婚約破棄された悪役令嬢に突っ込んだ異世界転移びんびん物語

つきの麻友

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体育祭の練習中に

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 一番のイベントと言えば体育祭の練習だった。

 本番ではない、練習だ。

 何故練習が一番のイベントかというと、普通男女は別々で行うのだが、時に男女の競技などの練習や本番に合わせた進行状況の確認などで合同で練習をする時がある。

 こんなにも堂々と体操服の女子を見ることができるなんて、俺は永遠に体育祭の本番など来なければ良いのにと真剣に思っていた。三年間思っていた。

 一、二年生の時は年上のお姉さんの発育した体操着姿、三年生になると同級生の発育した体操着姿に興奮を隠せなかった。

 体操やダンスなど激しい動きや、大変な体勢で行ったりする種目など、何とも言えない状況で俺は一人で本気で悩むこともあった。

 一般中学生は、女子の発育と言えば胸のことしか頭にないだろうが、俺はオシリの発育にも一目置いていた。胸程の個人差は少ないが、それでも発育の個人差は見てて満足感を感じるものだった。それを感じることじたいがやっぱり変態なのではないかと自問自答もしていた。解決は変態ということで落ち着いたが。

 同級生の男子同士で女子の性的な話題になることもあった。だが俺はそんなときでも自分の女子に対する思いというか性的目線で見ている事実を言うことはできなかった。

 それは同級生が女子にたいする性的分析が未熟で俺の分析の足元にも及ばないレベルだったので、あえて同級生のレベルに俺が下りて行って話すまでもないと思ったからだ。

 それに、やっぱりこれは小学生の時から進歩してないのだが、性的な部分を本音で誰かに語るのにかなりの躊躇があるからだろう。

 心を開いて同級生の男子に、女子の胸とオシリの発育について議論をしないかと言ったところで、殆ど、もしくは全員がついてこれないだろう。

 胸はエロ。巨乳はエロ。中学生ならばその程度の知識と認識なのだから当たり前なのだろうが、美的感覚で女子を見るというのは説明しても即却下されて終わりだろう。

 その後、性的話題どころか俺は変態という男子にまでレッテルを貼られて、それが女子の耳に入り結局クラス全体から変態という称号を貰うハメになって終わりだろう。

 だから中学生の三年間も誰にも俺の変態的な思想は誰にも語らず、逆に同級生の性的話題にも参加は極力控えてきた。

 その中学生活で俺の性的欲求を支えてきた一つの出来事が、あの小学生の時にあったかくれんぼだ。

 俺は何度、いや何百度思い出しては後悔したことだろうか。

 何故、あの時飛び出して友達のお姉ちゃんの着替えを目に焼き付けなかったのだろうかと。

 もちろん、小学生の俺は女子の着替えなど面倒な事件位の認識で見たいとも思うはずがなかった。

 そりゃそうだろう。赤ん坊にミルクと札束を見せてどちらが欲しいかと問えばミルクに手を伸ばすに決まっている。

 小学生であったあの時の俺は、中学生のお姉さんの生着替えより、かくれんぼやお姉さん本人に見つからない事が最優先だったのだ。

 見つかるかもしれないというリスクを冒してまでクローゼットの扉を少し開けて覗くなどするはずもなかったのだ。

 今、タイムマシンがあったならあの日に戻ってその時の俺に、かくれんぼの鬼の子と一緒にタケルの姉ちゃんのオッパイ見っけと言えと言うだろう。

 そして目に焼き付けるのだ。

 今はその価値がわからなくてもいい。

 だが、己が中学生になった時に、今目の前の中学生の生着替えが役に立つことがあるだろうと言って、俺はタイムマシンに乗って現在へ帰って必死に目に焼き付けたシーンを思い出すだろう。

 やはり俺は変態だな。変態と自負しているが変態と誰かに呼ばれているような気がするのだが、気のせいだろうか。俺は今まで誰にも自分が変態であるということは言ってないからだ。昔の人はこういうのをムッツリと呼んでいたそうだ。ムッツリスケベ。だが俺はスケベではない。変態なのだ。だからムッツリ変態なのだが、変態にムッツリもオープンもないのではないか。オープンな変態。ただの変態だな。ムッツリな変態。地球にやさしい変態みたいで世の中に仮の姿で適応する宇宙人みたいで良いのではないかと、自分勝手に自己解決してみせる。

 それにしても息苦しいな。さっきよりさらに息苦しくなっているような気がするな。この息苦しさはなんだろう。

 俺はチーズが好きで特にピザのようなとろけているチーズが特に好きだった。

 ピザが好きすぎて自分で作れば安いのではないかと挑戦して食べていたほど好きだった。

 ある日、宅配ではなくピザを店頭に取りに来たら二枚目無料というキャンペーンをしていた時があって、欲張りな俺はピザのエルサイズを二枚、つまり一枚の値段で二枚を注文。それを二つした。合計四枚を二枚の値段で食べたことがあった。

 どんなに大好きなピザであっても、胃袋には限界というものがあって、最後まで美味しく食べるにはかなりの努力が必要だった。

 結局、最後まで食べきることはできず暫くチーズの匂いがダメになるほどだった。その時の苦しさは食べ過ぎで息が詰まるほどだった。

 

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