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四つの石
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その娘はサダに記憶を奪われ山中に捨てられたミラルカだった。ファラの事もアレゾの事も記憶からなくなっていたが、ジユダやナスの名前を聞くとなんとも言えない不快な気分がこみあげてくる。
「しかしここから一番近い医者のいる街といえばジユダの首都、ジュラの都だ」
「あんた達があたしの望みをかなえられないなら、あたしは下りる。この女がどうなろうと知らない。勝手に行けばいい」
ミラルカは冷たく言い切って、荷をまとめ始めた。
「待ってちょうだい。あんまりじゃないの。ここでほうり出すなんて、ひどいわ」
慌てたカータがミラルカを責めた。
「ひどいって? いい? 未熟者の魔法人さん。この世はもちつもたれつってもんだ。何かやってもらいたいなら、それなりの代償を払わなくちゃなんない。あんた達は確かに善人さ。だけどそれを人に押しつけんな」
ミラルカの言葉はひどくカ-タを傷つけたが彼女はきっとミラルカを見据えた。
「確かに私は未熟者だけど、病に臥せってる人を見殺しには出来ない。あなたのように自分の事しか考えない人は最低よ」
「そう、あたしは最低でけっこう。ここで凍えて小さくなっている以外にあんた達に出来る事があるならやってみれば?」
ミラルカは薬酒の壜も羊毛の毛布もレイラから取り上げてしまった。
元来、気は優しいほうなのだが、あの経験が本能をかっかさせ、魔法人につらくあたらせる。ひどく気が焦る。自分でも分からないほどいらいらし、出口のない迷路でうろうろしている気分だった。
ミラルカは外に出た。日が陰り寒さは増し、氷雪が渦をまいて彼女の行く手を阻んだ。 一歩雪の中に踏み込むたびに足は重く、見えない手がミラルカを押さえ付ける。
「何、これ。ちっとも進まないじゃない」
その時、ミラルカの胸の赤い石がいままでになく真っ赤に光り、彼女の体を包んだ。
「一体どうしたっていうの」
光りはミラルカの体を突き抜け、小屋の方へと走った。中からまた紫と濃紺、あざやかな翠色の光りが出て、四つの色は交差し益々美しい色彩となった。前には進めないが引き返す事は出来た。ミラルカが小屋の戸を開くと、カ-タもシドも目を丸くしてミラルカを見た。
「ちょっと、変な術を使うのはやめなよ」
「術など使ってはいない。これは石の意志により起こったのだ。四つの石がお互いを呼びあっているのだ」
「……?」
カ-タの胸から、シドの首輪から。レイラの指輪から、そしてミラルカの胸から。ミラルカが三人に近ずくごとに光りはどんど濃くなり、輝きは増した。小屋全体に光りが充満した頃四つの石からささやくような歌うような声が聞こえてきた。
「助けて、邪悪な者が動いている、臨める石は争いを好まない。七色の石を守って、ギルオン妖魔王に力を貸して」
響く声が終わるとともに光りは消え、小屋はまた元の暗い寒い小屋に戻った。
「そうだったのか」
シドは一人納得している。
「どうしたっていうの?」
カ-タはシドを揺さぶった。
「邪悪だとか、七色の石だとかって何の事?」
ミラルカも叫んだ。
「俺達が持っている石はレインボ-・スト-ンという七つの石のうちの四つなんだ。昔、聞いた事がある。七色の石は、臨める石の場所を指し示す。臨める石を手に入れた者は、ギルオン妖魔王様を支配しその絶大なる魔力を手に入れ、彼の配下の妖魔地帯の王となれる。それがどういうことか分かるか。あの恐るべき妖魔地帯を手中に治めるってことは全世界の王になるのと同じ事だ。娘さんどうした」
ミラルカの顔は色を失っていた。
両目は大きく見開かれ、熱におかされたように体は震えていた。
