろしかった。もちろんほとんどの事情を知らない学生たちはパニックになって、恐怖に慄いていた。学校は警察の事情聴取やらで一週間休校になった。はしゃぐ気持ちは微塵も湧かなかった。
俺は容疑者の志渡暁の親友枠ということで、休校期間中警察に話をするために学校へ向かった。警察から聞いた話はなかなかショッキングで、想像を絶するものだった。まず、志渡が新倉を殺した日に帰ってきた母親が発見したのは血塗れに変貌した知らない子供と、ナイフを握りしめて宙を見つめる我が子だったという。志渡は静かにお帰りと言って微笑んだ、母親ながらに恐怖で身がすくんだと志渡の母さんは話したという。
この話を聞いた後でかつての志渡がどうだったか、という質問をされたから俺は返答に困った。別に普通の、人気者で人望がある性格だと話すつもりだったが、この話を聞いて本当の志渡はどこにいるんだろう、どこまでが正気だったんだろうと考えざるを得なくなった。見かねて警察は俺の見たままの性格を話せばいいとフォローしてくれた。新倉についても少し触れてから俺は解放された。
あまりにも目まぐるしく出来事が起こりすぎている。新倉とは一回話したきりだから涙は出なかったが居た堪れない気持ちになった。何で志渡は新倉を殺したのか。逆に言えば新倉は志渡に殺されるようなことをしたのか。謎が多すぎて頭が痛かった。でもそう言えば、志渡は新倉とつるむようになって、でもそれを詳しく俺には言ってこなかった。だが俺は知っていたよ、お前らの距離感、目線それは恋人そのものだった。最初意識したのはどっちからだったのだろうか。おれは結局志渡の圧力にも負けて新倉へ発破をかけ、2人の気持ちを通じさせようと動いた。まさか俺がこの事件の発端だったりするんじゃ…いやいや。頭を振って行き詰まった思考回路を振り切る。ここでうだうだ言っても仕方ない。来週の土曜日、志渡との面会が許されている。色々なにか話そう。次の土曜がもう待ち遠しくて堪らなかった。
冷や汗が止まらなかった。それは俺の近くにいた人が殺人鬼へと変貌したことに対する恐怖というより、俺には2人の関係性が何となく分かったからこそ何が起きたかを知らされなかったのが恐ろしかった。もちろんほとんどの事情を知らない学生たちはパニックになって、恐怖に慄いていた。学校は警察の事情聴取やらで一週間休校になった。はしゃぐ気持ちは微塵も湧かなかった。
俺は容疑者の志渡暁の親友枠ということで、休校期間中警察に話をするために学校へ向かった。警察から聞いた話はなかなかショッキングで、想像を絶するものだった。まず、志渡が新倉を殺した日に帰ってきた母親が発見したのは血塗れに変貌した知らない子供と、ナイフを握りしめて宙を見つめる我が子だったという。志渡は静かにお帰りと言って微笑んだ、母親ながらに恐怖で身がすくんだと志渡の母さんは話したという。
この話を聞いた後でかつての志渡がどうだったか、という質問をされたから俺は返答に困った。別に普通の、人気者で人望がある性格だと話すつもりだったが、この話を聞いて本当の志渡はどこにいるんだろう、どこまでが正気だったんだろうと考えざるを得なくなった。見かねて警察は俺の見たままの性格を話せばいいとフォローしてくれた。新倉についても少し触れてから俺は解放された。
あまりにも目まぐるしく出来事が起こりすぎている。新倉とは一回話したきりだから涙は出なかったが居た堪れない気持ちになった。何で志渡は新倉を殺したのか。逆に言えば新倉は志渡に殺されるようなことをしたのか。謎が多すぎて頭が痛かった。でもそう言えば、志渡は新倉とつるむようになって、でもそれを詳しく俺には言ってこなかった。だが俺は知っていたよ、お前らの距離感、目線それは恋人そのものだった。最初意識したのはどっちからだったのだろうか。おれは結局志渡の圧力にも負けて新倉へ発破をかけ、2人の気持ちを通じさせようと動いた。まさか俺がこの事件の発端だったりするんじゃ…いやいや。頭を振って行き詰まった思考回路を振り切る。ここでうだうだ言っても仕方ない。来週の土曜日、志渡との面会が許されている。色々なにか話そう。次の土曜がもう待ち遠しくて堪らなかった。
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