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陽炎氷柱

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第一章 赤い封筒

【扉を開けたら】先輩と異界デート【知らない世界】2

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87 名無しの学園生
ざわ……ざわ……


88 名無しの学園生
おい、鯖缶が食いついたぞ


89 名無しの学園生
83はコテ付けといてな~


90 聞いた話
コテはこれにします。

私の実家はシュヴァルの田舎にあるんですけど、なんか小さい頃に聞かされた話に似てるなって。
「招待状が赤くなったらお迎えが来る」って言うお話なんですけど


91 名無しの学園生
何が迎えにぐる”ん”です”が!!!


92 名無しの学園生
招待状は赤くならないよ!!


93 名無しの学園生
シュヴァルってあれか、芸術がやたらと盛んなとこの
言われてみれば確かに特徴は似てなくもないが……


94 鯖缶
今調べてみたけど
学園で出ている「赤い封筒」とその話の共通点は結構あるみたいだね

今じゃ対策方法も分かって被害は特にないんだけど、記録を見るに行方不明者の中で「赤い封筒」もしくは「赤い手紙」らしきものが届いているヤツが結構いるね


95 名無しの学園生
ねえ、俺すごいことに気付いちゃったんだけどさ


96 名無しの学園生
お願いずっと黙ってて


97 名無しの学園生
赤い封筒で瘴気耐性が落ちたから怪異に狙われやすくなった
のではなく
そもそも赤い封筒とその後に現れる怪異は同じ存在
なんじゃないか?封筒自体は目印的な


98 名無しの学園生
黙ってってゆった!!


99 名無しの学園生
確かに封筒と招待状って類似点もあるしな
でも副会長の場合、封筒はまだ完全に染まってないんだろ?
そこんとこどうなの?


100 烈火
こちら現場

聞いた話さんと97さんが言っていたことであっていそうです
封筒は半分くらいしか染まっていなかったんですけど、たぶん副会長の魔力は完全に覚えられています
向こうに動きがないのは、おそらく魔力を半分しか吸ってないせいで力が足りないのだと思います


101 名無しの学園生
なんでわかるの?


102 名無しの学園生
動きがないっていう事は、あの執事まだ副会長をじっと見つめてんの?
副会長のメンタル大丈夫か??


103 烈火
>>101 なんとなく?でも間違いないと思う
>>102 副会長はさっきの話を聞いて、執事を倒したらもう赤い封筒の被害はもう出てこないんじゃないのかって討伐に燃えています


104 名無しの学園生
っぉぃ


105 名無しの学園生
はいはい戦闘民族戦闘民族


106 名無しの学園生
ってことはなんだ、今そこにいる怪異は未完成なのか?


107 名無しの学園生
烈火すげえな


108 鯖缶
今ざっと手に入れた情報で漁ってみたんだけど、うちの赤い封筒はその怪異と同一のものとみてよさそうだね。現場にいる烈火の話もあるし。

なんで地方怪異がオスクリタに現れてるのかは分からんけど、現状この問題は後回しだ。
そんで今分かってることをまとめると
・吸われた魔力が一定値を超えると本体怪異が動く
・完全体ではない場合、異界に引きずりこまれるだけでいきなり害を与えられるわけではない
・迎えに来たのが執事でいいのか、それともただの手先か

例の噂では封筒ではなく招待状って言われていたし、僕的にボスは別にいそうな気がする
副会の魔力はまだ吸われてる?


109 名無しの学園生
異界に引きずり込まれた時点で無害じゃないんだよなあ


110 名無しの学園生
でもまとめを見ると赤い封筒の認識検める必要ありそうだな


111 名無しの学園生
てかさ、そもそも赤い封筒は俺らが勝手につけた名前じゃん。
だいだい見た瞬間に燃やすか、貰った人がすでに行方不明のどっちかだろ。つまりみんなちゃんと見てないわけよ


赤い”封筒”じゃなくて、赤い”招待状”だった可能性もあるんじゃなね?


