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食べたくない!
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「おい、またそれ残すのか?」
「これ、昔から嫌いなんだもん。食べたくないよ~」
飲食店に来ている、20代前半ぐらいに見えるカップル同士が、会話をしている。
若い女性は、お皿の上にある緑色の食材を、全部避けている。
「もう大人なんだからいい加減、ピーマンぐらい食べれるようになれよな」
若い男性が、好き嫌いをすることに対して、注意をした。
「食べなくったっていいじゃん、野菜炒めなんだからさ。1種類ぐらい食べれない物があるのは、しょうがないの!」
しかし、注意をされても女性は反論する。
そして、結局ピーマンは残したまま、2人は店を出た。家に帰るために歩き始める。
「ったく、いつになったら、好き嫌いが無くなるんだか」
前を向いて歩きながら、男性はそう言った。
だが、隣にいるはずの女性からは、返事が聞こえない。
「おい、聞いてるのか!…あれ?」
男性は辺りを見回したが、女性の姿は見えなかった。
「…ここ、どこ?」
女性は見知らぬ場所へ来ていた。テントの中のようなところだ。
「2人で歩いてたら、光に包まれていて、起きて気づいたら別の場所にいるなんて…」
よく分からない現象に、とても驚いた。
あれから時間が経っているからか、女性は再びお腹が空いていた。
そう感じているとテントが開いて、野性的な格好をしている筋肉質な男性が入ってきた。
「…っ、こんにちは!ここはどこですか?」
「#*\&$@+-/;<」
女性は驚きつつも、状況を把握しようとし話しかけたが、言葉は通じない。
筋肉質な男性も、言葉が通じないことに困った様子。
ぐぅ~~~。
しかし、こういう状況の中でも、女性のお腹の空き具合は正直で、音がテントの中で鳴り響いた。
「恥ずかしい、なんでこんな時に!」
「*#`>\.」
女性はその音にとても恥ずかしがった。
しかし、男性はその音を聞き、テントの外へ出て行ったかと思えば、何かが入ってるお皿のような物を持って戻り、差し出した。
「え?お腹が空いてるならこれを食べてってこと?ありがとう!」
そう言い、皿の中身を見た。しかし、
「なにこれ!?虫?これが普段食べてる食材なの!?」
食文化が違うのか、虫を少し調理したような物が入っていた。
「いらない!」
女性はそう言ったが、時間が経ち結局限界を迎え、その料理を食べた。…とても食べにくい味であった。
そして、月日は流れ、文化の違うありとあらゆる料理に苦しみながら、なんとか毎日を生きていた。
元の場所に船や飛行機で戻れないか考えたが、ここがどこかもよく分からず、手がかりが見つからない。
…その後、数年が経ち、女性はもう元の場所に100%戻れないという事実を、知っている。
そう、場所が違うだけじゃなく、時代も違うということを、生活しているうちに知った。
「…今日も料理を食べることが苦痛だよ。今食べてる物に比べたら、ピーマンなんて美味しい方だった。」
女性は今頃になって、ピーマンを食べなかった自分を嘆いた。この時代にはまだ、ピーマンは無い。
「何歳になってもピーマンを食べずに、無駄にしてきたから、罰が当たったのかも。この時代じゃ、ピーマンはまだ無いから、罪滅ぼしで食べることもできないよ…」
女性はとても悔やんだ。そして悲しそうに、
「ごめんね、…○○○。あれだけ注意してくれたのに、ピーマンを食べなくて」
女性は、元いた時代の彼氏の名前を呟いた。
しかし、彼氏には当然届くはずもなく、文化の違う食べにくい料理と共に、いつまでも苦しんで生きていった。
「これ、昔から嫌いなんだもん。食べたくないよ~」
飲食店に来ている、20代前半ぐらいに見えるカップル同士が、会話をしている。
若い女性は、お皿の上にある緑色の食材を、全部避けている。
「もう大人なんだからいい加減、ピーマンぐらい食べれるようになれよな」
若い男性が、好き嫌いをすることに対して、注意をした。
「食べなくったっていいじゃん、野菜炒めなんだからさ。1種類ぐらい食べれない物があるのは、しょうがないの!」
しかし、注意をされても女性は反論する。
そして、結局ピーマンは残したまま、2人は店を出た。家に帰るために歩き始める。
「ったく、いつになったら、好き嫌いが無くなるんだか」
前を向いて歩きながら、男性はそう言った。
だが、隣にいるはずの女性からは、返事が聞こえない。
「おい、聞いてるのか!…あれ?」
男性は辺りを見回したが、女性の姿は見えなかった。
「…ここ、どこ?」
女性は見知らぬ場所へ来ていた。テントの中のようなところだ。
「2人で歩いてたら、光に包まれていて、起きて気づいたら別の場所にいるなんて…」
よく分からない現象に、とても驚いた。
あれから時間が経っているからか、女性は再びお腹が空いていた。
そう感じているとテントが開いて、野性的な格好をしている筋肉質な男性が入ってきた。
「…っ、こんにちは!ここはどこですか?」
「#*\&$@+-/;<」
女性は驚きつつも、状況を把握しようとし話しかけたが、言葉は通じない。
筋肉質な男性も、言葉が通じないことに困った様子。
ぐぅ~~~。
しかし、こういう状況の中でも、女性のお腹の空き具合は正直で、音がテントの中で鳴り響いた。
「恥ずかしい、なんでこんな時に!」
「*#`>\.」
女性はその音にとても恥ずかしがった。
しかし、男性はその音を聞き、テントの外へ出て行ったかと思えば、何かが入ってるお皿のような物を持って戻り、差し出した。
「え?お腹が空いてるならこれを食べてってこと?ありがとう!」
そう言い、皿の中身を見た。しかし、
「なにこれ!?虫?これが普段食べてる食材なの!?」
食文化が違うのか、虫を少し調理したような物が入っていた。
「いらない!」
女性はそう言ったが、時間が経ち結局限界を迎え、その料理を食べた。…とても食べにくい味であった。
そして、月日は流れ、文化の違うありとあらゆる料理に苦しみながら、なんとか毎日を生きていた。
元の場所に船や飛行機で戻れないか考えたが、ここがどこかもよく分からず、手がかりが見つからない。
…その後、数年が経ち、女性はもう元の場所に100%戻れないという事実を、知っている。
そう、場所が違うだけじゃなく、時代も違うということを、生活しているうちに知った。
「…今日も料理を食べることが苦痛だよ。今食べてる物に比べたら、ピーマンなんて美味しい方だった。」
女性は今頃になって、ピーマンを食べなかった自分を嘆いた。この時代にはまだ、ピーマンは無い。
「何歳になってもピーマンを食べずに、無駄にしてきたから、罰が当たったのかも。この時代じゃ、ピーマンはまだ無いから、罪滅ぼしで食べることもできないよ…」
女性はとても悔やんだ。そして悲しそうに、
「ごめんね、…○○○。あれだけ注意してくれたのに、ピーマンを食べなくて」
女性は、元いた時代の彼氏の名前を呟いた。
しかし、彼氏には当然届くはずもなく、文化の違う食べにくい料理と共に、いつまでも苦しんで生きていった。
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