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Track6 チューンアップ
Song.57 スマートフォンと共に
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放課後の物理室に、全員が揃う。機材を準備して音出し、練習、そして休憩をはさむ。
その休憩中に楽器を抱えたまま、各々スマートフォンをジッと見る。
それで見ているのは『バンフェス』の公式サイト。事前に公式サイトで最終選考通過者を今日の十七時に発表するっていう知らせがあったからだ。
黒板の上にある時計は、十六時五十五分。
予定時間になる前にサイトを開いておいて、時間になったらページを更新するっていう算段だ。
この前は発表が日中だったから、鋼太郎と一緒に結果を見ていたが、今回はちょうど部活が始まっている時間。だったら全員で見ることにしようという大輝の提案に乗った。
みんなで確認するほうが方が心強い。結果が出るまで俺の胃がキリキリ痛んでいるけど、一人よりかは随分ましだ。
「サーバー落ちるとかないの、これ」
悠真が時間を一度確認して、まだ余裕があるとわかるとスマートフォンを傍にある机に置いて言う。
「いけんじゃね? 流石にここまで時間ぴったり結果を知りたいって思うのは、参加している奴らだけだろ? 何百人が一斉にアクセスって訳ではなさそうだし」
そう答えたら、どこか納得したような顔をして椅子に腰かけた。
腱鞘炎の診断を受けた悠真は、結果が出る今日から部活に復帰した。休み休み練習をしないと、余計に手を痛めるから今の結果待ちの時間はちょうどいいと思う。
「それよりさ。そこのヘタレをどうにかしてくんない? 見ていて気持ち悪い」
そう言いながら悠真が指をさしたのは、瑞樹の背中にくっついている大輝。
座りながらギターを抱える瑞樹の肩越しに、瑞樹のスマートフォンを覗き込んでいる。
「だって! 俺のせいで落ちてたらって思ったらさ、見れないじゃん! でも見たいじゃん。知りたいじゃん」
「大輝先輩……大丈夫ですよ、きっと。僕たちなら。先輩の声、素敵でしたもん」
「うっ……みっちゃぁぁぁん。みっちゃん大好きぃぃ!」
「あはは」
大輝は泣きそうな声――もはや泣いているが――を上げて、瑞樹に抱き付いた。そんなことをされても、瑞樹はニコニコを笑顔を浮かべている。その顔は、決して嫌という訳ではなさそうである。
意外と大輝のメンタルは強くはなかったから、どうなるかと思ったけど、うちにはメンタルが比較的強い奴らがいて助かった。瑞樹も文化祭の時からどこか吹っ切れたみたいに、サウンドも動きも激しくなっている。
それがまたバンドに、そして曲にプラスに働いている。
「だ、そうだ」
「はぁ……、大輝も問題児だけど、君も君だよね。なんで、そっちはそっちでくっついているわけ?」
「あ?」
ため息をついた悠真が、今度は俺を指さす。
「なんでってそりゃ……スマホがねぇから。あ、どら焼きみっけ。いただきまーす」
「ったく……なんで野崎はいつもスマホ持ってこねぇんだよ。あと、俺のバッグから食い物を探すな」
「んなこといっられ、持ってきてねぇし。あ、粒あんだった」
俺のスマートフォンは多分家にある。ここ最近はあんまり見かけていないから、多分なんだけど。
ないなら人の画面を見ればいい。瑞樹は大輝にくっつかれているから、位置的に近いドラムの鋼太郎の背後へと、ベースを置いて移動。そしてそこから鋼太郎のスマートフォンを見ている状態だ。
移動していたときにドラムセットのすぐ横にあった鋼太郎のバッグから、『かたや』の文字入りの紙袋が見えていた。それが偶然にも落ちて、中に入っていた和菓子が出てきたから拾って食べる。
かたやの菓子は、また美味しいんだ。
部活の時とか、休み時間とか。俺は鋼太郎の家のあまりものをしょっちゅう食べているから、最近ちょっと体重増えてきている。
