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幼馴染達と……
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「とまぁ、そういう出来事が昨日あってな? どう思う? それに時々、ポテトの量がいつもより多かったりするんだよ。これ、俺に気があるんじゃね? って思ったりなんかしちゃったりしなかったりして寝不足なんだけどどうすんだゴラァ!?」
翌朝、俺を迎えに来た幼馴染に昨日の事を話してみた。理不尽? 知らん。コイツ相手に気をつかってられるかよ。
「ウダウダ悩んでないで好きなら告白でもすればいい。OKなら気があった。NOなら微塵もお前に気が無かった。それだけだろ?」
「簡単に言うねぇ!? お前みたいに出来れば誰も苦労しねぇっての!」
俺に対してなんの慈悲もない言葉をかけるコイツの名前は蓮川《はすかわ》遥《はるか》。生まれた時からの幼馴染。長身長で短髪の黒縁メガネな爽やかイケメン。女みたいな名前なのに、なんでコイツは男なんだ……。
幼馴染は女の子が良かった。しかも可愛くて胸が大きくて文句言いながら世話を焼いてくれる子が良かった。前にクラスでそれを言ったら一気に睨まれたからもう言わないけど。
いや、一応幼馴染って呼べる女子がいるにはいるんだけどな? 小学校から一緒の女子がさ。けど……うん。まぁ、それは後でって事で。
んで話を戻すけど、女の子だったら『迎えに来たよっ! 早く準備してよね!』って言われても許せる。だけど現実は低い声で『迎えに来ました』だもんな。
ちくしょう。けど、これが一人で来たならまだ許せる。問題はもう一人だ。
「俺みたいに? 簡単だろ。好きなら好きと言えば良いだけだ。そうだろ? 音原《おとはら》」
「ふにぇ!? わ、私!? そ、そうね。確かにそれが一番よ。蓮川君だって私にそう言ってくれたもの……お、『音原、好きだ(キリッ)』って。『家柄やお金なんて関係ない。お前がお前だから好きだ(キリッ)』って……キャ~! もうっ! この私になんて事言わせるのよっ!」
「音原、最初のは言ったけど後のは言ってないぞ。捏造するな……って聞いてないか」
遥の言葉にたいして、とんちんかんな答えを返したのは音原《おとはら》 紫乃《しの》。
親がテレビで紹介されるほどの会社の社長で、学校にお迎えの車が来てたスーパーお嬢様。
ウェーブのかかったお嬢様ロングヘアーで、歩くだけでユッサユサ揺れる胸の持ち主。ちょっとつり目。んで、遥の彼女。
ちょっと前まではクラスで距離を置かれる存在だったのが、遥と付き合う事でデレッデレのポンコツチョロインなのが明るみになり、みんなで(俺以外)二人を微笑ましく見守っている。
それにしても……ちっ、ダメだこのチョロインお嬢様。お話にならん。頭の中満開お花畑だ。
つーかなんでお嬢まで一緒に迎えに来てんだよ。せっかく恋人同士になったんだから二人で一緒に学校行けばいいのに。
遥から聞いた話だと、お迎えの車で遥の家まで行ってからそこで降りて、それからここまで歩いて来てんだろ? 健気だよなぁ。いいなぁ。羨ましいなぁ……。
「はぁ、俺も彼女ほっし~」
「杏太郎、そもそもの疑問がある。そのレジの子は彼氏いないのか? 俺は見たことないから分からないが、可愛いんだろ? いてもおかしくないんじゃないのか?」
「…………はっ!? なんてこった、そこは全然気にしてなかった!」
「まったく……。まぁ残念会は開いてやるから頑張れ」
「おぉぉぉい!? なんでフラれる事前提なんですかねぇ!?」
失礼にも程がある! 俺はフラれない。なぜなら告らないから。告白しなければフラれない。これ真理。あ、でも中学の時に告白する前にフラれた事あったな。『え? 日野? ないない。超絶ありえないからぁ~』って声が耳に入ったあの日は心が泣いた。
「あ、それでしたら会場は私が父に言って手配しましょうか? 音原グランドホテルの朱雀の間を貸し切りましょう」
「ねぇそれ何人呼ぶの? 何百人で俺を慰める気なの? 朱雀の間? なにそのすんごい名前」
「新しい恋に向かって羽ばたけ」
「誰が上手いことを言えと言った!?」
もういや! なんなのこの二人!