「ギルオン妖魔王……? サダ……魔法……ファラ……」
そう呟くとミラルカは気を失った。
「何かありそうだ。サダというのはもしかして追放者のサダ様の事? 彼はもう二百年も昔に私欲の為に偽りの予言をした門で追放されたんだ。何か恐ろし事が始まっているような気がするぞ」
とシドはその賢そうな漆黒の瞳で気を失っているミラルカを見た。
「じゃあ、やはり一刻も早くジユダ国へ行かなくちゃ!」
とカータも言った。
「ああ」
ミラルカはすぐに気がついた。
薬酒をカ-タに飲ませてもらい、やっと生気を取り戻した。
「娘さん、あんたも分かっただろう。やはり我々は一緒にジユダ国へ行かなくては。我らは離れられないのだ。石がそれを阻む。聞きたい。あんたはどんな経験をしたんだ。サダ魔法人に会ったのか。ファラとは一体何者なのだ」
ミラルカは痛む頭を振ってから、
「あたしの名はミラルカ。山賊アレゾの娘。あたしは相棒のファラとアレゾの隠し財宝を手に入れるため、レ-トの砂漠へ乗り込んだ。そこでジユダ国のダノンという王弟の一行に捕まった。奴らは財宝の中の七色の石を目指してきたらしい。オアシスの番人がサダという魔法人だった。奴は水晶玉の中のナスっていうばばあにたぶらかされ、ファラに自分の影を映して砂漠から出ていった。奴らは石を二つ手に入れたよ。黄色とオレンジ色の奴だ。ファラは砂漠に残され、あたしはおかしな術をかけられて、気がついたらこの山の中にいた」
と言った。完全に記憶は戻ったようだった。
聞き終えたシドは深い溜め息をついた。
「そうかナス様がそんな事を企んで」
「サダは随分、ロブというのを恨んでいたみたいで、ダノンが世界の王になった時に復讐してやると言ってたわ」
「それは大変だわ。早く伯爵様にお知らせしないと!」
「それよりも彼らから石を取り戻すのが先。彼らは何人いた?」
「ええと、ダノンだろ。それに……」
ミラルカはキースを思い出して赤面した。
彼の唇が今なお生々しく感じられて口を拭った。
「キースという騎士に、デニスってぇにやけた男、あと従者が二人」
がさっと音がして藁の中のレイラが動き、ミラルカにむかって何か言った。
「何??」
ミラルカは近ずいて口に耳を寄せてやった。
「デ、デニスって言ったの。それはどんな男」
「海賊だって。海神ポセラの息子とも言ってたわ。知り合い? 悪いけどいい男とは言えないような奴だったわ」
「デニス、悪事に手を染めたのね。彼は海賊だけど、そんな恐ろしい事をする人じゃなかったのよ」
「あんたの探している人って言うのがそのデニス?」
レイラはかすかに頷いて悲しげに笑った。
「踏んだり蹴ったりだわ」
そう言うとミラルカは立ち上がった。
「どこへ行くのか」
「あたしは誰がどんな事をしようが関係ないけど、ファラだけは助けたいし、あの王弟は絶対に許せない。旅に必要なものを調達してくるわ。どういうわけか荷物の中にお宝がたんまり入ってたし」
今度は何にも行く手をはばまれる事なく、ミラルカは外に出る事ができた。いつの間にか吹雪もやみ、微弱ながら太陽が姿を見せていた。ミラルカは馬に乗り、近くの村で馬につける幌のついた車と薬草、食糧に水、景気ずけの火酒も買った。ついでにその場で包帯をとり、屋台のおかみさんに薬草をはりかえてもらった。
「ひどい傷だね。これは残るかもしれない。医者には診てもらったのかい」
「いや、この辺りに医者がいるの?」
おかみさんはとんでもないというふうに首を振った。
「医者はおろか、薬だって手に入らないさ。この辺りは忘れられた村なのさ。昔、王様の弟かなんかが狩りにきた時に怪我をしてさ、随分ご立腹になって、それから後ここには物が入らなくなったのさ」
「ひどい話だ。全く自分の事しか考えてない男よ」
「おやまあ、まるで知り合いみたいに言うんだねえ」
