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本編
5本目 出会い
しおりを挟むシクトリアとセスティンが和気あいあいと蹴り 愛 をしていると教室の外から足音が聞こえてきた。足音言うか、布が擦れる音だ。紳士淑女たるもの足音も話し声も出してはならない、ってことだろうかね。ボケーッとしてるとさっきまでシクトリアと蹴り 愛 をしていたセスティンが俺の席に座ってきた。
「隣に座ってもいいか?」
「もう座っていらっしゃいますよ」
「おっと…すまないな…無意識に!座ってしまったようだ…もう座ってしまったのなら仕方ないな…」
「はははそうですね?」
「妬けてしまいますね~」
いらないヤキモチをやくシクトリアがセスティンの近くの席に座りやがて教室にはぞろぞろと人が入ってきた。
「おお!?アンダーランドシュレイにベルセンルクセスティン殿ではないか!説明会には来なかったのだな!」
デジャヴ…と思い教室の入口付近を見るとそこには一際体が大きな男が居た。マジで記憶にない。誰だ…?と思いその男をガン見し眉をひそめていると男は少々縮こまりまた話しを続けた。
「な、なんだ?やっぱりアンダーランドシュレイにベルセンルクセスティン殿は教授の顔なんて覚えてないのか?」
「あ…すみませんでした…教員の方でしたか……」
「やはりか…ベルセンルクセスティン殿は…」
「……オーレリア教授殿でしたよね」
こちらの方をずっと見つめ続けていたセスティンがやっと教授の方目線を送り、答えた名前が当たったのかがたいのいい男は急にパッと顔色を変えた。ものすごく、嬉しそうだ…………
「殿下のくちから聞いた通り私の名前はオーレリアアンセルだ!これから1年よろしく頼む!!」
次第に集まってきた生徒達が席についた後黒板に柄にもなさそうにきれいな字で名前を書いたオーレリア先生は見るも素敵なドヤ顔っぷりだ。俺とベルセンルクセスティンは1番後ろの席に座っていたため全員の顔がまじまじと見えてしまう。
俺は自分のクラスを確認していただけでぼっちになるため友達はつくらない、とクラス分けに記載してある名前を確認しなかったことを後悔した。そう、いるのだ。婚約者のカス王子とヒロインが。おまけに他の攻略者もいる。
まずいっこ飛ばして前の席に座る緑髪の大きなリボンをつけた男、こいつら攻略者1のマキアムヒストと言うドマゾ男だ、ドマゾなだけあってヒロインの言うことなら全て聞いてしまい従者という称号があるほどのチョロさなのだ、あまりのチョロさに攻略する気が失せたと言ってもいい。
次に攻略者2のマキアムヒストの斜め前に座るのは赤髪にこれまた長髪の無口寡黙キャラのスレイグニンリル、うーん、キャラが美しいこのおれと少々被ってしまっている気がするな!スレイグニンリルは寡黙で無口キャラだが実はコミュ障で友達作りが不得手な奥手キャラなのだ。その頼りなさ故に本編ではもちろんスレイグニンイルが攻めだったのだが、二次創作ではヒロインが攻めと化してしまう男だ。
さてお次は一番端の入口側の席に座っている茶髪に黄色の目をしたやたら背の高い男攻略者4、エルグレンフィストだ。付け足しておくと攻略者3は人気投票ダントツ1位のベルセンルクセスティンである。エルグレンフィストは言うなればイケメン親友キャラだ。ヒロインとは幼馴染という、当て馬にもバウムクーヘンにも出来るお得キャラだ。こいつを覚えずして盈月の双眸は進められないと言うほどどのルートでも出てくる脚本の器用さにはまあ感心させられる。
そして席の前にドカッと座っている金髪で緋色の目をした攻略者5、レイトンシアスロイだ。ご存知だろうがこいつは俺の婚約者であるが俺もこいつも互いに互いのことを知らない、因みに俺もいい噂を聞かないしベルセンルクセスティンがソースだが俺の噂も良くないらしい。
最後はおれとベルセンルクセスティンの反対側の1番後ろの席に座る男の娘、つまりヒロインだ。ヒロインの髪は真っピンクで全く素敵な地雷臭がするがこの世界じゃ緑も赤もいてしまうので違和感はない。
ホモが見たいわけでも好きな訳でもない俺はこれからうるさくなるだろうな、と俺はまた心のうちでため息をついてしまった。
───────────────────
【結果発表】
盈月の双眸~ドキッ♡ハートフル物語~
人気投票結果発表!!
1位 ベルセンルクセスティン
2位 現在該当キャラは削除済みです。
3位 スレイグニンリル
4位 エルグレンフィスト
5位 クライムシクトリア
6位 マキアムヒスト
7位 レイトンシアスロイ
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