「このバンドは馬鹿二人が問題児……」
「馬鹿とは何だ馬鹿とは。この前のテストは赤点とってねェぞ」
「俺も俺もー! しかもキョウちゃんより俺の方が順位よかったもんね!」
「いいって言っても、五点だけだろ! 変わんねぇよ、そんなの!」
「五点でも俺の方が上だったじゃんか!」
「二人は団栗の背比べだろ。それよりも、そろそろ時間だぞ?」
鋼太郎がそう言えば、俺と大輝はすぐに黙る。
そしてそれぞれの前にいる人が持つスマートフォンを覗く。
一人フリーになっていた悠真も、再びスマートフォンを手に取って画面をジッと見た。
画面上部に表示された時間が十七時になった途端、それぞれ指を動かして画面を更新する。
ぐるぐると回る更新アイコンがあらわれ、一瞬だけ画面が真っ白になる。だけどアドレスバーの下の青いラインが左から右に伸びれば、バンフェスのホームページ上部に『第三次選考結果はコチラ』というボタンが表示された。
それを鋼太郎はすぐに押し、次のページが開かれるのを待つ。
少しだけアクセスが集中しているからなのか、ちゃんと表示されるのに時間がかかった。
ここにいる全員、とは言っても三人のスマートフォンだけだが、みんなサイトを見るのに時間がかかっているようで、先に結果を口にする人はいない。
じわじわと結果が記されページを見ることができるようになったところで、鋼太郎は画面をスクロールする。
自分たちのバンドが通過しているのか。
俺は満足する演奏ができた。だけど、絶対通過しているという自信はない。
緊張で心臓がうるさい。
『第三次選考結果発表』
その文字の下に短いあいさつ文が書かれている。そしてそのさらに下――
「あった! あった! 俺ら残った!」
「うぐっ、大輝先輩……くるじい……」
大輝の声を聞くのと同時に、俺もちゃんと画面を確認した。
通過者リストの中に俺たち――Walkerの名前があることを。
「うっしゃぁ!」
鋼太郎とハイタッチをかわす。
そのあと、驚いたような顔をして動きが止まっていた悠真にも手の平を見せれば、安心したような笑顔を作りながらハイタッチしてくれた。
「やるじゃん、大輝」
「ははっ! みんなのおかげだな!」
「まあな」
イエーイとピースを作る大輝。
「やったね、キョウちゃん」
「ああ。やっとあいつらに見せられる……!」
「そうだね。見てもらうためにも。僕の先生に笑われないためにも、もっと僕も練習するよ」
「あー、あの赤髪かー……そういえば、こっちに来てたときは一緒に練習してたな。でもまぁ、ぶっ倒れねぇぐらいにしとけよ」
「ふふふ。そうだね」
過去の記憶を掘り起こして、瑞樹の先生が誰なのかを思い出した。
最初は俺が瑞樹にギターを教えたけど、あまりにも俺の教え方が理解しにくいからと独学で練習して、そのあとはちょこちょこと赤髪――神谷《かみや》に教えてもらってたんだったな。
あの人、ギターはめちゃくちゃうまいから親父の作ったむちゃくちゃ難しいフレーズも難なく弾いてるんだよな。
瑞樹のライブパフォーマンスは、あの人由来か。
「ていうか、先生って呼んでんの?」
「うん。もしくはお兄さんって呼べって」
「うわ、ないわー……」
いい年して自分のことを「お兄さん」呼びさせようとするやつの気が知れない。
かなり引いた顔をすれば、瑞樹は苦笑いを返した。
「はーい、みなさーん。そろそろ暗くなってきたので、片づけも開始……」
準備室から顔を出したのは、俺たちの顧問の先生。
にぎやかな俺たちを見て、きょとんとした顔をしている。
「せんせっ! 俺ら選考通った! 次はでかいステージっしょ!? なんか連絡来てないの?」
「なんと!? そうなのですね! おめでとうございます! この後メールの方を確認しますね。その間に皆さんは片づけに入ってください。終わったらまた声をかけてください」
「はーい」
残る選考は最終段階のみ。
