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四神降臨
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「桜子、もう一度、俺に続いて言うんだ、黒凱、白露、二神、朱雀となりて、南方の門を護れ。何人たりとも朱雀の門を破らせる事を禁ずる。『黒凱、白露、二神、朱雀となりて、南方の門を護れ。何人たりとも朱雀の門を破らせる事を禁ずる』」
黒凱と白露と呼ばれた巨大な黒い鳥と白い鳥は顔を見合わせてから、ひときわ高い声で啼いた。
空高く飛び上がり、ひらひらと舞い降りてくるその間に身体が重なり合う。
次に桜子の前に現れたその姿は素晴らしく美しい鳳凰だった。
それは酷く攻撃的な目をした朱雀神だった。
次に赤狼は、
「銀猫、黄虎」と呼んだ。
すぐに黄虎が側に寄り、銀猫がその頭の上に飛び乗った。
「二神、白虎となりて、西方の門を護れ。何人たりとも白虎の門を破らせる事を禁ずる。『二神、白虎となりて、西方の門を護れ。何人たりとも白虎の門を破らせる事を禁ずる』」
銀猫が「にゃお」とないて、黄虎が「グルグル」と喉を鳴らした。
銀猫が黄虎の頭をとんと叩くとふわっとした光が現れ、二神を包みその中から逞しい白虎神が現れた。
「水蛇、紫亀、二神は玄武となりて、北方の門を護れ。何人たりとも玄武の門を破らせる事を禁ずる。『水蛇、紫亀、二神は玄武となりて、北方の門を護れ。何人たりとも玄武の門を破らせる事を禁ずる」
「やれやれ、やーっとお呼びでっか」
どどん!と紫色の大きな亀が北門より飛んできた。
「紫亀先生。お願いします」
と桜子が言うと、
「へいへい。水蛇、いきまひょか」
と答えた。
「しょうがないにょん」
水蛇は紫亀の背中に移動して巻き付いた。
二神は玄武神となって他の二神同様に神々しい光を発した。
「青帝! 青竜大公! ご足労だが頼む!」
暗黒の空に浮かぶ巨大な青い竜が赤狼を見下ろした。
「お呼びか?」
「青帝大公、東方の門を護れ。何人たりとも青龍の門を破らせる事を禁ずる」
『青帝大公、東方の門を護れ。何人たりとも青龍の門を破らせる事を禁ずる』
と桜子が赤狼の言葉を復唱すると青帝が、
「例えば?」
と問う。
桜子はどぎまぎして赤狼の顔を見上げた。
「例えば、同族、土御門十二神、一の位でもだ! 桜子、大きな声で「四神開眼!」と叫べ」
「四神開眼!!」
桜子は夜の空に向かって大きな声で叫んだ。
朱雀神、白虎神、玄武神、青竜神が、
「我々は四神となりて四方より土御門の四門を護る」
と言い、シュっと光の筋を残してその場から四方へ飛散した。
黒凱と白露と呼ばれた巨大な黒い鳥と白い鳥は顔を見合わせてから、ひときわ高い声で啼いた。
空高く飛び上がり、ひらひらと舞い降りてくるその間に身体が重なり合う。
次に桜子の前に現れたその姿は素晴らしく美しい鳳凰だった。
それは酷く攻撃的な目をした朱雀神だった。
次に赤狼は、
「銀猫、黄虎」と呼んだ。
すぐに黄虎が側に寄り、銀猫がその頭の上に飛び乗った。
「二神、白虎となりて、西方の門を護れ。何人たりとも白虎の門を破らせる事を禁ずる。『二神、白虎となりて、西方の門を護れ。何人たりとも白虎の門を破らせる事を禁ずる』」
銀猫が「にゃお」とないて、黄虎が「グルグル」と喉を鳴らした。
銀猫が黄虎の頭をとんと叩くとふわっとした光が現れ、二神を包みその中から逞しい白虎神が現れた。
「水蛇、紫亀、二神は玄武となりて、北方の門を護れ。何人たりとも玄武の門を破らせる事を禁ずる。『水蛇、紫亀、二神は玄武となりて、北方の門を護れ。何人たりとも玄武の門を破らせる事を禁ずる」
「やれやれ、やーっとお呼びでっか」
どどん!と紫色の大きな亀が北門より飛んできた。
「紫亀先生。お願いします」
と桜子が言うと、
「へいへい。水蛇、いきまひょか」
と答えた。
「しょうがないにょん」
水蛇は紫亀の背中に移動して巻き付いた。
二神は玄武神となって他の二神同様に神々しい光を発した。
「青帝! 青竜大公! ご足労だが頼む!」
暗黒の空に浮かぶ巨大な青い竜が赤狼を見下ろした。
「お呼びか?」
「青帝大公、東方の門を護れ。何人たりとも青龍の門を破らせる事を禁ずる」
『青帝大公、東方の門を護れ。何人たりとも青龍の門を破らせる事を禁ずる』
と桜子が赤狼の言葉を復唱すると青帝が、
「例えば?」
と問う。
桜子はどぎまぎして赤狼の顔を見上げた。
「例えば、同族、土御門十二神、一の位でもだ! 桜子、大きな声で「四神開眼!」と叫べ」
「四神開眼!!」
桜子は夜の空に向かって大きな声で叫んだ。
朱雀神、白虎神、玄武神、青竜神が、
「我々は四神となりて四方より土御門の四門を護る」
と言い、シュっと光の筋を残してその場から四方へ飛散した。
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お読みいただき、ありがとうございます。
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それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
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