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絶体絶命3
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「マリア!」
覚えのある声が飛び込んできたのであたしは全身の力が抜けた。
手のひらに爪が食い込むほど握りしめた拳が緩んだ。
と同時に全身の力が抜けた。
あまりに全身に力が入りすぎていたのか、しびれたように身体中がだるく重い。
「ヴィンセント様……」
カツカツカツと力強く駆け寄る足音。
一瞬、皇子の方へ気がそれ、次の瞬間にはフードを被った魔女の姿は煙のように消えていた。
薄暗い中で皇子の声がすぐ側に聞こえ、心配そうな顔が目の前に現れた。
「マリア!! 無事か!! 一体。どうした事だ!!」
次々に皇子の配下の騎士達が松明を手に走り込んで来た。
それで室内は明るく照らされ、部屋の様子が見て取れた。
城の地下らしかった。
あたしが入っていたのは石棺の一つだった。
他には古い荷物や木箱などが乱雑に積まれているだけの倉庫のような部屋だ。
ヴィンセント皇子はあたしの身体を抱き起こし、短剣で縛られた縄を切ってくれた。
「あざーす」
「マリア! 怪我は!?」
皇子は汗だくで、酷く焦ったような顔だった。
「あ、はは。大丈夫。何ともないっす。危機一髪で助かったぁ。あ、皇子、やっぱりリベルタは魔女……」
ぎゅうって。
ぎゅうって。
皇子に抱き締められて、あたしはセリフを最後まで言えなかった。
「一体、誰がこんな事を……」
あたしを抱き締める皇子の腕が震えている。
「ヴィンセント様……何故、ここが分かりましたの?」
「母上が……教えてくれた」
「は?」
あたしは周囲に視線を走らせた。
入り口のアーチの向こうに果梨奈先輩が半分、身体を隠すようにしているのが見えた。
「カリナ様が?」
あたしは石棺の中で立ち上がった。
気が抜けて、足下がふらつく。
それだけ全身が緊張していたんだろうな。
あの魔女がもう少し寡黙なタイプだったら、さっさと石棺の蓋を閉めてあたしを串刺しにしていただろう。
ヴィンセント皇子はいつかのようにあたしの身体を抱き上げた。
「ヴィンセント様!! だ、大丈夫ですわ」
「いいや、駄目だ」
ヴィンセント皇子はあたしを抱き上げ、そのままあたしの部屋まで運んでくれた。
覚えのある声が飛び込んできたのであたしは全身の力が抜けた。
手のひらに爪が食い込むほど握りしめた拳が緩んだ。
と同時に全身の力が抜けた。
あまりに全身に力が入りすぎていたのか、しびれたように身体中がだるく重い。
「ヴィンセント様……」
カツカツカツと力強く駆け寄る足音。
一瞬、皇子の方へ気がそれ、次の瞬間にはフードを被った魔女の姿は煙のように消えていた。
薄暗い中で皇子の声がすぐ側に聞こえ、心配そうな顔が目の前に現れた。
「マリア!! 無事か!! 一体。どうした事だ!!」
次々に皇子の配下の騎士達が松明を手に走り込んで来た。
それで室内は明るく照らされ、部屋の様子が見て取れた。
城の地下らしかった。
あたしが入っていたのは石棺の一つだった。
他には古い荷物や木箱などが乱雑に積まれているだけの倉庫のような部屋だ。
ヴィンセント皇子はあたしの身体を抱き起こし、短剣で縛られた縄を切ってくれた。
「あざーす」
「マリア! 怪我は!?」
皇子は汗だくで、酷く焦ったような顔だった。
「あ、はは。大丈夫。何ともないっす。危機一髪で助かったぁ。あ、皇子、やっぱりリベルタは魔女……」
ぎゅうって。
ぎゅうって。
皇子に抱き締められて、あたしはセリフを最後まで言えなかった。
「一体、誰がこんな事を……」
あたしを抱き締める皇子の腕が震えている。
「ヴィンセント様……何故、ここが分かりましたの?」
「母上が……教えてくれた」
「は?」
あたしは周囲に視線を走らせた。
入り口のアーチの向こうに果梨奈先輩が半分、身体を隠すようにしているのが見えた。
「カリナ様が?」
あたしは石棺の中で立ち上がった。
気が抜けて、足下がふらつく。
それだけ全身が緊張していたんだろうな。
あの魔女がもう少し寡黙なタイプだったら、さっさと石棺の蓋を閉めてあたしを串刺しにしていただろう。
ヴィンセント皇子はいつかのようにあたしの身体を抱き上げた。
「ヴィンセント様!! だ、大丈夫ですわ」
「いいや、駄目だ」
ヴィンセント皇子はあたしを抱き上げ、そのままあたしの部屋まで運んでくれた。
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