おかみさんは笑った。
「おかみさん、そのうちここにも医者が来て暮らし良い村になるわよ」
「そうだといいんだがね」
不思議そうな顔のおかみさんに礼を言うと、ミラルカはまた小屋に引き返した。
「しかしここから一番近い医者のいる街といえばジユダの首都、ジュラの都だ」
「あんた達があたしの望みをかなえられないなら、あたしは下りる。この女がどうなろうと知らない。勝手に行けばいい」
ミラルカは冷たく言い切って、荷をまとめ始めた。
「待ってちょうだい。あんまりじゃないの。ここでほうり出すなんて、ひどいわ」
慌てたカータがミラルカを責めた。
「ひどいって? いい? 未熟者の魔法人さん。この世はもちつもたれつってもんだ。何かやってもらいたいなら、それなりの代償を払わなくちゃなんない。あんた達は確かに善人さ。だけどそれを人に押しつけんな」
ミラルカの言葉はひどくカ-タを傷つけたが彼女はきっとミラルカを見据えた。
「確かに私は未熟者だけど、病に臥せってる人を見殺しには出来ない。あなたのように自分の事しか考えない人は最低よ」
「そう、あたしは最低でけっこう。ここで凍えて小さくなっている以外にあんた達に出来る事があるならやってみれば?」
ミラルカは薬酒の壜も羊毛の毛布もレイラから取り上げてしまった。
元来、気は優しいほうなのだが、あの経験が本能をかっかさせ、魔法人につらくあたらせる。ひどく気が焦る。自分でも分からないほどいらいらし、出口のない迷路でうろうろしている気分だった。
ミラルカは外に出た。日が陰り寒さは増し、氷雪が渦をまいて彼女の行く手を阻んだ。 一歩雪の中に踏み込むたびに足は重く、見えない手がミラルカを押さえ付ける。
「何、これ。ちっとも進まないじゃない」
その時、ミラルカの胸の赤い石がいままでになく真っ赤に光り、彼女の体を包んだ。
「一体どうしたっていうの」
光りはミラルカの体を突き抜け、小屋の方へと走った。中からまた紫と濃紺、あざやかな翠色の光りが出て、四つの色は交差し益々美しい色彩となった。前には進めないが引き返す事は出来た。ミラルカが小屋の戸を開くと、カ-タもシドも目を丸くしてミラルカを見た。
「ちょっと、変な術を使うのはやめなよ」
「術など使ってはいない。これは石の意志により起こったのだ。四つの石がお互いを呼びあっているのだ」
「……?」
カ-タの胸から、シドの首輪から。レイラの指輪から、そしてミラルカの胸から。ミラルカが三人に近ずくごとに光りはどんど濃くなり、輝きは増した。小屋全体に光りが充満した頃四つの石からささやくような歌うような声が聞こえてきた。
「助けて、邪悪な者が動いている、臨める石は争いを好まない。七色の石を守って、ギルオン妖魔王に力を貸して」
響く声が終わるとともに光りは消え、小屋はまた元の暗い寒い小屋に戻った。
「そうだったのか」
シドは一人納得している。
「どうしたっていうの?」
カ-タはシドを揺さぶった。
「邪悪だとか、七色の石だとかって何の事?」
ミラルカも叫んだ。
「俺達が持っている石はレインボ-・スト-ンという七つの石のうちの四つなんだ。昔、聞いた事がある。七色の石は、臨める石の場所を指し示す。臨める石を手に入れた者は、ギルオン妖魔王様を支配しその絶大なる魔力を手に入れ、彼の配下の妖魔地帯の王となれる。それがどういうことか分かるか。あの恐るべき妖魔地帯を手中に治めるってことは全世界の王になるのと同じ事だ。娘さんどうした」
ミラルカの顔は色を失っていた。
両目は大きく見開かれ、熱におかされたように体は震えていた。
「ギルオン妖魔王……? サダ……魔法……ファラ……」
そう呟くとミラルカは気を失った。
「何かありそうだ。サダというのはもしかして追放者のサダ様の事? 彼はもう二百年も昔に私欲の為に偽りの予言をした門で追放されたんだ。何か恐ろし事が始まっているような気がするぞ」
とシドはその賢そうな漆黒の瞳で気を失っているミラルカを見た。
「じゃあ、やはり一刻も早くジユダ国へ行かなくちゃ!」
とカータも言った。
「ああ」
ミラルカはすぐに気がついた。
薬酒をカ-タに飲ませてもらい、やっと生気を取り戻した。
「娘さん、あんたも分かっただろう。やはり我々は一緒にジユダ国へ行かなくては。我らは離れられないのだ。石がそれを阻む。聞きたい。あんたはどんな経験をしたんだ。サダ魔法人に会ったのか。ファラとは一体何者なのだ」
ミラルカは痛む頭を振ってから、
「あたしの名はミラルカ。山賊アレゾの娘。あたしは相棒のファラとアレゾの隠し財宝を手に入れるため、レ-トの砂漠へ乗り込んだ。そこでジユダ国のダノンという王弟の一行に捕まった。奴らは財宝の中の七色の石を目指してきたらしい。オアシスの番人がサダという魔法人だった。奴は水晶玉の中のナスっていうばばあにたぶらかされ、ファラに自分の影を映して砂漠から出ていった。奴らは石を二つ手に入れたよ。黄色とオレンジ色の奴だ。ファラは砂漠に残され、あたしはおかしな術をかけられて、気がついたらこの山の中にいた」
と言った。完全に記憶は戻ったようだった。
聞き終えたシドは深い溜め息をついた。
「そうかナス様がそんな事を企んで」
「サダは随分、ロブというのを恨んでいたみたいで、ダノンが世界の王になった時に復讐してやると言ってたわ」
「それは大変だわ。早く伯爵様にお知らせしないと!」
「それよりも彼らから石を取り戻すのが先。彼らは何人いた?」
「ええと、ダノンだろ。それに……」
ミラルカはキースを思い出して赤面した。
彼の唇が今なお生々しく感じられて口を拭った。
「キースという騎士に、デニスってぇにやけた男、あと従者が二人」
がさっと音がして藁の中のレイラが動き、ミラルカにむかって何か言った。
「何??」
ミラルカは近ずいて口に耳を寄せてやった。
「デ、デニスって言ったの。それはどんな男」
「海賊だって。海神ポセラの息子とも言ってたわ。知り合い? 悪いけどいい男とは言えないような奴だったわ」
「デニス、悪事に手を染めたのね。彼は海賊だけど、そんな恐ろしい事をする人じゃなかったのよ」
「あんたの探している人って言うのがそのデニス?」
レイラはかすかに頷いて悲しげに笑った。
「踏んだり蹴ったりだわ」
そう言うとミラルカは立ち上がった。
「どこへ行くのか」
「あたしは誰がどんな事をしようが関係ないけど、ファラだけは助けたいし、あの王弟は絶対に許せない。旅に必要なものを調達してくるわ。どういうわけか荷物の中にお宝がたんまり入ってたし」
今度は何にも行く手をはばまれる事なく、ミラルカは外に出る事ができた。いつの間にか吹雪もやみ、微弱ながら太陽が姿を見せていた。ミラルカは馬に乗り、近くの村で馬につける幌のついた車と薬草、食糧に水、景気ずけの火酒も買った。ついでにその場で包帯をとり、屋台のおかみさんに薬草をはりかえてもらった。
「ひどい傷だね。これは残るかもしれない。医者には診てもらったのかい」
「いや、この辺りに医者がいるの?」
おかみさんはとんでもないというふうに首を振った。
「医者はおろか、薬だって手に入らないさ。この辺りは忘れられた村なのさ。昔、王様の弟かなんかが狩りにきた時に怪我をしてさ、随分ご立腹になって、それから後ここには物が入らなくなったのさ」
「ひどい話だ。全く自分の事しか考えてない男よ」
「おやまあ、まるで知り合いみたいに言うんだねえ」
おかみさんは笑った。
「おかみさん、そのうちここにも医者が来て暮らし良い村になるわよ」
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