ライブハウスよりもずっと広いステージに、俺たちが立つ。
憧れだった親父が立ったステージに。
俺らの曲で何かが変わるはず。
ずっと変えたかったあいつも、きっと――。
その休憩中に楽器を抱えたまま、各々スマートフォンをジッと見る。
それで見ているのは『バンフェス』の公式サイト。事前に公式サイトで最終選考通過者を今日の十七時に発表するっていう知らせがあったからだ。
黒板の上にある時計は、十六時五十五分。
予定時間になる前にサイトを開いておいて、時間になったらページを更新するっていう算段だ。
この前は発表が日中だったから、鋼太郎と一緒に結果を見ていたが、今回はちょうど部活が始まっている時間。だったら全員で見ることにしようという大輝の提案に乗った。
みんなで確認するほうが方が心強い。結果が出るまで俺の胃がキリキリ痛んでいるけど、一人よりかは随分ましだ。
「サーバー落ちるとかないの、これ」
悠真が時間を一度確認して、まだ余裕があるとわかるとスマートフォンを傍にある机に置いて言う。
「いけんじゃね? 流石にここまで時間ぴったり結果を知りたいって思うのは、参加している奴らだけだろ? 何百人が一斉にアクセスって訳ではなさそうだし」
そう答えたら、どこか納得したような顔をして椅子に腰かけた。
腱鞘炎の診断を受けた悠真は、結果が出る今日から部活に復帰した。休み休み練習をしないと、余計に手を痛めるから今の結果待ちの時間はちょうどいいと思う。
「それよりさ。そこのヘタレをどうにかしてくんない? 見ていて気持ち悪い」
そう言いながら悠真が指をさしたのは、瑞樹の背中にくっついている大輝。
座りながらギターを抱える瑞樹の肩越しに、瑞樹のスマートフォンを覗き込んでいる。
「だって! 俺のせいで落ちてたらって思ったらさ、見れないじゃん! でも見たいじゃん。知りたいじゃん」
「大輝先輩……大丈夫ですよ、きっと。僕たちなら。先輩の声、素敵でしたもん」
「うっ……みっちゃぁぁぁん。みっちゃん大好きぃぃ!」
「あはは」
大輝は泣きそうな声――もはや泣いているが――を上げて、瑞樹に抱き付いた。そんなことをされても、瑞樹はニコニコを笑顔を浮かべている。その顔は、決して嫌という訳ではなさそうである。
意外と大輝のメンタルは強くはなかったから、どうなるかと思ったけど、うちにはメンタルが比較的強い奴らがいて助かった。瑞樹も文化祭の時からどこか吹っ切れたみたいに、サウンドも動きも激しくなっている。
それがまたバンドに、そして曲にプラスに働いている。
「だ、そうだ」
「はぁ……、大輝も問題児だけど、君も君だよね。なんで、そっちはそっちでくっついているわけ?」
「あ?」
ため息をついた悠真が、今度は俺を指さす。
「なんでってそりゃ……スマホがねぇから。あ、どら焼きみっけ。いただきまーす」
「ったく……なんで野崎はいつもスマホ持ってこねぇんだよ。あと、俺のバッグから食い物を探すな」
「んなこといっられ、持ってきてねぇし。あ、粒あんだった」
俺のスマートフォンは多分家にある。ここ最近はあんまり見かけていないから、多分なんだけど。
ないなら人の画面を見ればいい。瑞樹は大輝にくっつかれているから、位置的に近いドラムの鋼太郎の背後へと、ベースを置いて移動。そしてそこから鋼太郎のスマートフォンを見ている状態だ。
移動していたときにドラムセットのすぐ横にあった鋼太郎のバッグから、『かたや』の文字入りの紙袋が見えていた。それが偶然にも落ちて、中に入っていた和菓子が出てきたから拾って食べる。
かたやの菓子は、また美味しいんだ。
部活の時とか、休み時間とか。俺は鋼太郎の家のあまりものをしょっちゅう食べているから、最近ちょっと体重増えてきている。
「このバンドは馬鹿二人が問題児……」
「馬鹿とは何だ馬鹿とは。この前のテストは赤点とってねェぞ」
「俺も俺もー! しかもキョウちゃんより俺の方が順位よかったもんね!」
