孤高(笑)の薔薇悪役の話

イェ

文字の大きさ
上 下
5 / 6
本編

5本目 出会い

しおりを挟む



シクトリアとセスティンが和気あいあいと蹴り 愛  合い をしていると教室の外から足音が聞こえてきた。足音言うか、布が擦れる音だ。紳士淑女たるもの足音も話し声も出してはならない、ってことだろうかね。ボケーッとしてるとさっきまでシクトリアと蹴り 愛  合い をしていたセスティンが俺の席に座ってきた。


「隣に座ってもいいか?」
「もう座っていらっしゃいますよ」
「おっと…すまないな…無意識に!座ってしまったようだ…もう座ってしまったのなら仕方ないな…」
「はははそうですね?」
「妬けてしまいますね~」


いらないヤキモチをやくシクトリアがセスティンの近くの席に座りやがて教室にはぞろぞろと人が入ってきた。


「おお!?アンダーランドシュレイにベルセンルクセスティン殿ではないか!説明会には来なかったのだな!」


デジャヴ…と思い教室の入口付近を見るとそこには一際体が大きな男が居た。マジで記憶にない。誰だ…?と思いその男をガン見し眉をひそめていると男は少々縮こまりまた話しを続けた。


「な、なんだ?やっぱりアンダーランドシュレイにベルセンルクセスティン殿は教授の顔なんて覚えてないのか?」
「あ…すみませんでした…教員の方でしたか……」
「やはりか…ベルセンルクセスティン殿は…」
「……オーレリア教授殿でしたよね」


こちらの方をずっと見つめ続けていたセスティンがやっと教授の方目線を送り、答えた名前が当たったのかがたいのいい男は急にパッと顔色を変えた。ものすごく、嬉しそうだ…………


「殿下のくちから聞いた通り私の名前はオーレリアアンセルだ!これから1年よろしく頼む!!」


次第に集まってきた生徒達が席についた後黒板に柄にもなさそうにきれいな字で名前を書いたオーレリア先生は見るも素敵なドヤ顔っぷりだ。俺とベルセンルクセスティンは1番後ろの席に座っていたため全員の顔がまじまじと見えてしまう。 

俺は自分のクラスを確認していただけでぼっちになるため友達はつくらない、とクラス分けに記載してある名前を確認しなかったことを後悔した。そう、いるのだ。婚約者のカス王子とヒロインが。おまけに他の攻略者もいる。
まずいっこ飛ばして前の席に座る緑髪の大きなリボンをつけた男、こいつら攻略者1のマキアムヒストと言うドマゾ男だ、ドマゾなだけあってヒロインの言うことなら全て聞いてしまい従者という称号があるほどのチョロさなのだ、あまりのチョロさに攻略する気が失せたと言ってもいい。
次に攻略者2のマキアムヒストの斜め前に座るのは赤髪にこれまた長髪の無口寡黙キャラのスレイグニンリル、うーん、キャラが美しいこのおれと少々被ってしまっている気がするな!スレイグニンリルは寡黙で無口キャラだが実はコミュ障で友達作りが不得手な奥手キャラなのだ。その頼りなさ故に本編ではもちろんスレイグニンイルが攻めだったのだが、二次創作ではヒロインが攻めと化してしまう男だ。
さてお次は一番端の入口側の席に座っている茶髪に黄色の目をしたやたら背の高い男攻略者4、エルグレンフィストだ。付け足しておくと攻略者3は人気投票ダントツ1位のベルセンルクセスティンである。エルグレンフィストは言うなればイケメン親友キャラだ。ヒロインとは幼馴染という、当て馬にもバウムクーヘンにも出来るお得キャラだ。こいつを覚えずして盈月の双眸は進められないと言うほどどのルートでも出てくる脚本の器用さにはまあ感心させられる。
そして席の前にドカッと座っている金髪で緋色の目をした攻略者5、レイトンシアスロイだ。ご存知だろうがこいつは俺の婚約者であるが俺もこいつも互いに互いのことを知らない、因みに俺もいい噂を聞かないしベルセンルクセスティンがソースだが俺の噂も良くないらしい。
最後はおれとベルセンルクセスティンの反対側の1番後ろの席に座る男の娘、つまりヒロインだ。ヒロインの髪は真っピンクで全く素敵な地雷臭がするがこの世界じゃ緑も赤もいてしまうので違和感はない。 

ホモが見たいわけでも好きな訳でもない俺はこれからうるさくなるだろうな、と俺はまた心のうちでため息をついてしまった。


─────────────────── 

【結果発表】
盈月の双眸~ドキッ♡ハートフル物語~ 

人気投票結果発表!! 

1位 ベルセンルクセスティン
2位 現在該当キャラは削除済みです。
3位 スレイグニンリル
4位 エルグレンフィスト
5位 クライムシクトリア
6位 マキアムヒスト
7位 レイトンシアスロイ
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢に転生したが弟が可愛すぎた!

ルカ
BL
悪役令嬢に転生したが男だった! ヒロインそっちのけで物語が進みゲームにはいなかった弟まで登場(弟は可愛い) 僕はいったいどうなるのー!

魔王様の瘴気を払った俺、何だかんだ愛されてます。

柴傘
BL
ごく普通の高校生東雲 叶太(しののめ かなた)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。 そこで初めて出会った大型の狼の獣に助けられ、その獣の瘴気を無意識に払ってしまう。 すると突然獣は大柄な男性へと姿を変え、この世界の魔王オリオンだと名乗る。そしてそのまま、叶太は魔王城へと連れて行かれてしまった。 「カナタ、君を私の伴侶として迎えたい」 そう真摯に告白する魔王の姿に、不覚にもときめいてしまい…。 魔王×高校生、ド天然攻め×絆され受け。 甘々ハピエン。

嫌われ悪役令息に転生したけど手遅れでした。

ゆゆり
BL
俺、成海 流唯 (なるみ るい)は今流行りの異世界転生をするも転生先の悪役令息はもう断罪された後。せめて断罪中とかじゃない⁉︎  騎士団長×悪役令息 処女作で作者が学生なこともあり、投稿頻度が乏しいです。誤字脱字など等がたくさんあると思いますが、あたたかいめで見てくださればなと思います!物語はそんなに長くする予定ではないです。

ヒロインの兄は悪役令嬢推し

西楓
BL
異世界転生し、ここは前世でやっていたゲームの世界だと知る。ヒロインの兄の俺は悪役令嬢推し。妹も可愛いが悪役令嬢と王子が幸せになるようにそっと見守ろうと思っていたのに…どうして?

顔だけが取り柄の俺、それさえもひたすら隠し通してみせる!!

彩ノ華
BL
顔だけが取り柄の俺だけど… …平凡に暮らしたいので隠し通してみせる!! 登場人物×恋には無自覚な主人公 ※溺愛 ❀気ままに投稿 ❀ゆるゆる更新 ❀文字数が多い時もあれば少ない時もある、それが人生や。知らんけど。

転生したら弟がブラコン重傷者でした!!!

Lynne
BL
俺の名前は佐々木塁、元高校生だ。俺は、ある日学校に行く途中、トラックに轢かれて死んでしまった...。 pixivの方でも、作品投稿始めました! 名前やアイコンは変わりません 主にアルファポリスで投稿するため、更新はアルファポリスのほうが早いと思います!

異世界に召喚され生活してるのだが、仕事のたびに元カレと会うのツラい

だいず
BL
平凡な生活を送っていた主人公、宇久田冬晴は、ある日異世界に召喚される。「転移者」となった冬晴の仕事は、魔女の予言を授かることだった。慣れない生活に戸惑う冬晴だったが、そんな冬晴を支える人物が現れる。グレンノルト・シルヴェスター、国の騎士団で団長を務める彼は、何も知らない冬晴に、世界のこと、国のこと、様々なことを教えてくれた。そんなグレンノルトに冬晴は次第に惹かれていき___ 1度は愛し合った2人が過去のしがらみを断ち切り、再び結ばれるまでの話。 ※設定上2人が仲良くなるまで時間がかかります…でもちゃんとハッピーエンドです!

【完結】鳥籠の中で義理の兄は弟から溺愛され、連続殺人から守られる

晴 菜葉
BL
昭和初期。 滋養強壮の秘薬とする王宜丸で知られる辰屋清春堂の店主、辰川清右衛門には、息子が二人いた。 一人は正妻の息子、森雪。 そしてもうひとりは、妾の子である吉森。 彼らの父は、三年前に凄惨な死に方をした。 そして、今また、辰屋が狙われる。 不気味な子守唄によって……。 次々に襲いかかる得体の知れない犯人と対峙する吉森は、隠していた本心を暴かれていく。 連続ミステリーのため、R15にしています

処理中です...