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死亡フラグ回避するためには
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ウエールズ侯爵の発言があってか、今回はすぐには追い出されなかった。
以前は屋敷に戻るやいなや、皇太子殿下、その後ろの皇后様の怒りを買うのが怖い我が家はさっさと娘を切り捨て保身に走った。
グランリーズ王国の四大公爵家でも保身とかするんだ、と思って口に出したら、ティースプーン一杯ほども容量がないちっちゃい心の父親に怒られた。
母親は面倒事が嫌いで、花や絵画、刺繍を愛しているだけの人で、弟は嫡男だから、父親そっくりのちっちゃい男に成長中だ。妹だけは私を心配してくれて涙とともに両親に私を許し、どうぞ追放をやめてください、と訴えてくれた。
「いいのよ、マリアンヌ、皇太子殿下の言葉ですもの、どうにもならないわ。皇后様の後ろ盾があるんですから、どんな無茶でもまかり通るのが貴族社会ですから」
両親の愚痴から逃れて、ようやく自室へ辿り着き、さっさと荷造りでも、と大きめの鞄を取り出し、金目の物をまず入れる。ドレスやなんかもできるだけ持って行きたいところだ。貴族の令嬢が着るようなドレスの布はたいそう高価で売れるからだ。
私がもし本当に貴族の令嬢だけならきっとしくしくと泣くだけしか出来ないが、前世の記憶と今回はリリアン様のおかげで時間がある。皇太子からの正式な通達がいつ来るかは分からないけど、出来るだけ逃げてそれで死なない方向のエンドに持っていくぞ!
だから、私は大急ぎで部屋中のドレスを広げ、そしてメイドのナナを呼んだ。
ナナは私付きのメイドだけど、元が近所の子爵家の四女だ。姉がたくさんいるから子爵家にいても社交界に出られそうもないので自力で稼ぐ為にメイドになった。
メイドとはいえ、一応公爵家だ。礼儀作用や言葉遣いには厳しく、ましては私は皇太子と婚約していたので、そのお付きのメイドのナナはめっぽう有能だ。
「お呼びですか、お嬢様」
現れたナナは真夜中でもきちっと制服を着て、カラーもよれたりしていない。
「ナナ、夜分にすまないわね。あなたもパーティで目にした通り、皇太子殿下との婚約は破棄になり、私は近く追放になるでしょう。この屋敷からも出て行かねばなりません。ですから、明日の朝、オルエントを呼んで頂戴。これらを売り払って換金します」
「お嬢様」
とナナが言った。普段、あまり感情を表に出さないけど、少しばかり目を大きく開いた。
「あんなぼんくらな男に嫁がなくて良かったところですが、追放だなんてありえないでしょう」
「いいえ、追放は決定なの。だから少しでも準備しておきたいところなのよ」
ナナに何度もバッドエンドを繰り返しているなんて、説明しても理解出来ないだろう。、
けど今回もきっとそうなるように話は進むだろう。
「もちろんあんな父親でも少しの準備金は用意してくれるとは思うわ。でもたくさん持ってるにこしたことはないでしょ?」
「はい、かしこまりました。お嬢様、明日の朝一番に商人を呼んでおきますわ」
「お願いするわね。じゃあ、もうあなたも休みなさい」
「お嬢様はまだお休みにならないのですか?」
「私はもう少し、荷造りとかこの家を出たあとの事なんかを考えて旅の予定を立てるつもりだから」
私は机の引き出しから羊皮紙とペンをとり出し、こう書いた。
「エアリス・ゴールディ、死亡フラグ回避するためには」
以前は屋敷に戻るやいなや、皇太子殿下、その後ろの皇后様の怒りを買うのが怖い我が家はさっさと娘を切り捨て保身に走った。
グランリーズ王国の四大公爵家でも保身とかするんだ、と思って口に出したら、ティースプーン一杯ほども容量がないちっちゃい心の父親に怒られた。
母親は面倒事が嫌いで、花や絵画、刺繍を愛しているだけの人で、弟は嫡男だから、父親そっくりのちっちゃい男に成長中だ。妹だけは私を心配してくれて涙とともに両親に私を許し、どうぞ追放をやめてください、と訴えてくれた。
「いいのよ、マリアンヌ、皇太子殿下の言葉ですもの、どうにもならないわ。皇后様の後ろ盾があるんですから、どんな無茶でもまかり通るのが貴族社会ですから」
両親の愚痴から逃れて、ようやく自室へ辿り着き、さっさと荷造りでも、と大きめの鞄を取り出し、金目の物をまず入れる。ドレスやなんかもできるだけ持って行きたいところだ。貴族の令嬢が着るようなドレスの布はたいそう高価で売れるからだ。
私がもし本当に貴族の令嬢だけならきっとしくしくと泣くだけしか出来ないが、前世の記憶と今回はリリアン様のおかげで時間がある。皇太子からの正式な通達がいつ来るかは分からないけど、出来るだけ逃げてそれで死なない方向のエンドに持っていくぞ!
だから、私は大急ぎで部屋中のドレスを広げ、そしてメイドのナナを呼んだ。
ナナは私付きのメイドだけど、元が近所の子爵家の四女だ。姉がたくさんいるから子爵家にいても社交界に出られそうもないので自力で稼ぐ為にメイドになった。
メイドとはいえ、一応公爵家だ。礼儀作用や言葉遣いには厳しく、ましては私は皇太子と婚約していたので、そのお付きのメイドのナナはめっぽう有能だ。
「お呼びですか、お嬢様」
現れたナナは真夜中でもきちっと制服を着て、カラーもよれたりしていない。
「ナナ、夜分にすまないわね。あなたもパーティで目にした通り、皇太子殿下との婚約は破棄になり、私は近く追放になるでしょう。この屋敷からも出て行かねばなりません。ですから、明日の朝、オルエントを呼んで頂戴。これらを売り払って換金します」
「お嬢様」
とナナが言った。普段、あまり感情を表に出さないけど、少しばかり目を大きく開いた。
「あんなぼんくらな男に嫁がなくて良かったところですが、追放だなんてありえないでしょう」
「いいえ、追放は決定なの。だから少しでも準備しておきたいところなのよ」
ナナに何度もバッドエンドを繰り返しているなんて、説明しても理解出来ないだろう。、
けど今回もきっとそうなるように話は進むだろう。
「もちろんあんな父親でも少しの準備金は用意してくれるとは思うわ。でもたくさん持ってるにこしたことはないでしょ?」
「はい、かしこまりました。お嬢様、明日の朝一番に商人を呼んでおきますわ」
「お願いするわね。じゃあ、もうあなたも休みなさい」
「お嬢様はまだお休みにならないのですか?」
「私はもう少し、荷造りとかこの家を出たあとの事なんかを考えて旅の予定を立てるつもりだから」
私は机の引き出しから羊皮紙とペンをとり出し、こう書いた。
「エアリス・ゴールディ、死亡フラグ回避するためには」
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