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はじめましてこんにちは、魔王ですか?
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「僕のしたことは、正しかったのだろうか……」
「もし結果往来で済む話なら、後はウタルに任せましょう」
「ウタル……、彼があの月野ウタルか……。それに、あれは……ク、クラッチロウ!」
意識を取り戻し、カイトは事の理解を受け入れたようであった。
「生き延びていたか。しかし、死ぬ順番が変わったに過ぎない誤差の範囲だろうよっ!」
クラッチロウの剣に勢いが増す。なるべく剣で受け止めて風圧を後ろに逸らさないように戦っていた。
「ウタル、防御一辺倒やな」
「反撃のチャンスがないってことなのか?」
「クラッチロウは己のパワーとスピードを自在に操れる特殊な能力を持っている……。その体感差は……、およそ十倍」
「十倍? 十倍速く動けて十倍重い力が強くなるってこと? そんなんありえへんやろ!」
「ハーハッハッハツー! どうやら生き延びたカイトとかいう野郎の体感値だけは感度が良好みたいだな。貴様も少しは腕に自信があるようだが上には上がいるってことを教えといてやるぜ! いくら努力しても超えられない生まれつきの能力にはかなわないってことおよぉぉぉ!」
言い終えると剣の速度を極端に早めてきた。成程、先程の十倍ってところだろうか。しかし受け止める剣に先程の威力は無くなっていた。
「まだ目が付いてこれるのか? なるほど、それならばダンパーがやられるのも納得がいくな。ただ防御だけで戦って勝てると思っているのかよぉぉぉ! ぬるい! ぬるいんだよぉぉぉ!」
速い剣の動きで怯ませて、急所目掛けて痛恨の一撃を放ってくる。ただそれは速度を落とし、代わりにパワーに十倍のギアを入れ替えての攻撃であることを見切る。なるほど体勢を不安定にさせてからの十倍による剣圧攻撃だったら普通の人間なら防ぎきれないのであろう。
クラッチロウの渾身の一撃をヨシミツで受け止めると、お互い一歩も引かない膠着状態に一瞬なる。
「まぐれか? 俺の攻撃を顔色一つ変えずに防ぐなんて……」
「お前がさっき言ったんじゃないのか? 生まれつきの能力にはかなわないって」
「バカな! 俺は王であるマーベリックの名を授かった戦士だぞ! その俺の剣がかなわないだと……?」
「じゃあマーベリックの魔王も俺にはかなわないってことだろうよ」
「貴様……、スペンサー様を、バカにするなぁぁぁ!」
ゴォォォォォォ
地響きのような音が鳴り、周りに落ちてある氷の破片が宙に浮きだした。
予期せぬ危険を察したか、魔導士のアーブがこの場から逃げていった。
「なんやなんや、ヤバイんやないのこれ」
地鳴りが止まず、震えながらもこの場から離れることはなかった。その理由はただ一つ。
「こんな状況でよく風呂に浸かってられるな?」
「はぁ? ウタルなに言ってんだよ」
「いいよ、セリカ。ウタル君の言うとおりだ。僕が呑気に湯船に浸かっているせいで君たちが逃げ遅れることはない」
「僕を置いて皆は逃げろってか? 残念ながらそんな奴は俺の仲間に一人もいないし、逃げる必要もないんだぜ。何故なら最後は俺が勝つからに決まってるからよ」
決まった。
「キザやな」
「間違いない、似合わないキザ野郎だ」
「お兄ちゃん、かっこ付けすぎぃ」
決まったかのように思えたのは俺一人だけだったようだ。普段からできないことをかっこ付けて言うもんじゃないと身の程を知る。
「もし結果往来で済む話なら、後はウタルに任せましょう」
「ウタル……、彼があの月野ウタルか……。それに、あれは……ク、クラッチロウ!」
意識を取り戻し、カイトは事の理解を受け入れたようであった。
「生き延びていたか。しかし、死ぬ順番が変わったに過ぎない誤差の範囲だろうよっ!」
クラッチロウの剣に勢いが増す。なるべく剣で受け止めて風圧を後ろに逸らさないように戦っていた。
「ウタル、防御一辺倒やな」
「反撃のチャンスがないってことなのか?」
「クラッチロウは己のパワーとスピードを自在に操れる特殊な能力を持っている……。その体感差は……、およそ十倍」
「十倍? 十倍速く動けて十倍重い力が強くなるってこと? そんなんありえへんやろ!」
「ハーハッハッハツー! どうやら生き延びたカイトとかいう野郎の体感値だけは感度が良好みたいだな。貴様も少しは腕に自信があるようだが上には上がいるってことを教えといてやるぜ! いくら努力しても超えられない生まれつきの能力にはかなわないってことおよぉぉぉ!」
言い終えると剣の速度を極端に早めてきた。成程、先程の十倍ってところだろうか。しかし受け止める剣に先程の威力は無くなっていた。
「まだ目が付いてこれるのか? なるほど、それならばダンパーがやられるのも納得がいくな。ただ防御だけで戦って勝てると思っているのかよぉぉぉ! ぬるい! ぬるいんだよぉぉぉ!」
速い剣の動きで怯ませて、急所目掛けて痛恨の一撃を放ってくる。ただそれは速度を落とし、代わりにパワーに十倍のギアを入れ替えての攻撃であることを見切る。なるほど体勢を不安定にさせてからの十倍による剣圧攻撃だったら普通の人間なら防ぎきれないのであろう。
クラッチロウの渾身の一撃をヨシミツで受け止めると、お互い一歩も引かない膠着状態に一瞬なる。
「まぐれか? 俺の攻撃を顔色一つ変えずに防ぐなんて……」
「お前がさっき言ったんじゃないのか? 生まれつきの能力にはかなわないって」
「バカな! 俺は王であるマーベリックの名を授かった戦士だぞ! その俺の剣がかなわないだと……?」
「じゃあマーベリックの魔王も俺にはかなわないってことだろうよ」
「貴様……、スペンサー様を、バカにするなぁぁぁ!」
ゴォォォォォォ
地響きのような音が鳴り、周りに落ちてある氷の破片が宙に浮きだした。
予期せぬ危険を察したか、魔導士のアーブがこの場から逃げていった。
「なんやなんや、ヤバイんやないのこれ」
地鳴りが止まず、震えながらもこの場から離れることはなかった。その理由はただ一つ。
「こんな状況でよく風呂に浸かってられるな?」
「はぁ? ウタルなに言ってんだよ」
「いいよ、セリカ。ウタル君の言うとおりだ。僕が呑気に湯船に浸かっているせいで君たちが逃げ遅れることはない」
「僕を置いて皆は逃げろってか? 残念ながらそんな奴は俺の仲間に一人もいないし、逃げる必要もないんだぜ。何故なら最後は俺が勝つからに決まってるからよ」
決まった。
「キザやな」
「間違いない、似合わないキザ野郎だ」
「お兄ちゃん、かっこ付けすぎぃ」
決まったかのように思えたのは俺一人だけだったようだ。普段からできないことをかっこ付けて言うもんじゃないと身の程を知る。
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