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2章

ディメンション・スクール(24)

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「ロシアは美術館を観光することにしていたのよね。なんていう美術館だったっけ」

「エルミタージュ美術館。聞いたところによると、最高にいいらしいんだ」

「そうなの」

「うん。世界三大美術館のひとつで、そのなかでも一番歴史が古くて、世界最大の規模を誇るそうなんだ」

「わ~~、行ってみた~い」

「いつかね」

わたし達が話していると、

「ねぇ、ねぇ、お兄さん。バックが、光ってますけど、大丈夫?」

わたし達の背後から高齢の女性の声がした。
マスターのトートバッグを見ると、バックのなかに入っているワールドマップがまた光を放っているらしく、バックが光って見えた。

わたし達は立ち止まって、マスターはバックを開き、通り過ぎるその高齢の女性にお礼を言って、ワールドマップを取り出した。
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