令嬢である妹と一緒に寝ても賢者でいられる方法を試してたらチート能力が備わった件

セリカの裸身を見たのは偶然ですか？

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「えー？　だるいでウタル。女子の食事中に勝手に入って来ていきなり言うセリフやないで」

「セリカは？」

「食後の清める時間や言うて風呂で身体拭いてるで。せやけど魔王討伐行きますって、買い物やないのに急な話やなぁ」

　まさかまだ寝てはいないだろうかと不安に思っていたが、起きて朝食も済ませていたのは幸いだが、このローテンションにはさっきまでの緊張感があった部屋とはまるで違うことに違和感がある。

「ついて来ないなら明日からの給料も永遠にカットだからな」

「そんなブラックすぎるで！　給料で人を従業員のように使って働かす。とんでもない鬼社長やないか」

「いやそれ、普通だろ。っていうか働かないで給料を貰おうという考えを改めろ」

「あーあーあー、ウタルはわかってないなー。最近の女子は簡単な業務、もしくは働かないで暮らしていけるだけの給料を貰って、のーんびり過ごすのがナウなトレンドなんやでー」

「うるさい！  とっとと準備しろ！」

「ギャワッ！」

　近くにあったクッションをルーチェの顔面にめがけて投げつけた。半分ニートのような暮らしに憧れるのは勝手だが、人として落ちぶれて駄目になっていくのは早く、そこから人並みに復活するのはかなりしんどいんだぞと言いたい。小一時間言いたい。元ニートの俺が言うのだから間違いない。偉そうには言えない過去だが。

「なに一人で騒いでいるんだよ」

「おー、セリカも準備しろって、ぉぉぉおい！」

　ちょうど身体を拭き終わったセリカは裸にバスタオルを頭からかぶり、髪を拭きながらが風呂場の方からやって来た。

「ちょっとなんだよ！  ウタル居るなら居るって言えよ！」

「お、お、お、お前もパンツくらい穿けよ」

「なによパンツって！」

　そうだった。この世界は女子もふんどしだったんだ。そりゃパンツより手軽じゃないから、無防備になる部屋の中じゃ面倒になるのもわかるけど。

　裸で出てきたセリカは、恥ずかしそうにそそくさと風呂場に引き返してしまった。

「あんなペチャンコパイ、見られたって気にならんやろ」

「うるさいよホルスタイン！  聞こえてるんだよ！　言ってるだろ。僕は好んでペチャンコなんだって。あんな重いのぶら下げて」

「けど、胸はないけど腹筋は割れてるんだな」

「やっぱり見てるんじゃないの！　変態！」

　褒めてるつもりだが、状況的には変態扱いになるのか。しかしこの二人とはまだ一緒に風呂に入ったことはないので裸を見たことはないんだけど、風呂場以外で見られると現世と同じように恥ずかしそうにするギャップにまだついていけてないのが正直なところである。