価値観と恋愛性の違いで解散させていただきたいです。
そんな事を思いながらゆっくりと歩くスピードを落として距離を取ろうとしたところで後ろから足音が聞こえる。
しまった……! この辺はアイツの家があるんだった。
「そこのカップルと独り身まっしぐらの三人おっはよぉ~!」
「華原か。おはよう」
「華原さん、おはようございます」
とんでもなく失礼な事をいってくるその人物に対して、遥と音原はちゃんと返事をする。
一方、俺はというと──
「なぁ遥。俺、なんか幻聴聞こえるから先に学校行って休んでるわ」
「待てぇい!」
「おわっ!?」
逃げようとしたのに後ろから制服を引っ張られる。しかも、百七十五センチある俺と二十センチも身長差があるせいで、自動的に首が引っ張られてしまう。
このままだと後ろに倒れる! って判断してしゃがんだ瞬間、今度は首に腕が回ってきた。
いわゆるチョークスリーパーだ。
「幻聴って何かなぁ? ん? あれかな? ノノは妖精か何かなのかな? あ、でも妖精って可愛いよね。つまりノノは可愛い!?」
なんだその謎理論。
「おい離せコラ! 首締まってんだろうが! それにほら、お前こそいいのか? 今の状態だと俺の背中にお前の胸が当たっ……ん? 当たってない……だと!?」
「処《しょ》す」
「ぐぇっ!」
こいつがさっき言ったもう一人の幼馴染。名前は華原《かはら》 乃々華《ののか》。
栗色の髪のボブヘアーで、いつも前髪を華柄のピンで留め、シュシュで小さなサイドテールを作っている。瞳は大きく、ちょっと猫っぽい感じ。小柄なのも相まって、ネコミミとシッポをつければマジで猫。んで、胸が無いイジりをしたけど、別に全然無いわけじゃない。
まぁ、乃々華とはいつもこんな感じだ。お互いに遠慮がない関係。
な? 恋愛対象にはならないだろ?
翌朝、俺を迎えに来た幼馴染に昨日の事を話してみた。理不尽? 知らん。コイツ相手に気をつかってられるかよ。
「ウダウダ悩んでないで好きなら告白でもすればいい。OKなら気があった。NOなら微塵もお前に気が無かった。それだけだろ?」
「簡単に言うねぇ!? お前みたいに出来れば誰も苦労しねぇっての!」
俺に対してなんの慈悲もない言葉をかけるコイツの名前は蓮川《はすかわ》遥《はるか》。生まれた時からの幼馴染。長身長で短髪の黒縁メガネな爽やかイケメン。女みたいな名前なのに、なんでコイツは男なんだ……。
幼馴染は女の子が良かった。しかも可愛くて胸が大きくて文句言いながら世話を焼いてくれる子が良かった。前にクラスでそれを言ったら一気に睨まれたからもう言わないけど。
いや、一応幼馴染って呼べる女子がいるにはいるんだけどな? 小学校から一緒の女子がさ。けど……うん。まぁ、それは後でって事で。
んで話を戻すけど、女の子だったら『迎えに来たよっ! 早く準備してよね!』って言われても許せる。だけど現実は低い声で『迎えに来ました』だもんな。
ちくしょう。けど、これが一人で来たならまだ許せる。問題はもう一人だ。
「俺みたいに? 簡単だろ。好きなら好きと言えば良いだけだ。そうだろ? 音原《おとはら》」
「ふにぇ!? わ、私!? そ、そうね。確かにそれが一番よ。蓮川君だって私にそう言ってくれたもの……お、『音原、好きだ(キリッ)』って。『家柄やお金なんて関係ない。お前がお前だから好きだ(キリッ)』って……キャ~! もうっ! この私になんて事言わせるのよっ!」
「音原、最初のは言ったけど後のは言ってないぞ。捏造するな……って聞いてないか」
遥の言葉にたいして、とんちんかんな答えを返したのは音原《おとはら》 紫乃《しの》。
親がテレビで紹介されるほどの会社の社長で、学校にお迎えの車が来てたスーパーお嬢様。
ウェーブのかかったお嬢様ロングヘアーで、歩くだけでユッサユサ揺れる胸の持ち主。ちょっとつり目。んで、遥の彼女。
ちょっと前まではクラスで距離を置かれる存在だったのが、遥と付き合う事でデレッデレのポンコツチョロインなのが明るみになり、みんなで(俺以外)二人を微笑ましく見守っている。
それにしても……ちっ、ダメだこのチョロインお嬢様。お話にならん。頭の中満開お花畑だ。
つーかなんでお嬢まで一緒に迎えに来てんだよ。せっかく恋人同士になったんだから二人で一緒に学校行けばいいのに。
遥から聞いた話だと、お迎えの車で遥の家まで行ってからそこで降りて、それからここまで歩いて来てんだろ? 健気だよなぁ。いいなぁ。羨ましいなぁ……。
「はぁ、俺も彼女ほっし~」
「杏太郎、そもそもの疑問がある。そのレジの子は彼氏いないのか? 俺は見たことないから分からないが、可愛いんだろ? いてもおかしくないんじゃないのか?」
「…………はっ!? なんてこった、そこは全然気にしてなかった!」
「まったく……。まぁ残念会は開いてやるから頑張れ」
「おぉぉぉい!? なんでフラれる事前提なんですかねぇ!?」
失礼にも程がある! 俺はフラれない。なぜなら告らないから。告白しなければフラれない。これ真理。あ、でも中学の時に告白する前にフラれた事あったな。『え? 日野? ないない。超絶ありえないからぁ~』って声が耳に入ったあの日は心が泣いた。
「あ、それでしたら会場は私が父に言って手配しましょうか? 音原グランドホテルの朱雀の間を貸し切りましょう」
「ねぇそれ何人呼ぶの? 何百人で俺を慰める気なの? 朱雀の間? なにそのすんごい名前」
「新しい恋に向かって羽ばたけ」
「誰が上手いことを言えと言った!?」
もういや! なんなのこの二人!
価値観と恋愛性の違いで解散させていただきたいです。
そんな事を思いながらゆっくりと歩くスピードを落として距離を取ろうとしたところで後ろから足音が聞こえる。
しまった……! この辺はアイツの家があるんだった。
「そこのカップルと独り身まっしぐらの三人おっはよぉ~!」
「華原か。おはよう」
「華原さん、おはようございます」
とんでもなく失礼な事をいってくるその人物に対して、遥と音原はちゃんと返事をする。
一方、俺はというと──
「なぁ遥。俺、なんか幻聴聞こえるから先に学校行って休んでるわ」
「待てぇい!」
「おわっ!?」
逃げようとしたのに後ろから制服を引っ張られる。しかも、百七十五センチある俺と二十センチも身長差があるせいで、自動的に首が引っ張られてしまう。
このままだと後ろに倒れる! って判断してしゃがんだ瞬間、今度は首に腕が回ってきた。
いわゆるチョークスリーパーだ。
「幻聴って何かなぁ? ん? あれかな? ノノは妖精か何かなのかな? あ、でも妖精って可愛いよね。つまりノノは可愛い!?」
なんだその謎理論。
「おい離せコラ! 首締まってんだろうが! それにほら、お前こそいいのか? 今の状態だと俺の背中にお前の胸が当たっ……ん? 当たってない……だと!?」
「処《しょ》す」
「ぐぇっ!」
こいつがさっき言ったもう一人の幼馴染。名前は華原《かはら》 乃々華《ののか》。
栗色の髪のボブヘアーで、いつも前髪を華柄のピンで留め、シュシュで小さなサイドテールを作っている。瞳は大きく、ちょっと猫っぽい感じ。小柄なのも相まって、ネコミミとシッポをつければマジで猫。んで、胸が無いイジりをしたけど、別に全然無いわけじゃない。
まぁ、乃々華とはいつもこんな感じだ。お互いに遠慮がない関係。
な? 恋愛対象にはならないだろ?
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