短編集【BLACK】

タピオカ

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悪魔退治ゲーム

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 僕は小学4年生の男の子!3歳の頃からゲームを始めて大好きなんだ♪僕の学校には同じようにゲームが大好きな友達が沢山いる。
 今から学校に行って家に帰ったら、今日もゲームを沢山するんだ!



「明日はあの新作の発売日だよな!ワクワクするぜ!」

 友達はゲームの発売を楽しみにしているね。もちろん僕も明日が相当待ち遠しい!

「そうだね!明日買ったらしばらくは、睡眠時間をだいぶ削ってプレイするよ!」

 ゲームを買ったらとりあえず睡眠は二の次。何時間も連続でし続けるよ!
 僕の親はそういう所緩いから何も言わないし、時間の限りゲームをする。



 やったー!ついに新作のゲームを手に入れたよ!
 家にも着いたことだし、今から沢山の時間を使ってやるぞ!

「じゃあ、ゲームスタート!」



「おはよ~」
「おはよう…。あ~…最悪だ」

 あれ?ゲームの発売日の次の日だってのに元気が無いな、どうしたんだろう。

「どうしたの?元気無いね。昨日は新作のゲームを買って、沢山の時間を楽しめたんじゃ…」
「…買ったんだが、母さんに少しゲームする時間減らせって言われてよ…」

 ゲームの時間を減らされたって!?かわいそうに、そんなの酷すぎるよ!
 僕たちが頑張って学校に行くのも、その後は家での自由時間を、思いきり使えるからこそなのに!

「酷い、酷すぎるよ!僕達はゲームをして幸せな気分になるのに。まるで悪魔の行動みたいだね」
「悪魔か…分かった!母さんはきっと取り憑かれてるんだな!俺がヒーローのように悪魔退治をしてゲームの時間を取り戻す!」

 悪魔退治か…なんかすごいことを言い出したけど、ゲームの中の話みたいで面白いな~。

「じゃあ悪魔退治頑張って!報告待ってるよ」
「おう、家に帰ったらバトルモードだ!」

 明日報告を聞くのが楽しみだな~、無事に今まで通りゲームできるようになることを祈っとこ。



「おはよう、聞いてくれよ!悪魔退治は大成功だ!」
「おめでとう!これで沢山の時間をゲームに使えるね!」

 とても嬉しそうにしているから、僕まで嬉しい気分になってくるよ!

「しかし、悪魔退治は中々手強かったな~…俺が低学年とかなら、力が足りなくて負けていただろうな」
「そんなに大変だったの?ていうかどういう方法で退治したの?」

 悪魔退治とは言っていたけど、僕はどういう方法なのかは分かってないんだよね。ヒーローのような事をするんだろうけど。

「母さんを退治するんだ!悪魔と一体化しちまってるから仕方なくボコボコにな!俺の家庭には父さんがいないから、邪魔者もいなくて1VS1のバトルだったぞ!」

 …きみがやってることは流石に怖いよ。
 まあ僕の家庭は両親が両方いるからゲーム制限されたとしても退治は出来ないけど、母子家庭ならそういう気持ちになるのかな。
 怖いけど、とりあえずこれだけは言っておこう。

「…そうなんだ。頑張ったね」
「おう!お前の応援のお陰でもあるぜ!」

 応援はしたけど、まさかこんなことになるとは思わなかったよ。
 一体どっちが悪魔なの?僕も母さんしかいない家庭で同じ状況ならどうなるか分かんないけどさ。



 あれから何年も経つけど、きみは相変わらず悪魔退治をしているね。
 ゲーム以外でも母親から気に入らないことがあればその度に。
 キミはこれからも自分がヒーローだと思い続けるのだろう。
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