112 名無しの学園生
オマエ97だろ



ほんっっっといい加減にしろよオマエ


113 烈火
魔力は少ないながらも吸わている感じがあります!
副会長も同じらしく、怪異が足りない分を補おうとしているのだと思います!!
【movie.mp3】


114 名無しの学園生
なあこれまずいんじゃないか?
このまま静観していると相手がどんどん魔力吸って強くなりそうなんだが


115 名無しの学園生
>>114 この音声聞いてそういう落ち着いた対応しているお前が怖い


116 名無しの学園生
>>115 その言葉でぼくは音声を聞くのをやめました
ままーーーー!優しく教えてーーーーーーっ!


117 名無しの学園生
もう、しょうがない子ね

聞こえてくるのは低いうめき声ね。執事の口が動いているからそいつのだと思うわ。
ところどころ掠れててよく聞こえないけど「お客様ですお客様です。しばしお待ちください。お嬢様はもう少しでいらっしゃいます」って言っていると思うわ


118 名無しの学園生
ありがとう優しいママ!
たぶんママは優しさ勘違いしてると思うからオブラートを勉強してきて


119 名無しの学園生
お嬢様はこないで!!!!!!


120 鯖缶
さっそくフラグ回収するな!!!
やっぱこっちの介入より向こうの動きが早かったか!!
二人とも調子はどう??


121 烈火
私と先輩はどちらも元気です。
ただこの空間の圧力が増しているので、何か来そうな感じはあります!
魔法で迎撃する準備はできていますが、正直ぜんぜん戻る方法が見つかっていません!
あ、


122 名無しの学園生
>>121 お嬢様を倒せたら戻れって烈火!?!?!?!


123 名無しの学園生
ホラスレで!!不穏な途中送信は!!やめて!!


124 名無しの学園生
ねえマジで反応ないんだけど大丈夫だよね


125 名無しの学園生
ちょ、人が消える瞬間とか見たくないんだけど


126 鯖缶
いや、大丈夫
二人の存在は緊急アプリから確認できてる。
俺の方でも知らべておくから、保守だけ頼んだよ


127 名無しの学園生
はい!







 ゾンビ執事が壊れたように『お嬢様』を繰り返す中、腐臭が少しづつ強くなっていく感じにルチアは思わず鼻を覆った。


「副会長、その話本当なんですか」
「今嘘をついても仕方がないでしょう。あの退学者の故郷もシュヴァルだったのよ」


 スレッドでシュヴァルの国名が出た瞬間、ヘスティアは携帯でどこかに指示を飛ばしていた。なにをしたのかは知らないが、数分後に彼女は情報を見つけ出してみせたのだ。

 曰く、あの退学者は学園で出ている赤い封筒という怪異が故郷で聞いたモノと同じ存在だと知っていたらしい。今まで害がないならと無視していたどころ、退学事件で赤い封筒を利用して復讐しようと考え付いたのだ。

「正式名称は『スカーレット嬢の招待状』ですって。なんでここに流れついたのかは不明ですけど、まあオスクリタではよくあることね。怪異に理由を求めても仕方がないわ」
「だいぶ名前が違いますね。ところで、ここから出る方法はありました?」


 異界から脱出する方法はそう多くない。

 一つ目は異界のルールを見抜き、それに従って行動する。
 二つ目は脱出した先人の記録をヒントに動く。
 三つ目は異界の主を討伐、もしくは空間を無理やりこじ開ける。

 そもそも異界を持てる怪異というのがかなり強い部類になってしまうため、三つ目はかなり優秀な魔法使いじゃなければ不可能である。
 いくら素質はあっても入学したての新入生と弱体中の三年生では難しいところがあり、しかもほとんど丸腰だ。
 なるべくこの異界の主であるスカーレット嬢との遭遇を避けたいところだが……。


「残念ながら。近年ではまず赤い封筒の被害報告が少ないし、その後怪異に出会っても別個として扱われているせいで情報はほとんどないのよ」
「やはり直接対決しかないですか?」
「わたくしとしてもここで潰していきたいのですけど……コンディションが思わしくないわね。無理に行動して貴女まで巻き込むわけにはいきません」


 ヘスティアは言葉を濁したが、つまりは厳しい戦いになると言うことだろう。
 ルチアとて初めて異界に迷い込んだが、周りの空気からして学園でそこら中に転がっている怪異とはレベルが違うことくらい分かる。

 そして話がいきずまったとき、異変は起きた。


 突然、ゾンビ執事の足がはじけ飛んだのだ。

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