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睡眠不足に効く薬毒2
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「まあまあ、ハナも他所様のうちの事をあれこれ言うんじゃない。すまねぇな。これは夢見の薬毒と言って、よーく、眠れる薬だから、一つずつ持って帰って試してみなよ。奥さん、あんたも、そうかっかせずに、ゆっくり眠ってみたらいい」
とハヤテが夢見の薬毒を二包みカウンターの上に置いた。
老婆はそれをありがたそうに受け取ってから立ち上がった。
「お騒がせしてごめんなさいね。ありがとう」
そう言って老婆は店を出た。
女が慌てたように後を追うが、出て行く時にハヤテとハナを睨みつけてドアをバタン!と乱暴に閉めて行った。
「やれやれ、乱暴な人間だな」
とハヤテが言って笑った。
その夜、老婆は先に亡くなった老夫に会えて幸せな時間を過ごしたが、女の方は身体中を何百という毒蜘蛛が這い回り、足先から生きたままポリポリと食べられる夢を見た。
「ひいいいいいいい」
追い払っても追い払っても無数の蜘蛛が這い上がってくる。
身体中を噛みつかれて、痛く、痒い。
「痛い……タスケテ……」
毛がびっしりと生えている蜘蛛の足が何本も口の中、目の中、鼻の穴へと侵入してくる。
「いやぁああああああ……」
気が狂ったようにもがき続ける女の頭元に二つの影が立つ。
女は毒に冒され、身体中が風船のように膨らんで変色していた。
「どうする?」
「これだけ毒を注入されりゃもう助からない。立派な毒人間だ。いい材料になるとタロウさんが喜んで高く買ってくれるだろう」
「じゃ、ドゥ。運んで」
金色と赤色の二体の鬼の足下にいた黒猫がぐわっと口を開けて、毒人間を飲み込んだ。
とハヤテが夢見の薬毒を二包みカウンターの上に置いた。
老婆はそれをありがたそうに受け取ってから立ち上がった。
「お騒がせしてごめんなさいね。ありがとう」
そう言って老婆は店を出た。
女が慌てたように後を追うが、出て行く時にハヤテとハナを睨みつけてドアをバタン!と乱暴に閉めて行った。
「やれやれ、乱暴な人間だな」
とハヤテが言って笑った。
その夜、老婆は先に亡くなった老夫に会えて幸せな時間を過ごしたが、女の方は身体中を何百という毒蜘蛛が這い回り、足先から生きたままポリポリと食べられる夢を見た。
「ひいいいいいいい」
追い払っても追い払っても無数の蜘蛛が這い上がってくる。
身体中を噛みつかれて、痛く、痒い。
「痛い……タスケテ……」
毛がびっしりと生えている蜘蛛の足が何本も口の中、目の中、鼻の穴へと侵入してくる。
「いやぁああああああ……」
気が狂ったようにもがき続ける女の頭元に二つの影が立つ。
女は毒に冒され、身体中が風船のように膨らんで変色していた。
「どうする?」
「これだけ毒を注入されりゃもう助からない。立派な毒人間だ。いい材料になるとタロウさんが喜んで高く買ってくれるだろう」
「じゃ、ドゥ。運んで」
金色と赤色の二体の鬼の足下にいた黒猫がぐわっと口を開けて、毒人間を飲み込んだ。
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