「いいって言っても、五点だけだろ! 変わんねぇよ、そんなの!」
「五点でも俺の方が上だったじゃんか!」
「二人は団栗の背比べだろ。それよりも、そろそろ時間だぞ?」
鋼太郎がそう言えば、俺と大輝はすぐに黙る。
そしてそれぞれの前にいる人が持つスマートフォンを覗く。
一人フリーになっていた悠真も、再びスマートフォンを手に取って画面をジッと見た。
画面上部に表示された時間が十七時になった途端、それぞれ指を動かして画面を更新する。
ぐるぐると回る更新アイコンがあらわれ、一瞬だけ画面が真っ白になる。だけどアドレスバーの下の青いラインが左から右に伸びれば、バンフェスのホームページ上部に『第三次選考結果はコチラ』というボタンが表示された。
それを鋼太郎はすぐに押し、次のページが開かれるのを待つ。
少しだけアクセスが集中しているからなのか、ちゃんと表示されるのに時間がかかった。
ここにいる全員、とは言っても三人のスマートフォンだけだが、みんなサイトを見るのに時間がかかっているようで、先に結果を口にする人はいない。
じわじわと結果が記されページを見ることができるようになったところで、鋼太郎は画面をスクロールする。
自分たちのバンドが通過しているのか。
俺は満足する演奏ができた。だけど、絶対通過しているという自信はない。
緊張で心臓がうるさい。
『第三次選考結果発表』
その文字の下に短いあいさつ文が書かれている。そしてそのさらに下――
「あった! あった! 俺ら残った!」
「うぐっ、大輝先輩……くるじい……」
大輝の声を聞くのと同時に、俺もちゃんと画面を確認した。
通過者リストの中に俺たち――Walkerの名前があることを。
「うっしゃぁ!」
鋼太郎とハイタッチをかわす。
そのあと、驚いたような顔をして動きが止まっていた悠真にも手の平を見せれば、安心したような笑顔を作りながらハイタッチしてくれた。
「やるじゃん、大輝」
「ははっ! みんなのおかげだな!」
「まあな」
イエーイとピースを作る大輝。
「やったね、キョウちゃん」
「ああ。やっとあいつらに見せられる……!」
「そうだね。見てもらうためにも。僕の先生に笑われないためにも、もっと僕も練習するよ」
「あー、あの赤髪かー……そういえば、こっちに来てたときは一緒に練習してたな。でもまぁ、ぶっ倒れねぇぐらいにしとけよ」
「ふふふ。そうだね」
過去の記憶を掘り起こして、瑞樹の先生が誰なのかを思い出した。
最初は俺が瑞樹にギターを教えたけど、あまりにも俺の教え方が理解しにくいからと独学で練習して、そのあとはちょこちょこと赤髪――神谷《かみや》に教えてもらってたんだったな。
あの人、ギターはめちゃくちゃうまいから親父の作ったむちゃくちゃ難しいフレーズも難なく弾いてるんだよな。
瑞樹のライブパフォーマンスは、あの人由来か。
「ていうか、先生って呼んでんの?」
「うん。もしくはお兄さんって呼べって」
「うわ、ないわー……」
いい年して自分のことを「お兄さん」呼びさせようとするやつの気が知れない。
かなり引いた顔をすれば、瑞樹は苦笑いを返した。
「はーい、みなさーん。そろそろ暗くなってきたので、片づけも開始……」
準備室から顔を出したのは、俺たちの顧問の先生。
にぎやかな俺たちを見て、きょとんとした顔をしている。
「せんせっ! 俺ら選考通った! 次はでかいステージっしょ!? なんか連絡来てないの?」
「なんと!? そうなのですね! おめでとうございます! この後メールの方を確認しますね。その間に皆さんは片づけに入ってください。終わったらまた声をかけてください」
「はーい」
残る選考は最終段階のみ。
ライブハウスよりもずっと広いステージに、俺たちが立つ。
憧れだった親父が立ったステージに。
俺らの曲で何かが変わるはず。
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