短編集【BLACK】

タピオカ

文字の大きさ
上 下
23 / 23

夕方に現れる人攫い集団 2

しおりを挟む
「…よし!ここなら見つからないかな、やっぱりアタシって天才ー♪」

 明るそうな女の子は、とても分かりにくい木の陰に隠れていた。
 絶対見つからないと自信満々な様子。

「やあ、こんにちは。とても可愛いお嬢さん」
「…あ、こんにちは!可愛いだなんてそんな~!」
(きゃー!イケメン!公園でこんな素敵なお兄ちゃんに会えるなんて、運命の出会いってやつかな!)

 礼儀正しそうでとても顔立ちの整った中学生ぐらいの少年が現れ、女の子に笑顔で声をかけた。
 そんなイケメンに声をかけられた事により女の子はノリノリだ。

「とても可愛いよ、僕の家でゲームでもしない?最近発売されたパンケモンとかトンちゃんのソフトもあるよ」

 少年は女の子に家でゲームをしようと誘った。それらのソフトは小学生の男女共に人気のキャラのゲームだ。

「そうなの?トンちゃん好きなんだー!お兄ちゃんと楽しくゲームしたいし喜んで行くよ!」

  この女の子も例外じゃなく少年が持ってるソフトの内、片方のキャラが好きだった。

「…あ、でもキミは公園で友達とあそんでるんじゃないかな?邪魔しちゃ悪いな…」
(ははっ、この子ちょろいな。家に来るってあっさり決めてるけどこれじゃ少し面白くないから、あえて遠慮するような事を言ってみようか)

 女の子が家に行く事を簡単にOKしたので、少年はつまらなく思っていた。

「あ、そっかー!でも邪魔してるなんて事ないよ。じゃあみんなに帰るって伝えてくるからさ、ここで待ってて、お兄ちゃん!」

 みんなに伝えてくると言い女の子は走り出した。

「さあ、どんな表情で帰ってくるかな。楽しみだ」

 走り出した小さな後ろ姿を見つめ、少年は楽しみにしていた。



 子供っぽい男の子は公園にあるトイレの中に隠れていた。

「ここに隠れて鍵をかけていたら、僕が開けない限り誰も見つけれないもんね~、ここでのんびりしてよっと」

 とてもずるい方法を使い、男の子は最後まで見つからないようにしていた。


 ━━コンコン

 誰かがノックをしてきた。

(探しに来たかな?でも出なければ見つかったって事にならないもん)

 ノックの音にもびびらずに余裕な気持ちでいた。


 ━━ドンドン!ドドドドドドドドドドドドドドドドド!

 音がとてつもなく強くなった。そして、

 ━━━━━━ドガッシャーン!!!

「ひょわあぁぁぁぁ!!」

 ドアは勢いよく破壊された。予想外の事に男の子はとてつもなく驚いていた。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

限界集落

宮田 歩
ホラー
下山中、標識を見誤り遭難しかけた芳雄は小さな集落へたどり着く。そこは平家落人の末裔が暮らす隠れ里だと知る。その後芳雄に待ち受ける壮絶な運命とは——。

[連載中・短編集]ホラー短編集。〜こっくりさんー女子中学生のオカルト体験ー他

コマメコノカ・21時更新
ホラー
ホラー短編集です。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

怪異語り 〜世にも奇妙で怖い話〜

ズマ@怪異語り
ホラー
五分で読める、1話完結のホラー短編・怪談集! 信じようと信じまいと、誰かがどこかで体験した怪異。

歩きスマホ

宮田 歩
ホラー
イヤホンしながらの歩きスマホで車に轢かれて亡くなった美咲。あの世で三途の橋を渡ろうとした時、通行料の「六文銭」をモバイルSuicaで支払える現実に——。

【短編】怖い話のけいじばん【体験談】

松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。 スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。

禊(みそぎ)

宮田 歩
ホラー
車にはねられて自分の葬式を見てしまった、浮遊霊となった私。神社に願掛けに行くが——。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...