3 / 20
誰もいない公園 が舞台で『眼鏡』が出てくるトキメク話 (500字以内)
放浪とした心
しおりを挟む
視界を狭める癖に役に立たない眼鏡。それを地面へ叩きつけ、しゃがみこむ。
昼間、ここで賑やかにしていた子どもたちは、家で眠っている頃か。
もう、自分には何もない。
帰る場所も、心の拠り所も、全て。
明日、僅かに残る金で遠くに行く。
最期に景色を眺めて、死のうと思う。
しかし、本当に死ねるのだろうか。今でさえ涙が止まらない。なぜ、この心は生きようとするのだろう。
この顔の惨状すらどうしようもできない。服で拭うしかなかった。同時に嫌な記憶も蘇る。泣くことで何度も笑われた、あの記憶。
「いやだいやだいやだいやだ」
蹲り、声で思考を遮ろうにも無意味。頭がそれでいっぱいになる。もう叫ぶしかない。自分が何を発しているかも分からなくなった時、不意に頭へ何かが触れた。
途端に思考は停止した。
恐る恐る顔を上げると、犬を連れた女性がいた。
「どうしたんですか」
今にも泣き出しそうな、震えた声。
先程叩きつけた眼鏡を差し出していた。
何か言葉を発しなければ、そう考えているうちに、犬がフラッと歩き出す。
気がつけば、手は犬のリードを握っていた。
そこには、彼女の手も重なっていた。
昼間、ここで賑やかにしていた子どもたちは、家で眠っている頃か。
もう、自分には何もない。
帰る場所も、心の拠り所も、全て。
明日、僅かに残る金で遠くに行く。
最期に景色を眺めて、死のうと思う。
しかし、本当に死ねるのだろうか。今でさえ涙が止まらない。なぜ、この心は生きようとするのだろう。
この顔の惨状すらどうしようもできない。服で拭うしかなかった。同時に嫌な記憶も蘇る。泣くことで何度も笑われた、あの記憶。
「いやだいやだいやだいやだ」
蹲り、声で思考を遮ろうにも無意味。頭がそれでいっぱいになる。もう叫ぶしかない。自分が何を発しているかも分からなくなった時、不意に頭へ何かが触れた。
途端に思考は停止した。
恐る恐る顔を上げると、犬を連れた女性がいた。
「どうしたんですか」
今にも泣き出しそうな、震えた声。
先程叩きつけた眼鏡を差し出していた。
何か言葉を発しなければ、そう考えているうちに、犬がフラッと歩き出す。
気がつけば、手は犬のリードを握っていた。
そこには、彼女の手も重なっていた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる