49 / 52
47話 大きくなる
しおりを挟む
先生のマンションの前に立って考える。なんで僕はここに来たんだろう? 先生はまだ仕事だから帰って来ていないのに。そもそも生徒が軽々しく女教師の部屋に来るっていうのも変だよね。よし、帰ろっと。
そう思って家に向かって歩いてる時、後ろから突然声をかけられた。
「あ……拓真さん?」
「君は……」
「お久しぶりです」
そこにいたのは藤宮さんの妹の雪菜ちゃん。会うのは藤宮さんの家に行ったあの日以来だね。でもどうしてこんな所に? 着ているのは中学の制服みたいだけど、雪菜ちゃんは家も学校も逆方向なのに。
あと、確かに久しぶりだけど昨日も僕にメッセージ21通送って来てたよね。先週なんて藤宮さんのお風呂入ってるところの盗撮写真も送ってきたよね。そういうのはダメだと思うから注意したら、自分のお風呂入ってるところ送ってきたよね。泡でちゃんと隠れてたけどやめてほしい。
「久しぶり。どうしたの? こんな所で」
「放課後に友達と遊んでて、その帰りなんです」
「そっか。気をつけて帰るんだよ? じゃあね」
触らぬロリに祟りなし。
ここはすぐに立ち去った方がいいと最近の僕の女難の勘がそう言ってるから僕は雪菜ちゃんに背を向けて歩き出す。本当なら今の会話もしない方が良かったのかもしれないけど、流石に無視はできないからね。
「あ、あれれ!? そういえばここどこなんだろう? 迷っちゃったのかなぁ? 雪菜の家にはどうやって帰ればいいんだろ?」
そう来たか。前は【私】って言ってたのにいきなり【雪菜】って自分のことを名前で呼び始めてあざといけど振り返らない。ここは振り返ってはいけないんだ。
僕はゴゴゴゴゴォ! って効果音でも鳴りそうな香ばしい顔を作りながら歩く。ここは田舎だから少し高いところに歩いて行けばマンションが見えるハズだから、ホントに迷っていたとしてもきっと大丈夫。
「あいたたたたたた! お腹が痛いよぅ……。もう歩けないからその辺のチャラい『君のカノジョ、家に送っちゃいました』って写真撮りそうなお兄さんにお願いしよっと」
…………これもきっと罠だ。わざとそう言ってるんだよね? 知ってる知ってる。
「あの、すいません──」
「ウェイ?」
「雪菜ちゃん送っていくよ」
「はぁ~い!」
「ウェーイ?」
──で、今は雪菜ちゃんのマンションに向かって二人並んで歩いてるところ。まさか本当に聞こうとするとは思わなかったよ。
「えへへ、拓真さんありがとうございますぅ~♪」
「お腹痛いのはどうなったの?」
「あれは嘘ですっ! 好きな人の気を引く為にはどうすればいいかを友達に教えて貰ったんですよ~。大成功ですね! あと、本当に方向音痴なので助かりました!」
そう言いながら僕の腕に抱きついてくる雪菜ちゃん。雪菜ちゃんには悪いんだけど、好きとか言われても妹とか親戚の子から好意って感じだから特に何も思わないんだよね。そして方向音痴なら馴れない場所で一人になっちゃダメだよ。
「はぁ……。送っていくのはいいんだけど、マンションより少し離れた所までだよ」
「え、なんでですか?」
「ちょっとね」
マンションに近付くと彩音さんが出てきそうな気がするからね。なるべくなら近付きたくないんだ。ママ奴隷ってなに? 怖すぎなんだけど。
「わかりました。それより……この前は変な写真送っちゃってごめんなさい。嫌でしたよね? 雪菜の貧相な体なんて。雪菜、お姉ちゃんみたいに胸大きくないから。ツルペッタンコだから……」
「胸に優劣をつけてはいけない」
「え?」
「いや、なんでもないよ」
「そ、そうです……か?」
おっと危ない。全てのおっぱいを愛する委員会としての譲れない部分が出てしまった。メンバーは僕一人。名誉会員だ。
「ところで拓真さん、胸ってどうすれば大きくなるんですか?」
「さあ? 分からないけど、豆乳飲むとか?」
「雪菜聞いたんです! 揉むと大きくなるって!」
誰から聞いたのかわからないけど、僕の話も聞いて。
「後はキャベツとかサプリとか遺伝とかもあるよね」
「はい! だから拓真さん! 雪菜の胸揉んでください!」
はい、って言ったのになんでそうなるの? 返事の意味と意義は?
「え、嫌だよ」
「はい! いつでもいいです! 今でも! 誰もいない所で! お姉ちゃんみたいになりたいんです! お姉ちゃんのも拓真さんがおおきくしてるんですよね!? この前サイズ一個上がったって言ってました!」
「してない」
揉んでないからね? 揉ませようとしてくるのから逃げてるくらいだからね? だから最初に「はい!」って言うのやめて欲しいな。あと話聞いてね。それに藤宮さんみたいには無理だと思うんだよね。あれはもう巨乳の次元じゃないから。魔乳……いや、さらに大きくなったのならもはや天乳だから。あ、そういえば……
「ところでそのお姉ちゃん、最近学校休んでるみたいだけど、どうしたの?」
「……え? 拓真さんの家に押しかけてるんじゃないんですか? 『ボク達、愛のためにしばらく家を空けるから!』って言って家を飛び出しましたよ?」
「え、来てないよ? ていうか来ても追い返すし」
「……え?」
「え?」
三人揃って一体学校サボって何をしてるんだろう?
そう思って家に向かって歩いてる時、後ろから突然声をかけられた。
「あ……拓真さん?」
「君は……」
「お久しぶりです」
そこにいたのは藤宮さんの妹の雪菜ちゃん。会うのは藤宮さんの家に行ったあの日以来だね。でもどうしてこんな所に? 着ているのは中学の制服みたいだけど、雪菜ちゃんは家も学校も逆方向なのに。
あと、確かに久しぶりだけど昨日も僕にメッセージ21通送って来てたよね。先週なんて藤宮さんのお風呂入ってるところの盗撮写真も送ってきたよね。そういうのはダメだと思うから注意したら、自分のお風呂入ってるところ送ってきたよね。泡でちゃんと隠れてたけどやめてほしい。
「久しぶり。どうしたの? こんな所で」
「放課後に友達と遊んでて、その帰りなんです」
「そっか。気をつけて帰るんだよ? じゃあね」
触らぬロリに祟りなし。
ここはすぐに立ち去った方がいいと最近の僕の女難の勘がそう言ってるから僕は雪菜ちゃんに背を向けて歩き出す。本当なら今の会話もしない方が良かったのかもしれないけど、流石に無視はできないからね。
「あ、あれれ!? そういえばここどこなんだろう? 迷っちゃったのかなぁ? 雪菜の家にはどうやって帰ればいいんだろ?」
そう来たか。前は【私】って言ってたのにいきなり【雪菜】って自分のことを名前で呼び始めてあざといけど振り返らない。ここは振り返ってはいけないんだ。
僕はゴゴゴゴゴォ! って効果音でも鳴りそうな香ばしい顔を作りながら歩く。ここは田舎だから少し高いところに歩いて行けばマンションが見えるハズだから、ホントに迷っていたとしてもきっと大丈夫。
「あいたたたたたた! お腹が痛いよぅ……。もう歩けないからその辺のチャラい『君のカノジョ、家に送っちゃいました』って写真撮りそうなお兄さんにお願いしよっと」
…………これもきっと罠だ。わざとそう言ってるんだよね? 知ってる知ってる。
「あの、すいません──」
「ウェイ?」
「雪菜ちゃん送っていくよ」
「はぁ~い!」
「ウェーイ?」
──で、今は雪菜ちゃんのマンションに向かって二人並んで歩いてるところ。まさか本当に聞こうとするとは思わなかったよ。
「えへへ、拓真さんありがとうございますぅ~♪」
「お腹痛いのはどうなったの?」
「あれは嘘ですっ! 好きな人の気を引く為にはどうすればいいかを友達に教えて貰ったんですよ~。大成功ですね! あと、本当に方向音痴なので助かりました!」
そう言いながら僕の腕に抱きついてくる雪菜ちゃん。雪菜ちゃんには悪いんだけど、好きとか言われても妹とか親戚の子から好意って感じだから特に何も思わないんだよね。そして方向音痴なら馴れない場所で一人になっちゃダメだよ。
「はぁ……。送っていくのはいいんだけど、マンションより少し離れた所までだよ」
「え、なんでですか?」
「ちょっとね」
マンションに近付くと彩音さんが出てきそうな気がするからね。なるべくなら近付きたくないんだ。ママ奴隷ってなに? 怖すぎなんだけど。
「わかりました。それより……この前は変な写真送っちゃってごめんなさい。嫌でしたよね? 雪菜の貧相な体なんて。雪菜、お姉ちゃんみたいに胸大きくないから。ツルペッタンコだから……」
「胸に優劣をつけてはいけない」
「え?」
「いや、なんでもないよ」
「そ、そうです……か?」
おっと危ない。全てのおっぱいを愛する委員会としての譲れない部分が出てしまった。メンバーは僕一人。名誉会員だ。
「ところで拓真さん、胸ってどうすれば大きくなるんですか?」
「さあ? 分からないけど、豆乳飲むとか?」
「雪菜聞いたんです! 揉むと大きくなるって!」
誰から聞いたのかわからないけど、僕の話も聞いて。
「後はキャベツとかサプリとか遺伝とかもあるよね」
「はい! だから拓真さん! 雪菜の胸揉んでください!」
はい、って言ったのになんでそうなるの? 返事の意味と意義は?
「え、嫌だよ」
「はい! いつでもいいです! 今でも! 誰もいない所で! お姉ちゃんみたいになりたいんです! お姉ちゃんのも拓真さんがおおきくしてるんですよね!? この前サイズ一個上がったって言ってました!」
「してない」
揉んでないからね? 揉ませようとしてくるのから逃げてるくらいだからね? だから最初に「はい!」って言うのやめて欲しいな。あと話聞いてね。それに藤宮さんみたいには無理だと思うんだよね。あれはもう巨乳の次元じゃないから。魔乳……いや、さらに大きくなったのならもはや天乳だから。あ、そういえば……
「ところでそのお姉ちゃん、最近学校休んでるみたいだけど、どうしたの?」
「……え? 拓真さんの家に押しかけてるんじゃないんですか? 『ボク達、愛のためにしばらく家を空けるから!』って言って家を飛び出しましたよ?」
「え、来てないよ? ていうか来ても追い返すし」
「……え?」
「え?」
三人揃って一体学校サボって何をしてるんだろう?
0
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!
佐々木雄太
青春
四月——
新たに高校生になった有村敦也。
二つ隣町の高校に通う事になったのだが、
そこでは、予想外の出来事が起こった。
本来、いるはずのない同じ歳の三人の姉が、同じ教室にいた。
長女・唯【ゆい】
次女・里菜【りな】
三女・咲弥【さや】
この三人の姉に甘やかされる敦也にとって、
高校デビューするはずだった、初日。
敦也の高校三年間は、地獄の運命へと導かれるのであった。
カクヨム・小説家になろうでも好評連載中!
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
家政婦さんは同級生のメイド女子高生
coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。
朝起きたらイケメンだったはずの俺がブサイクになっていた
綾瀬川
青春
俺は西園寺隼人。15歳で明日から高校生になる予定だ。
俺は、イケメンでお金持ち、男女問わず友達もたくさん、高校生で美人な彼女までいた。
いたというのが過去形なのは、今日起きたら貧乏な家でブサイクになっていたからだ。
ーーなんだ。この体……!?
だらしなく腹が出ていて汚いトランクス履いている。
パジャマは身につけていないのか!?
昨晩シルクのパジャマを身に纏って寝たはずなのに……。
しかも全身毛むくじゃらである。
これは俺なのか?
どうか悪い夢であってくれ。
枕元のスマホを手に取り、
インカメで自分の顔を確認してみる。
それが、新しい俺との出会いの始まりだった。
「……は?」
スマホを見ると、超絶不細工な男がこちらを見ている。
これは俺なのか?夢なのか?
漫画でお馴染みの自分の頬を思い切りつねってみる。
「痛っっっ!!!」
痛みはばっちり感じた。
どうやらいまのところ夢ではなさそうだ。
そうして、俺は重い体をフラフラさせながら、一歩を踏み出して行った。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる