短編集【BLACK】

タピオカ

文字の大きさ
上 下
22 / 23

夕方に現れる人攫い集団 1

しおりを挟む
 学校終わりの放課後、小学生低学年ぐらいの男女4人が大きな公園で遊んでいた。
 鬼ごっこ、だるまさんがころんだ、そのような様々な遊びをする。

「はぁ、もうすぐ帰る時間だね~」
「えー!嫌だ、もう少し遊びたい!」
「僕も~」

 帰りたくない子供達は駄々をこねる。

「じゃあまだ帰らずに最後にかくれんぼでもしよっか」

 まとめ役の立場の男の子がみんなに案を伝えた。

「分かった~!じゃあ僕達は隠れるから60秒数えてね」
「…え?俺が鬼で決定なの?」
「うん、私もそれがいいと思う!」
「アタシも賛成ー!」

 何故だかまとめ役の男の子が鬼役に勝手に決まった。



「…ふぅ、ここなら見つからないかな」

 真面目そうな女の子は、隠れ場所を必死に探して適した場所を見つけた。

「こんにちは!」
「きゃあ!」

 高校生ぐらいの綺麗な少女が突然現れ、女の子はとても驚いた。

「そんなに驚かなくても。そうだ、アタシ可愛い人形持ってるんだよ。だから家においでよ!」
「いいな~!…で、でも知らない人に着いていっちゃダメだって!」

 少女からの誘いに女の子は一瞬乗りそうになったが、すぐに否定する。

「…実はキミのお友達も既に誘ったんだけど、あっさりと着いてくるって言ったよ。だから後はキミだけなんだけどな~」

 誘いに乗らない事に対して少女は諦めずに勧誘する。

「え!そうなんだ………じゃあ私もみんなと一緒に行きます」
「じゃあ決定だね~♪」

 そうして少女は女の子と手を繋いだ。

(この女の人いい香りがするな~……あれ?なんだか眠く…)

 女の子は眠りに落ち、地面に少し倒れそうになったところを少女は抱きかかえた。

(ふふっ!アタシは成功したよ、さあみんなも勧誘頑張ってね!)

 少女は満足気に笑っていた。
 その口から見える歯は、何故だか普通の人より尖っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

限界集落

宮田 歩
ホラー
下山中、標識を見誤り遭難しかけた芳雄は小さな集落へたどり着く。そこは平家落人の末裔が暮らす隠れ里だと知る。その後芳雄に待ち受ける壮絶な運命とは——。

[連載中・短編集]ホラー短編集。〜こっくりさんー女子中学生のオカルト体験ー他

コマメコノカ・21時更新
ホラー
ホラー短編集です。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

怪異語り 〜世にも奇妙で怖い話〜

ズマ@怪異語り
ホラー
五分で読める、1話完結のホラー短編・怪談集! 信じようと信じまいと、誰かがどこかで体験した怪異。

歩きスマホ

宮田 歩
ホラー
イヤホンしながらの歩きスマホで車に轢かれて亡くなった美咲。あの世で三途の橋を渡ろうとした時、通行料の「六文銭」をモバイルSuicaで支払える現実に——。

禊(みそぎ)

宮田 歩
ホラー
車にはねられて自分の葬式を見てしまった、浮遊霊となった私。神社に願掛けに行くが——。

【短編】怖い話のけいじばん【体験談】

松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。 スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...