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俺のユイちゃん
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ぼろぼろな俺はぼろぼろの錆びたTWに乗って自分の部屋にたどり着いた。何年かぶりのような気もするし、だが景色は少しも変わっていない。ただ、隣の美香子さんだけがいなくなった。それだけの事だ。
疲れて一刻も早く布団に潜り込みたかった。龍司の世界からずっとバイクに乗り続けだったので、体中が痛い。腹も減ったし、風呂にはいりたい。そんな事を考えながら俺はアパートの階段をよろよろと上った。
「斉藤君」
と声がしたので、顔をあげると相原女王が部屋の前に立っていた。
「女王、何? 何か用?」
俺はちょっとばかり警戒したような声をだした。
何だ? 女王が何で俺の部屋を知ってるんだ?
この間、一緒にコーヒーを飲んだくらいだぞ。
「しばらく休んでたからどうしたのかと思って、これ、ノート、よかったら」
と女王が言って紙袋を差し出した。
「ああ、ありがとう、助かる。まじで」
俺は紙袋を受け取って中を覗いた。真面目で優秀な女王のノートは本当に助かる。
分厚いノートが何冊か入っていた。一冊取りだしてパラパラとめくろうとして表紙に書いてある名前に目がいった。黒い太いマジックで書いてある。
「女王……いや、相原さんの名前……これなんて読むの?」
「え? 優しいに衣って書いたら普通はユイって読むでしょう」
「ユイって言うんだ……」
「どうしたの? 何か変?」
「いや、な、なんでもない。いい名前だなと思ってさ」
「そう? ありがとう」
女王は嬉しそうに照れくさそうに笑った。
「ノートのお礼にさ、飯でも行かない?」
と俺が言うと、
「いいけど、斉藤君、なんだか汚れてるわね」
と女王は眉をしかめて俺を見た。
「あ、すぐ、すぐ、着替える。ちょっと待って、すぐだから」
あたふたと部屋のドアを開けて中に飛び込む。
何てこった、こんな急にユイちゃんと出会うなんて。
「お待たせ、行こうか」
急いで着替えて部屋をでると、俺のユイちゃんは笑顔で俺を待っていた。
もう夕暮れで、少し肌寒い。
いよいよ冬だ。寒くてひとりぼっちの冬はよく知ってる。
だけど今年の冬は何だかこれまでとは違う冬になりそうな嬉しい予感がした。
了
疲れて一刻も早く布団に潜り込みたかった。龍司の世界からずっとバイクに乗り続けだったので、体中が痛い。腹も減ったし、風呂にはいりたい。そんな事を考えながら俺はアパートの階段をよろよろと上った。
「斉藤君」
と声がしたので、顔をあげると相原女王が部屋の前に立っていた。
「女王、何? 何か用?」
俺はちょっとばかり警戒したような声をだした。
何だ? 女王が何で俺の部屋を知ってるんだ?
この間、一緒にコーヒーを飲んだくらいだぞ。
「しばらく休んでたからどうしたのかと思って、これ、ノート、よかったら」
と女王が言って紙袋を差し出した。
「ああ、ありがとう、助かる。まじで」
俺は紙袋を受け取って中を覗いた。真面目で優秀な女王のノートは本当に助かる。
分厚いノートが何冊か入っていた。一冊取りだしてパラパラとめくろうとして表紙に書いてある名前に目がいった。黒い太いマジックで書いてある。
「女王……いや、相原さんの名前……これなんて読むの?」
「え? 優しいに衣って書いたら普通はユイって読むでしょう」
「ユイって言うんだ……」
「どうしたの? 何か変?」
「いや、な、なんでもない。いい名前だなと思ってさ」
「そう? ありがとう」
女王は嬉しそうに照れくさそうに笑った。
「ノートのお礼にさ、飯でも行かない?」
と俺が言うと、
「いいけど、斉藤君、なんだか汚れてるわね」
と女王は眉をしかめて俺を見た。
「あ、すぐ、すぐ、着替える。ちょっと待って、すぐだから」
あたふたと部屋のドアを開けて中に飛び込む。
何てこった、こんな急にユイちゃんと出会うなんて。
「お待たせ、行こうか」
急いで着替えて部屋をでると、俺のユイちゃんは笑顔で俺を待っていた。
もう夕暮れで、少し肌寒い。
いよいよ冬だ。寒くてひとりぼっちの冬はよく知ってる。
だけど今年の冬は何だかこれまでとは違う冬になりそうな嬉しい予感がした。
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アナザーオレがすごすぎて
ひぃーーっとなるのですが
着地点がステキでした
(´∀`*)
ありがとうございます〜((o(。>ω<。)o))
好きな作品なんで、読んでいただいて嬉しいです!
猫又のアナザーオレ、どこかにいたら会いたいです〜😀